記録218『ドラゴニクスカントリーへ』
「バザルさんありがとうね!」
「いえいえ、魔王様からも頼まれていますからね……貴方も魔族になりませんか?」
「今は良いかな? 人間のままで勇者を殺してという訳ではないけど僕は弱いままの状態で人間として倒しうる方法を探る必要がある、科学というのは常に弱者である必要性がある……まあ全ての人間が魔族化したら僕も魔族になるけどそこからも弱さを起点に錬金術師は続けるかな? まあこの世に人間が残っている以上は人間として活動して魔族に変える事を進めるとかかな?」
惑にとって、科学による人類救済は、人類である必要性を謡っているわけではない。
人類がその強さに至ればいいという考え方である。
つまりは、魔族への進化を果せば、次のステップの科学へと至れるという考え方である。
人間に拘る理由は、人間として生まれたなら自身が先に魔族になってしまえば、魔族でない者の気持ちが分からなくなる可能性を示唆しているからである。
「そう……ですか……分かりました……着きましたよ」
そして、バザルの案内によってドラゴニクスカントリーへと到着した。
「着いたあああ!」
「遊びじゃないんですよ、イネさん」
「エレンお姉ちゃん……私も遊んじゃダメ?」
うるうる目でプランは、エレンに聞いた。
「!! もう! 仕方ないですねえ~!」
エレンは、何処かプランにだけは甘く観光を始めようとしていた。
「でしたら魔王派と現状維持派の二つがありますがどうしますか?」
「現状維持派!」
惑は、勝手に観光先を決めた。
「魔王派じゃないんですか!」
「私程の力であれば確実に相手を殺せますので現状維持派の場所でも問題なく行動出来ますが」
「ならそれで!」
「あの……どうして魔王派じゃなく……」
惑は、嗤いながら答える。
「敵を知る事が一番の近道だよ、まずは敵となる現状維持派を観察する」
「でしたら良いモノがあります……それを見に行きますか? 一応はあれも攻撃の一部ですからね」
「ほう、攻撃の一部……」
惑は、嬉しそうにしながら興味を持つ。
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「やめ! 止めてくれえええ!」
「俺は関係ないいいいいい!!」
二人の竜人達が、縛られていた。
「皆の者! 子奴等は魔王派に情報を売っていた! それを許せるかあ!」
「許せない!」
「酷い!」
「竜人の恥さらしめ!」
竜人達が集まり、二人の竜人達に石を投げつけていた。
「これより! 子奴等を爆裂処刑に処す!」
「いやdfだ! いだやああ!!」
「だづげでえ!」
「執行!」
合図と同時に、二人は体の内側から破裂した。
臓物の雨が降り注ぎ、竜人達は皆喜んだ。
「これで悪は倒されたあああ!」
「やったあああああ!」
「あ! あれは……ばざぶああ!!」
「ど! どうした!」
バザルを見つけた竜人の一人は、いきなり首が飛んで死んだ。
「っきゃははははは!! 面白ーい!」
プランは、嬉しそうにしながら臓物を栄養にする。
「今日は竜人の臓物煮込みだ!」
惑は、鍋に降って来た臓物を鍋に上手い事入れて、嬉しそうにする。
「さてと、今日はここの案内で明日は魔王派でよろしいでしょうか?」
「おう! お願いね!」
惑は、嬉しそうにしながら観光を始めた。
以前の勇者の銅像、倒された魔王の像を踏み付けさせてそこで拝む老竜人達、石を投げて魔王を冒涜する者がいた。
「ほう、どうする?」
「勇者に投げます! えい!!」
「あああ!」
エレンは、怒りのまま勇者に石を投げる。
バザルは、素っ頓狂な声を上げる。
「!! なんてことを! 許せない!」
「あの人間ヨ! 殺しましょう!」
「貴様!! 勇者様になんてことを!!」
「お止めなさい!」
「あれは?」
「現状維持派の王の姫君のドラゴニクス・エリナーメリです……」
「ドラゴンは苗字が上なんだ」
「勇者様がそれが当然だと言い残したから子奴等はそうしております」
「……」
惑は、呆れ返った。
「しかし姫! 奴は勇者様へ向って石を投げたのですよ! 許されません!」
「間違えて当たったのかもしれないではありませんか! それを寄って集って! 行けませんよ!」
「!! はい……」
当然の怒りを向けた住民が、逆に怒鳴られてしまった。
「申し訳ありません、貴方もワザとでは……」
「は? わざと勇者狙いましたが? 何か?」
「え……」
「プランも投げる!」
「惑も投げる!」
「イネも投げる!」
「バザルも投げる!」
「「「「えーい!!」」」」
「狡い! 私も! ええい!!」
5つの石が、勇者に全て命中した。
「当たったああ!」
『HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!』
5人共大爆笑であった。