記録239『奇跡』
ロキは、スモルバスが一人でいるところに走った。
「スモルバスお姉ちゃん!」
「ああ、ロキ君」
スモルバスは、少し元気のなさそうにしながら声を掛ける。
「スモルバスお姉ちゃん! みんな心配しているみたいだけど……大丈夫?」
「うん……大丈夫……皆の気持ちも分かっている……」
「そうなんだ」
ロキは、嗤いながら抱き着く。
「ねえ、お姉ちゃん……笑わないって聞いたけど……皆の笑い方はとても個性的で文化的だよね」
「?? 文化的? どういう事?」
「あれ? ああ!」
ロキは、スモルバス自身も文化的な事が既に染み付いているものであった。
「さてと……僕は悪戯の神のロキっていうのはまだ言ってなかったね」
「?? 神様? どういう事?」
スモルバスは、首を傾げる。
「あれ? ここには神の信仰はないの?」
「神様の信仰……私達の文化も育てたのも森の協力の元でなっているし」
「そうなの? まあそうか……森が君達という存在へと成長させたのは間違いないし……じゃあよく言われている人間は神によって作られたって言うのは?」
「え? 神が人間を作る? 人間は元素から化学反応で出来たんですよね?」
「あれええ?」
ロキは、パパに学んだ事とは違う学習をした。
結果、神が人間を作ったのではなく、人間が神と呼ばれる概念を作り神が誕生したと考えるようになった。
「パパ達は何で分かりやすい嘘を……」
「うーん……もしかしたら間違ってもないのかもねエ……まあ分からないけど」
二人は、首を傾げながら悩む。
しかし、特に気にする必要もないと思ったのか、二人は別の話へと移った。
「で! 僕が悪戯の神である事を今言ったんだけど……お姉ちゃんを皆と同じにしてあげたいと思ったんだ!」
「?? それって?」
「皆と同じくおっぱいを大きくするんだ!」
「!!」
その言葉を聞いて、スモルバスは涙を流した。
「え……え……本当に?」
「うん! だって皆と笑いたいでしょ?」
「そうだけど……でもどうして?」
「僕を保護してくれたのと色々と勉強させてくれたって事?」
「……そんなんでいいならいつまでも居て良いわよ……」
スモルバスは、ロキを抱き締める。
「喜ぶのはまだ早いよ……僕の能力は少し厄介でね……悪戯的な能力だから当然デメリットもある……というか面白味かな?」
「面白味? それって?」
ロキは、地面に絵をかいて説明する。
「僕が君のおっぱいを大きくするとドンドンとドンドンと大きくなっていっていつか支えられなくなる……まあ体ごと大きくすればそれはそれで貧乳のままなんだけど……」
「それって途中で止められないの?」
「止められないかなあ……」
「じゃあおっぱいを先に大きくして、丁度いい状態で体を大きくするのは?」
「それならできる! 確かに……おっぱいは大きくしても支えられなくなるのは困るから……ならば体は途中から大きくすれば……でもそれじゃあ君は……」
「いいの……例え体が永遠に大きくなり続けるとしても……私は覚悟がある……今が笑えるなら未来笑えなくなっても良い……私は今そうしたい……皆に追い出される未来もあるなら覚悟する……後悔する事に恐れたくない……それに……後悔するならやってからしたいかな?」
その言葉を聞いて、ロキは決心を受け入れた。
「じゃあ今からするね!」
「はい!」
「取り敢えず一日1㎝ずつ大きくなるようにするね!」
「後で調整できるの?」
「出来ないよ?」
そして、ロキはスモルバスのおっぱいを大きくしていく能力を発動させた。
---------------------------------------------------------------
スモルバスは、次の日目を覚まして胸を触る。
「!! 少し大きくなっている……」
嬉しそうにしながらスモルバスは外に出た。
その時であった。
「スモルバス……」
「ビーグ……」
ビーグは、涙を流しながらスモルバスを抱き締める。
「良かった! 本当に良かった……」
ビーグは、スモルバスと共に喜んだ。
「スモルバスお姉ちゃん大きくなったの!」
「やった! スモルバスお姉ちゃんはおっぱいが大きくなった!」
子供達も、はしゃぐように大喜びする。
「村長!」
「あら! 本当だわ! 今日はパーティーよ!」
そして、村人皆でおっぱいパーティーを開いた。
大いに飲み食いし、大いにお喋りした。
「ああ! 少し揺れた!」
「うん……まだ小さいけど……張りがある様に感じるわ……」
「私にも弄らせてえ!!」
「いいわよ!」
少女達は、興味津々にスモルバスのおっぱいを弄った。




