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記録21『村人の決意』

アレン達は、食事を終えて、会議を始めた。


「議題は、今後の我々はどのように暮らすか、それとも国に仇なすかの意見を取りたい」


村人達は、怒りに燃えていた。

自分の大切な者達を奪われて、仇を取りたいと考えるようになり、最早穏やかに過ごすという選択肢はなかったかのように、意見は国に仇なす方への賛同が多かった。

惑は、その様子を見て話す。


「今の君達の状態では確実に負けるよね? これは僕の改造を受けたいって事でいいの? まあ穏やかに過ごすにしても改造しないとアレン君だけじゃ絶対に戦力不足だと思うよ? 村を立て直す事も出来ないし……」


明らかに、惑は自分が人間を改造する為に誘導している。

しかし、現状村人達はそれを受け入れる以外方法はなかった。

だが、それでも惑は、村人の生き方自体を否定はしなかった。

穏やかに過ごそうが、国を仇なす者となるかは改造にはあまり関係なかった。


「錬金術師様……我々は穏やかに過ごす事はない……どうせ生きているだけで奴等は我々を殲滅しようとする……ならば結局のところ国との衝突は避けられないという事です……いずれ起こる悲劇……起こる時間が短いか長いかの違い……ならばこちらから攻める……仕掛ける……」

「でも向こうには勇者がまだ居座ってるかもよ? それでも戦うの? 改造しての生活だから多少の騎士達や兵士達なんて撃退出来る……でも今攻めれば勇者との衝突で君等は全滅する可能性大だ……それでも今攻める?」


しかし、負ける可能性が高い事は伝えた、惑からして、今は攻め時ではないという事だけは一応伝える。


「確かに……でも改造してしまえば我々は魔族として認定されるでしょう……そして勇者様がまだ旅立っていない時に奴等が襲えば結局変わりません……だからこそ準備が整い次第国を襲います……それに勇者だって魔王を倒せば次は我々を殲滅します……その頃の勇者ではきっと我々は敵わないで死ぬだけでしょう」


その言葉を聞いて、惑は気付いた。


「ああ……なるほどね……色々と言ってはいるけど……我慢何て出来ないってことか……」

「? 何か?」


ボソっと言った言葉に村人は反応するが、惑は首を振った。


「何でもない……でも多少の作戦は考えないと無駄死にだ……さすがに僕はそれを見過ごす訳にはいかない……確かに今の勇者はまだそこまで強い訳ではないんだろう……まあそれでも突撃してもそれこそ無謀だ……情報を手に入れる事や戦闘訓練をしてから僕は君等を見送る……それで良いならそうした方が僕としても助かる」


村人もその意見に賛同していた。


「ああ……寧ろお願いします」

「我々は戦った事がない……助かる……」

「これで勝機が少し増えた」


そんな話をしていると、ルーズは言った。


「私はこの子の母親でいたい……だから改造は良い……それで死ぬなら私はこのこと死ぬ……母親として生きて母親として死ぬわ」


その言葉を残して、アル―を抱きしめる。


「分かった、必要な時は言ってね」

「うん、ありがとうございます……錬金術師様」


そう言って二人は、森の奥へと入って行った。


「イネ、護衛お願い」

「はい」


イネは惑の言われた通り二人の後を付けた。


そして、惑は皆に言った。


「では皆に改造を施すね! 皆契約書を渡すから」


惑は、作った契約書を村人に配り始める。


「ふむ……色々と書いているがようは今の自分の状態の事か」

「まあ大切そうだから良く読んでとも言われてるし」

「改造して貰えるんだ……これぐらいはな……」


村人達は、皆惑と契約を交わした。

そして、惑、イネに一切の手を出さないようにと書き加えられた契約書を納得の上でサインをして惑に渡す。


「取り敢えず、イネが持って来た獲物のスキルは入手済みだから少しずつ改造を進めて行こうか……ゴブリンにファング、ベアーにケンタウロスもいるのか……ケンタウロスは人間の死体で作った方が効率が良さそうだけど……死体も使って良い? ダメなら諦めるけど……」

『ダメだ!』

「ダメかあ……」


惑は、少し落ち込んだが、それでもケンタウロスは生きている人間の3人は望んだため、実行に移す事が出来た。

と言っても、オーガの際と同じ、遺伝子を組み込んでの魔石の合成、スキルの追加等を行った。


そして、4人終わったところで護衛を2人付けた状態にする事で、騎士達の追い打ちを回避する事が出来た。

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