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記録226『ここは任せろ』

有志達は走った。


「ここを真っ直ぐ行けば城へと最短で到着します……でも門番の衛兵もいるので出来るだけ無力化出来ればと思いまして!」

「そうか! 分かった! 俺に……」

「いえ! 私達に任せてください!」

「その通りだ! 時間を掛ければ掛ける程心配だ!」


有志は、二人の意見を聞いて有志は頷く。


「確かに……なら頼んだ!」

「「はい!」」


二人は、有志に自信満々に返事をした。


「これが仲間との信頼なのですね……凄いです!!」

「君も同じさ! 俺は! 俺達は君を信頼して案内をお願いしているんだから!! ゴミムシとの戦いの時も頼む!」

「!! はい!」


有志の信頼に、エリナールメールは嬉しそうに返事をした。


「さて……有志の為に」

「ここからは私達が相手です!」

「怯むな! 人間でも奴等には実戦の経験がある! そんな奴等程舐めると恐ろしい! 俺等で打ち倒してあの勇者を潰すぞ!!」

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』


兵士達は、レイシャとシャイニャスに襲い掛かる。


「峰討ちさせて貰う!」

「無力化の為の魔法だって! 私は習得しております!」


---------------------------------------------------------------


そして、有志達は城内へと入った。


「どこにいる! 勇者! 出てこい!」

「おい! 隠し通路の警備も忘れるな! 何処からか入られるかもしれないからな! ネズミのように!」

「は! 勇者め! まるで害虫だな!」

「くそおお! 奴等……好き放題……いや……これもゴミムシに言わされているんだな……必ず俺が救って見せる!」


有志は、決意を胸にエリナールメールの案内に導かれる。


「ここです! ここにゴミムシが居ます!」


そこは、改造室と日本語で記載された部屋であった。


「くそ! 改造だと! どれだけ罪のない者を玩具の様に扱うんだ! 命を何だと思っている!」

「おいおいおい、酷いなあ……人の事をゴミムシだの命を粗末にしているだの……小学生時代にチクチク言葉はいけませんって習わなかったのかい? まさか君は学がないのかい? それとも小学生に学んだことを蔑ろにしているのかい? 意外と大人になっても大切な事だよ?」


馬鹿にするような言葉が部屋から飛んできた。


「黙れ! ゴミムシ!」

「また言った! 酷―い……まあいいけど……君はそもそも僕の言う事も言い訳も何もかも興味もないんだろ? 僕も倫理とかはあまり出来ていないみたいだし……どう思うよ? エレンちゃん」

「うーん……惑の倫理は終わっていますが……アレの言葉もあまり心に来ませんね……あれですし……」


エレンは、有志を見下すように言った。


「エレンちゃん! そんな奴に着いてはいけない! そのゴミムシは君を洗脳し操っているんだ! 俺の元に来るんだ! 俺の愛で君の呪いを解いてあげるよ! 早くこっちに来るんだ!」

「うわ……ここでズッコンバッコンするつもり? 引くわ~どう思うよ? エレンちゃん」

「本ッ当に気持ち悪い……止めてください」

「エレンちゃん!」


エレンは、有志の言葉に真っ青になる。


「ゴミムシ! 貴様! どこまでエレンちゃんを穢すつもりだ! まさかもう! 許せない! 貴様の穢れを早く俺が浄化しないといけないのに!」

「……」


惑は、再びここに来るまでの融資に対する表情へと変わった。


「さてと、まあ僕はここで死ぬつもりはないけど……どうするの? 殺す? でも殺そうとしても無駄だと思うなア……」


惑は、そう言ってエレンの首に刃物を突き付ける。


「貴様ああ!」

「いやあ、エレンちゃんは僕に頼んだ事なんだ……勇者が殺せるまで僕に生きろって、例え私を人質にしてでも……なら守るしかないでしょ? 本当に良いのエレンちゃん? 襲われたら君は死ぬよ?」

「大丈夫です」

「うおおおおおおおおおおお!!」


有志は、聖剣を構えて惑だけを斬り殺そうとした。

だが、誰かに体を引っ張られる。


「う!! エリナールメール! 何を!! そうか! ごめん! 興奮しすぎていた……もしこれで俺がゴミムシを……」

「違うよ」

「え?」


エリナールメールの目は、先程までとどこか違った。


「私が君を引っ張ったのは西院円惑を殺される訳にはいかないんだって……そんな理由だよ?」

「エリナールメール? 違うよ……アイツの事はゴミムシって……」

「それは貴方が決めた事でしょ? 私は貴様に取り入る為に一時的に貴様に心を許した振りを……一時的に体を許しただけだよ? 上手くいって良かったよ……オエエエエエ!」


エリナールメールは、有志に対して嗚咽の表情を見せる。


「エリナールメール……ゴミムシ! 貴様! エリナールメールに何をした!」

「?? 何も? 僕は彼女に持ち掛けられただけだよ?」

「え? そうなんですか?」


この事は、エレンすら知らなかったようだ。


「イネとプランには言ってある、君にはここに居て貰うから敢えて黙って分っていない様にして貰ったけどね、エリナールメールはこっち側だよ」

「な! 何を! ふざけた事を……」

「言ってませんよ? それに……私達の狙いは貴方じゃないんです」

「は?」

「もうそろそろだと良いんですが……」


エリナールメールは、不敵に嗤う。

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