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記録243『笑顔でいて』

『貴様等……そこまで堕ちたとは……悲しい事だ……この私が手ずから浄化するしかない……』


神の声に、皆が覚悟を決める。


「良いですか……私の合図と共に動きなさい」

「は!」


神は、静かな怒りをおっぱい村に者達に向けた。

そして、先程話していた女性を真っ二つにした。

それと同時に、おっぱい村の住人は全員動き出した。


『な! そんな下らない事でこの私を倒せるとでも思っているのか!!』


そこには、神の姿はなく声だけが聞こえる。

一人一人、神の神罰を与えられて、破裂、斬撃、体が突如崩れる等といった残虐な死に方をする。

だが、同時に神罰の間隔が空いて行った。


『なんだ! どういう事だ!!』

「次は私か……貴様……自分で気付いているか? ぶあ!」

『!!』

「……ずっと気になっていた……どうしてロキ君とスモルバスを出せと言ったのか……いくら貴様でもこの世界の何処も彼処も知っている訳ではないようだな……ぐばあ!!」


二人が、破裂、断裂によって死んだ。


『!!』

「動揺したわね……つまり私達を認識する事によって神罰を与える事が出来る……ばあ!!」

「きっと心を読めたりや次の行動を未来視は出来るんだろうけど……がはあ!!」


首を飛ばされ、穴という穴から血を吹き出しながら死んだ。


「それでも制限はある……でなければ今の様に私達以外の堕ちし者達をさっさと排除しているでしょ? ぐが!!」

「それが出来ないって事は……私達が罪人である事を認識した上で、私達の罪を暴発させる……それが貴方の力の正体……うが」


一人は破裂して死んだ、しかしもう一人は足だけが爆ぜただけであった。


『馬鹿な! こんなことが!!』

「簡単な話だった……さっきから皆で魔力の流れを感じ取っていた……どうして皆それぞれ違う死に方をしたのか……それは私達が敢えて魔力をコントロールして検証していたから……魔力は魔力臓器で出来るけど相手に攻撃の意思を向けたり誰かを回復させる事が出来るのはそうしたいという感情が、精神がそれを実行している……なら簡単、魔力に乗せて感情をダメージを負っても行動の出来る場所へと移せばいい……攻撃魔法が手から出るようにね……」

『なら男はどうなる! 鉄の重りで死んだではないか!』

「それは貴方の雑なカモフラージュでしょ? 後はそう……悪趣味……本当に貴方って気色悪いわね……」

『!!! えええい!! 黙れ黙れえええ!!』

「が! ばあ! ぐがあああ!!」


もう片方の足と両手が破裂した。


「はあはあ……癇癪を起して……情けないわよ……それとも都合の良い事だけしか見たくないのかしら? 全く……甘ちゃんね」

『このおおお!!』


そして、顔面が破裂した。


『はあ……はあ……残るは3人』

「ねえ……貴方……どうしてロキ君だけでなくスモルバスの位置も見失っていたの?」

『!! どういう……』

「簡単よ……堕とした神とはいえ同じ神……ロキ君から聞いた暴露の時もロキ君が何をしているか知らなかった……貴方同じ神の行動が認知出来ない……更に他の神の近くにいる人間も同時に感知する事が難しいんじゃないの?」

『!!』

「あら? 図星かしら? 意外と簡単だったわね」

「仕方ないわよ……圧倒できる人ってそれだけ実戦不足だもの……私達は女だけで生きていけたのはそれだけ修羅場を潜って来たんだもの……他の子供達は行ったわね……」

『!! おい! ロキは! スモルバスは! あのビーグとか言う女は! そして貴様等の村の子供は!!』

「あらあら? どうしたのかしら? 情けない声で動揺して……まさか私達がただ殺されるだけだったとでも? 教えてあげる……人って色々な事を考えて生きているの……がばあ!!」

「そして村というのは都会と違って狭い……その分村で知らない人はいないぐらい皆が通じ合い理解し合える……だから貴方から時間を稼ぐぐらいどうってことないの……互いが互いの理解出来ているから何も言わなくても貴方の神罰のトリックも分かったし対処も出来た……がはあ!!」

「そして最後に私から……私達の掟は絶対に守る……パーリズちゃんは死んじゃったけど……死んでいない者もいる……例え村が消えても……私達おっぱい村は子供を守る為に最後まで戦い続ける! 分かったかしら!!」

『ええい!! もうよい!!』

「があばあ!!」


そして、最後の一人が死んだ。


『糞! 糞おお!! バカにしやがって!! だがまだそう遠くには行っていないはずだ……今なら……!! はははは……はははははは!! 見つけたぞ!!』


神は不敵に嗤った。


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「ここからは分かれ道よ、私はあっちに行く……そして神を引き付ける……スモルバスは子供を連れてロキ君と一緒にそっちの道に逃げて」

「!! ……うん……分かったわ……ビーグ……」


スモルバスや他の子供達も涙を流しながらビーグを見る。

スモルバスの手には、バラバラになったデカパが痙攣しながら辛うじて生きていた。


「そんな顔しないで……これも宿命よ……そんな事よりも皆笑って! それだけで他の皆も報われるから……ほらスモルバスも!!」


生き残ったスモルバスと村の子供達は息を呑んだ。

そして、


『ぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよぽよ』


皆は笑った。

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