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記録223『愛の魔力全快勇者』

準備をした惑の思惑とは裏腹に、勇者一行は近くの森で愛を養っていた。


「愛ねえ……いやまあいいんだけど……取り敢えずはあっちの愛の対抗として色々と準備をって言いたいけど……もう大体の仕込みは済んでるんだよなあ……」


困った様に暇が出来たが、イネは嗤っていた。


「ねえ、惑……私のスキルを成長する為に色々と準備させて欲しいんだけど……惑から聞いたサクランの魔力による子作り……もしかしたら私にも出来るかもしれないんだ」

「ほう、君は本当に成長するねエ……それが保存本能って事?」

「そう! 私はあの動物にとってのスラム街の出身だからね、生命力もかなり高いし生存競争だって強い……そしてキメラとしての特別な才能だってある……それを活かせば私のスキルは進化する……惑? 君はスキルは精神力で変化するって言ってたよね……なら私の持っているものは使えるんじゃないかな?」

「ふむふむ……面白いこと考えているね」


惑は、嬉しそうにしながらイネの頭を撫でる。


「じゃあ頑張ってね!」

「うん!」


イネは、自室に籠った。


「……怖いなあ……」

「イネお姉兄ちゃんは凄いこと考えているね!」

「いいかい、二人共……この行為は自然界にいるんだ……だからこれはあの子が考えても当然であって素晴らしい事なんだよ? 動物だってある意味自身が生き残る為に進化……つまり科学によって生き方を変えるんだ」

「そう……ですか……」


エレンは、少し分から無さそうにしながら頷いた。


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「はあ……はあ……素晴らしい……愛がこんなに……」

「皆有志を信じています……きっと全て上手く行きます」

「ああ! その通りだ! 私には見える! 有志がこの世界を救い平和をもたらす未来が!」

「そうだよ! 私達は有志とこの世界で幸せに! いやこの幸せは皆感じながら生きていけるんだ! こんなに光栄な事はないよ!」

「ああ!! ありがとう!」


有志は、嬉しそうにしながら起き上がる。


「よおし! そろそろ向かうか! ドラゴニクスカントリーへ!」

「ああ!」

「ええ!」

「うん!」


51日目、遂に勇者一行はドラゴニクスカントリーへと向かった。


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「有志! まずはドラゴニクスカントリーの現状維持派と落ち合おう! きっとイネちゃんやエレンちゃん! プランちゃんを助ける為に手を貸してくれるよ!」

「!! そうなのか! さすが聖剣の妖精! 俺をこんなに導いてくれる妖精は他に居ない!」

「そんな~照れるよお……」


レティリアは、顔を染めながら頭を掻く。


「有志、それならばドラゴニクスカントリーの姫、ドラゴニクス・エリナーメリと交渉は私にお任せください!」

「シャイニャス! さすが姫だ! きっとシャイニャスなら上手く交渉してくれる!」

「なら私はドラゴニクスの騎士達と共同戦線を張ろう!」

「君の騎士道ならきっと上手くいく! ありがとう!」

「ありがとう……えへへ」


3人は、嬉しそうにしながらドラゴニクスカントリーの現状維持派に入った。


「いたぞ! 勇者だ!」

「うおおおおおお!」

「さすが有志! 皆が駆け寄ってくる!」

「初めての街でこんなに慕われるなんて! さすが有志!」

「有志は凄いんだから! うんうん!」

「ああ、皆! 俺が来たよ!」

「くらえええええええええええええええええ!!」


有志は、駆け寄ってくる皆に、腕を左右に広げるが、飛んできたのは石であった。


「え!? いだ!」

「皆! 石を投げつけてやれ!」

「おおお!」

「これでもくらええええ!」

「石を持てええ! 放てえええ!」


現状維持派から大量の石が飛んできた。


「うわああ! なんだ!」

「どうして! 痛い!」

「シャイニャス!」

「レティリア! これは! 現状維持派では……」

「分からない! いだい!」


困惑しながら、石を防ぐが、防ぎきれず額から血を流す。


「こっちです!」


しかし、どこからか手招きする者がいた。


「あそこだ! 急ごう!」

「はい!」

「分かった!」

「うーん! どうして! どうしてえええ!」


レティリアは、涙を流しながら有志達と一緒に逃げる。


「あ! 逃げたぞ!」

「臆病者め! たかが石で勇者が逃げるとは! 情けない!」

「よくも自信満々にバファハイド様を殺そうと思えたものだ!」

「それまさに正論!」


そして、有志達は手招きの元へと向かうとそこには竜人の少女がいた。


「ありがとう……君のお陰で助かった……君は?」

「私は……私の名前はエリナールメール……ドラゴニクス・エリナールメールです……ドラゴニクス・エリナーメリの妹です!」


か弱い一人の竜人少女によって、勇者一行は心が救われた。


「ねえ! あれは! 一体どういうことなの……現状維持派は……現状維持派は勇者様を信仰していたはずでは……」

「レティリアさんですね……あれは西院円惑の仕業です……あの男が私の……私のお姉さまを……殺したのです……勇者の銅像を事故に見せかけて斬り殺させたのです!」

「!! 勇者の……銅像を……」


有志は、怒りが爆発しそうになったが、耐えて話を聞く事にした。

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