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記録23『ジャイアントアル―』

「ありがとう! アルーの願いを叶えてくれるのね!」


ルーズは、嬉しそうにしながら惑にお礼を言った。


「お礼はまだ早いですよ……成功するかも分からないんですから」

「はい、でもお願いです……」


決意の固い返事に、惑も応えようと深呼吸する。

半分楽しみもあるが、それでも成功させる為、今までの記録を確認しながらイネの狩ったジャイアントを鑑定する。


Name:ジャイアント

HP:100000、MP:1000、攻撃力:100000、防御力:120000、スピード:102、知力:380魔法:なしスキル:巨大化、剛力、狂化、咆哮、と記載されていた。


「魔法なし、スキルは少々……ただステータスが高い……」


惑は、次にアル―を鑑定する。


Name:アル―

HP:100、MP:10、攻撃力:10、防御力:12、スピード:12、知力:38魔法:なしスキル:なしと記載されていた。


「戦闘面もない状態か……本人の能力もそこまでか……案外こういうのが難しいのか……」


そう考えながらも、惑は改造手術を始めた。


「取り敢えずは遺伝子を合成して見るか……合成」


惑のスキルを発動すると、アル―の体は変異し始めた。

しかし、突然血を口から噴き出した。


「ぶへええ!!」

「あ、ヤベ……心臓止まった……」


惑は、急いで心臓マッサージをした。

そして、人工呼吸を続けていると、再び息を吹き返す。


「よし……徐々に体の変異もまた変異し始めた……」


そして、慎重に様子を見ながら、惑はイネから貰った害虫やネズミを使ってHPを採取、合成をしてアル―の生命を維持した。


「よし……次は魔石の合成……」


子供である為、惑は魔石を入れた際の拒絶反応も考慮して、すぐに採取出来るようにした。


「ぐが!」


そして、合成した際、やはり拒絶反応が出た。


「採取……うーん……どうするべきか……魔石を小さくしてから合成するべきか? 分析」

『子供の体力面と魂を錬成した為か、強度の弱いせいでどちらの面でも耐える事は難しいです、しかし魔石を小さくすれば多少成功率は上がります』

「ふむ、そうか……スキルだけなら何とかなる?」

『巨大な体を保つためには、魔石が必要となります』

「そうかあ……取り敢えずやっとくか」


惑は、魔石を削り小さくすると合成を再び始めた。


「うぐがあ! あああああ!」


悲鳴を上げる中、惑は声を掛けた。


「頑張れ! 大丈夫だ! お母さんも入ってきてくれる?」

「はい! !! アルー!」


状態の悪いアル―を見て、ルーズは駆け寄る。


「アルー! アル―!! しっかり! 大丈夫! 貴方は強い子よ!」

「っぐう……ああああ! ううう」


必死にアル―は体の激痛を堪え続けた結果、何とか魔石の拒絶反応が少しずつなくなり始めた。


「よし……スキル追加もしたら終わりだな」

「ああ! 良かった!」

「まあでもしばらく安静にして置いてもらうね……今の状態も調べたいし」


惑は、ルーズにそう話すと、部屋から出た。


「ふー……」


惑は、考えた。


「分析……僕がしたことではあるけど……どうして母親の声で耐えれた?」

『記憶自体は存在する為、その記憶にいる母親の優しさと慈悲が錬成された魂に力を与え、体力を与えたからだと思われます』

「ふふうあはははは! やっぱ感情論馬鹿に出来ねえ! 精神は肉体を凌駕するとはよく言ったものだ!」


惑は、嬉しそうにしながら震える。


「これからだ……これからどんどんと改造を続けるぞ……そうすれば僕はもっと成長する生物の進化を見る事が出来る……科学に必要な事は金や権威ではない……必要なのは利用され続ける事……汚い野望も綺麗な野望も正義の心も悪の心も! 全てが科学を必要としている! それらを叶える事が生物の進化に必要な素材! ああ! データを! データをもっと手に……うう!」


惑は、フル勃起しながらズボンの中で膨れ上がる。

そして、擦れたせいか、イッテしまった。


「あああ……ふー……」


惑は、虚脱しながら壁に背を置く。


「よし、賢者モード……に入った……冷静になろう」


そして、惑は、考え事をしながら歩いているとアレンに会った。


「錬金術師様! ルーズさんがアル―君の」

「ああ、今終わったよ」


その言葉を聞いて、アレンは何とも言えない表情になる。


「そうですか……分かりました……本人が望んだのであれば……私もそうですし……」


アレンは、否定する事が出来なかった。

そんな時であった。


「錬金術師様! 俺達も! 俺達も友達や親や兄弟の仇を討ちたい! 俺達も改造してくれ!」

「アル―もしたんだろ! だったら僕達だって!」

「お願い!」


複数人の子供達が現れて懇願して来た。


「うん、いいよ……」

「錬金術師様! ちょっと待ってくだ……」

「何だよ! 大人ばっかり! アンタらが居なくなったら俺等はどう生きれば良いんだよ!」

「結局騎士の殺されて死ぬかもしれないんだから戦いたいよ!」

「アル―だけに負担を負わせるか!」


決意した目の子供達を見て、自身がそうだった為、否定する事が出来なくなる。

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