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記録236『もっともゲスイ共闘関係』

「貴様あ! 自分が一体何をしたのか分かっているのかあ!!」


父は、ロキにブチギレて、そのまま顔面を殴り付ける。


「いたーい!」


ロキは、おどけるように嗤いながら転がる。

そして、父に言い放つ。


「でもパパ? 僕はあの祭りの通りにパパの秘密をバラしただけだよ? 一体それに何が問題があるの? 分からないなあ~」

「自覚すらないのか……貴様だけは……貴様だけは許せない! 人の愛を踏み躙り! 人を憎しみへと導く捻じ曲った薄汚い心! 到底感化できるもではない! この悪童め!! 貴様だけは俺の手でこの神界から追い出してやる! そうすれば俺の名誉も回復する! 神界から追い出された者の行った行為による影響は消える! 私には! この神界を守る義務がある!!」

「へえ……でも今のパパにそれが出来るの?」


父の信仰力は、ロキの暴露動画によって急激な低下をしている。

その為、父は完全な力を行使する事が出来ない。


「舐めるな! 力は落ちたが……貴様を神界から堕とす事ぐらいなら出来る!! はあああ!」


すると、ロキは下に押し付けられるような感覚に襲われる。


「へえ……これがパパの堕神かあ……でもこれじゃあ流石に堕ちないよ?」

「っく! くそおおお!!」


全神経を集中させて、ロキを堕とそうとするが、ロキは一向に堕ちる様子はない。


「やはり……信仰力が足りん……くそおお……悪童の企みのせいで……思ったより力が出ん……私に……私にもっと力があれば……くそおおお!!」


父の堕神は、力及ばずロキを堕とす事が叶わない。

このままでは、ロキの行った暴露動画を無かった事に出来ない。

父が諦めたその時であった。


「何やってんだよ……親父……」

「よくもそんなもので神として誇れますね……らしくですよ」

「お前等は……」

「あ、ビューレ兄さんにオーデ兄さんだ」


ビューレとオーデは、ロキの異母兄弟であり、母の知らないところで出来た愛人の息子達である。

それが理由により、ロキは父の愛人関係を知っていたのである。


「お前達……どうしてここに……」

「別にお前を助けたくて来たんじゃねえ! コイツのせいで俺の愛人達の事を問い詰められて嫁がブチギレたんだ!」

「私もです……全く……浮気は男の運動だというのに……」

「そうか……ならば俺達がここで奴を倒そう! そしていつもの日常を取り戻すんだ!!」

「おお!」

「そうですね……」


人によっては理解出来ない倫理観を解説しながら、3人はロキを堕とそうとする。


「おお! 何か強く……」

「まだまだこんなもんじゃねえぜ!」

「そうです……行けますよね……父上」

「ああ! 俺だってまだまだやれる!!」


ロキは、押しつぶされそうな圧力に地面に叩き付けられる。


「がはああ!」

「この悪童め……貴様は堕とす! ここで絶対に!」

「そうだ! 俺だけなら難しいかもしれない……だが俺達兄弟と親子が揃えば! お前を堕とすなんて訳ないぞ!」

「その通り! 俺達は負けない! お前の様に人を精神的に追い詰めて蹴落とそうとするような卑劣な奴なんかには絶対に負けない!!」

「え? いや別に蹴落とそうとは……ただ面白そうだと思って……」

「「「言い訳するな!!」」」

「ええ……」


ロキは、地面に埋まり始める。


「「「うおおおおおおおおおおおお!!」」」

「うががががg……」

「「「一ケえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」」」


そして、地面は抉れるようにロキを包むと同時に、ロキは人間界へと堕ちた。


「うおおおおおおおおおおおおおおお!! スカーイ!! ダイビーーーング!!」


ロキは、楽しそうにしながら地面へと向かった。


「やった……のか」

「ああ……勝ちましたよ……」

「俺達はやったんだ……」



こうして、父、ビューレとオーデは、肩を組みながら喜んだ。


「やったな……お前達……」

「ああ……そうだな!」

「フン、当然です……」

「素直じゃねえなお前は!」

「五月蠅いですよ!!」

「「ハハハハハハハハハ!!」」


こうして、ロキの行った暴露動画は、人間界に堕ちた事によって効力を失い、父も兄妹も元の日常へと戻れた。

しかし、ロキの行動によって失った者は尊い。

父は、それでも強く生きた。


「我々は! ロキを堕とした! しかあし!! それでも奴が行った行為は悍ましいものだ! よって秘密を暴露する祭りは今後一切中止とする! それが私が出す政策だあああああ!」


そして、秘密を暴露する事による成長させる祭りは、なくなった。


そして、父や兄弟は、再び沢山の愛人達を囲い、愛に包まれた生活を過ごす事が出来た。

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