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記録216『回収』

有志達は、西院円惑と魔王を倒す為、次なる道を歩いていた。


「ミーシャ! 昨日はどうだった!」

「え……うん! 良かったわよ!」

(気安くお前が勝手に決めた名前で呼ぶな! 20㎝のデカ〇ン無理矢理捻じ込みやがって! キメエんだよ!)


心の中で、イネママは有志を罵倒する。


「今日も楽しみにしていてね!」

「うん!」

(しねえよ! 今日でお前とは最後だバーカ!)


もう少しでここから逃げる事が出来る。

出来るだけその気持ちをおくびにも出さない作り笑い。

それは他の3人にも気取られない様にしている。


(バレてないよね~まあバレても別に受精卵が分からなければ問題ないか~)


そんな軽い気持ちでいた為か、緊張をしない状態で歩いていた為、怪しい動きや表情は見えていなかった。


所詮は王国で蝶よ花よと育てられた姫、剣ばかり振っていた騎士、聖剣を守っていただけの妖精である。


駆け引きや人を見る目は、有志以上に無い。


「有志! 今度は何処に行くんですか!」

(え? 無計画なの? 次はドラゴンの住処とかに……)

「そうだな……修行も済んだし西院円惑を倒そうと思う!」

「そうだな! きっと次は勝てる!」

「有志なら絶対大丈夫だよ!!」

「そ! そうね!」

(ええ……マジかあ……もうすぐ来るよ? てかそもそも場所知ってるの?)


イネママは、少し呆れそうになりながらもなんとか無視して惑を待った。


---------------------------------------------------------------


「さてと、アイツ等もう僕等を追うつもりか……修行したから勝てると思ってるのか……まあ正解だけど……今の場所まで逃げれば奴は僕を追う事は出来ないだろうね」


惑は、少し考えながら作戦を実行までに計画を練った。


「良し! 次の場所は僕等で指定出来る様にしよう!」

「というと?」

「まあ見ててよ、イネ」


そして、惑はイネに計画の指示を送った。


---------------------------------------------------------------


有志達が、西院円惑を倒す為、そして魔王を倒す為に旅を続けている時であった。


「ママアアアアアアアア!!」


そんな声と共に、突如ミーシャが人質に取られた。


「い! イネ!」

「ママアアアアアアアア!! ダメだよおお! 逃げちゃさああ!!」

「どうしてあなたがここに!」

「迎えに来たに決まってんじゃああああん!」


その姿を見た、有志は聖剣を構える。


「お前は! イネ! どうしてここに! 西院円惑がいるのか!」

「おっと! 天山有志か……ママが世話になったね……」

「黙りなさい! いい加減西院円惑に良い様に使われている事に気付きなさい!」

「そうだ! 君の母親は君の事を心配しているんだぞ!」

「そうだよ! 親の心子知らずにも程があるよ!」

「イネ……お願い……目を覚まして」

「目を覚ますのはママだよ……いい加減惑の為に働こうよ……惑は私達を助けてくれたんだよ? ママもパパもそうでしょ? それなのにこの仕打ちは酷いんじゃないのかなあ?」

「イネ……」


イネの話を聞いて、有志は怒りが湧いた。


「西院円惑! 自分が命の恩人である事を利用して人の人生を好きに操る! どこまで非道を行うつもりだ!」

「命の恩人は相手を縛る物ではありません! 相手の事を想い! 救い! そしてその者に見習って他の者に手を差し伸べる為にあるのです! それなのにそれを自身の欲望の為に利用するだなんて!」

「全く許せない! 姿を見せろ! この私が叩き斬ってやる!」

「この臆病者! そうやって倒してはいけない者を前に出して自分は後ろに隠れるなんて! 有志に勝てない事の現れだよ!」

(さすが妖精……正解だよ)


惑は、少し嗤いながら様子を観察していた。


「イネちゃん! 君はもっと自由であるべきだ! 君だけじゃない! エレンちゃん! プランちゃん! 君達3人は西院円惑から離れるべきだ! でないと奴の好きなように使われて捨てられる!」


イネは、ケタケタと嗤いながら答える。


「ええ? 命の恩人には命を張って恩を返すのは当然じゃない? だって命を守ってくれたんだから? ねえままあ~」

「っく!」

「そんなのは救いではありません! 洗脳と言うのです!」

(ぷううふううう!! 面白!)


惑は、自分で考えた演目を自分で鑑賞して、一人で嗤っていた。


「さあママア……一緒に帰りましょうねエ」

「いやあ……」

「待て! お願いだ! 聞いてくれ! そして戻ってからでも考えてくれ! 俺は君達を受け入れる! イネちゃんも! エレンちゃんも! プランちゃんも! 僕が本当の愛を教えて目を覚まさせて上げるよ!」


イネは、そのままミーシャを攫って帰った。


「く! 西院円惑おおお!」

「有志見て!」

「これは……地図か? きっとこれはイネちゃんからのメッセージ……いや! SOSだ! ドランゴンの住処……ドラゴニクスカントリー……奴の次の目的はここか!」

「有志!」

「ああ……分っている! きっと5人共! イネのママもパパもイネちゃんも! そしてエレンちゃんもプランちゃん救って見せる!」


有志は、ドラゴニクスカントリーへ向かう事を決意した。


---------------------------------------------------------------


「「オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」」


イネもイネママも、惑の元に戻ったと共に吐いた。

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