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記録215『下手』

「にゃあああ! にゃあああ! にょっとおおおお!! にょっとおおおお!!」

「まだまだ行くよ! はあ!」

「にゃあああああああ!!」


涙を流しながら、ミーシャは声を上げる。


「有志~わたしもお~」

「わたしも……」

「有志! 私だって!」

「ああ! 皆俺が幸せにしてあげるよ!!」


そして、S〇Xは続く。

何時間も。


---------------------------------------------------------------


「ごめん……なんて? もう一回言って?」

「下手……下手過ぎる……」

「……」


ミーシャは、惑への提示報告をしていた。

口で喋るとバレるので、イネとの繋がりを送るスキルで感知しながらである。


「えっと……君ってイネと同じく性行為好きだよね? それなのに何で?」

「好きだからこそだよ! あんなの……あんなのS〇Xじゃない!」

「……」

「いい! 惑君! 君はそういう事をしないから知らないかもだけどS〇Xって二人三脚だよ! それなりに息を合わせないと気持ち良くないの! 片方が気持ち良くてももう片方が気持ち良くないとS〇X好きは満足させられないんだよ!」

「そうなの? イネ?」

「うんうん……私が相手した者達も……下手でもそれなりに上手くしようと努力している姿……そんなとこが可愛くて下手でもだんだん気持ち良くなったりする……上手い人は更にボルテージを上げて高みへと昇る……そんな快感が本当にたまんないの!」

「……そうなのか……知らなかった……」


惑は、性に対して詳しすぎるイネとミーシャに感心していた。


「でもあいつは違う!」

「私もそう思う……まさかあんなプレイだなんて……流石にママが可哀そう……」

「早くパパとしたいわあ」

「糞! NTRもたまにはいいかと思ったのに! そんな低レベルとは! 呆れてものも言えん!」


ヒートアップする3人の会話に、流石の惑も会話に付いていけなかった。


「大体! あんなデカいち〇こを! 普通捻じ込む! 痛いわ! デカけりゃいいって事もないからな!」

「うんうん、そこに関しては本当にそれ……男はそういうの気にしやすいのかもしれないけどデカけりゃ全てが気持ちいわけじゃないからね!」

「質問! シャイニャスとレイシャとレティリアは気持ち良さそうにしてなかった?」

「あれは有志と出来る事に喜んでいるだけ! 好きな人であれば下手でも気持ち良く誤魔化せるものなの! いや……アイツ等は本当のS〇Xの旨味を知らないの! ゲテモノが初めてでそしてそのゲテモノを食べてこんなものだと思ってそれが気持ちいって勘違いしているだけなの!」

「でもテュリアメルは……そうか……記憶を消したんだ……」

「そう! だからあのままでも喜びを感じられた! なんせ有志を愛しているから愛している人の行為はそれはそれで気持ちい! だけどね! 私もママもアイツを愛しているわけじゃない!」

「しかも何! 大丈夫……すぐに良くなるから……ならねえよ!」

「思考回路がヤバすぎる」


惑は、もう黙る事にした。


(言わせたいだけ言わせて上げよう、こっちは話を聞いているだけどそれなりの面白いし)


「大体! アイツ等に合わせて喘ぐ演技も疲れるんだけど!」

「ああ! それね!」

「全く……配慮に欠ける奴等だ」

「しかもあの長時間の体位! おかしいだろ! いつまでもそんなポーズ取れるか!」

「こんなに濡れているよ……いや……失禁ですけど?」

(失禁したんだ……流石にアンモニアの匂いで分かるくない?)


惑は、この現象を後のこう語った。


カオスS〇X理論と。


---------------------------------------------------------------


「ふー……さてと……そういう事で私を回収してください」

「え? 受精卵は?」

「ちゃんとあります……だからどうか……」


イネも頭を下げた。


「私からもお願い……ママを助けて」

「私からもお願いだ……」

「え、ああ……受精卵があるなら別に……」


惑も、そこまで鬼じゃない為、ここまでお願いされれば頼みを聞くつもりになった。

寧ろ受精卵があるなら、既にいる必要はないと判断した。


「でももしいきなり離れて戻ってきたら怪しまれるからそこはちょっと考えて回収するね……まあ僕が悪人として扱えば特に違和感なく君を回収できるから」

「そう言うと?」

「明日君を攫う」

「ま! なんてロマンチックな言葉」

「私のママと結婚して、僕の第二のパパになってよ」

「共に二人を養おう! 少年!」

「? は? もう回収しないよ?」

「「「ごめんなさい」」」


3人は、すぐさま謝罪をした。


(そうか……そんなに勇者は嫌だったか……何か悪い事したな……)

「取り敢えずドワーフ達に言って保存した受精卵を培養液に付けて育てよう……生まれる寸前までは持っていきたい」

「わかった……急いで準備する」


ドワーフ達は、研究所へと向かった。


「さてと、エレンちゃん、プランちゃん用意を」

「「分かった」」


そして、ミーシャ回収作戦の準備が行われた。


「あ、ミーシャは止めて……私の名前を決めてくれない?」

「え? もうイネママで良いじゃん」

「……及第点!」


イネママ回収作戦は明日決行となった。

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