記録205『転生術』
二人は、妄想の自分達を出した。
「どういうつもりですか……この状況で」
「ああ……ああああ! あああああああああああああああああ!!」
「止めてください!! 気持ちの悪い!!」
「あああああ!!」
二人は、無視して妄想S〇Xをおっ始める。
二人は、絡み合い、口内から糸を引いて、下の内からも糸を引く。
そして、二人は絶頂を迎える。
と同時に、ピアーの腹は膨れ上がる。
「よろしい……とてもとても素晴らしいです……賢者モードとなった私は更に強い魔力と技量を手に入れた……そして今ピア―には特別的な魔術を施しました……」
「私は今から死にます……そして次の私に私自身の栄養は逝きます……それこそがこの転生術の強さです……うぎ!! あがああああああああああああああああああ!!」
悲鳴を上げながら、ピア―の腹は裂かれる。
それと同時に、中から赤ん坊が出て来た。
しかし、その赤ん坊は先程産まれた子供とは違う。
何かが違うという圧倒的な魔力が備わって生まれていた。
「ああ……これこそ……素晴らしい……私が求めていた者……これこそが魔導の原点回帰で頂点……真に愛し合い、芯から魔力を通している……」
ピア―から生まれた子供を見て、サクランは涙を流しながら感動する。
「さああ! 行きましょう! パパと共に!」
「はい……ぱぱ……私は奴を……殺します」
シャイニャスは、怒りを忘れて恐れを覚えた。
神として有志を祈り、その力を得たからこそ分かる。
「貴方……転生って……大昔神がこの世界を救う為に使ったあの転生術をその……ピア―に使ったというのですか?」
「おや……さすがは姫……知っていましたか……」
「当たり前です! しかしそれは神がこの世界を救う為に作り出した秘術! そんな者を貴方のような外道が扱っていいわけがない! 貴方は神になったつもりですか!」
すると、サクランは、呆れる様に首を振った。
「分かっていませんね……神は人間を一度見捨てています……昔は人間というのはエデンと呼ばれる場所で生きていたという伝説があります……どの世界でもそれは同じ未来を辿っています……だが知恵の実を食したことによって神から罰としてエデンを追放となった……しかし私はそれを誇らしいと思いますよ……何故ならそれは神の手から離れるといういわば自立行為なのですから……まさか! 貴方はその意味を理解せず神に祈りを続けているのですかあ! はあ! 全く……手間のかかる子供はこれだから……」
サクランは、シャイニャスの在りように、信仰者の在りように呆れ返っていた。
「黙りなさい! 身の程を弁える事の何が手間をかけるというのですか! 人間が好き勝手すればこの世は崩壊します! 倫理が壊れるのです!」
「違いますねエ……それはとっても筋違いな勘違いです……何故なら神は自身のコピーを作ったその形が我々人間なのです……神が好き勝手力を扱うのにどうして我々が使ってはいけないのですか? 理解に苦しみます」
「神はそんなんじゃないよ! 貴方には分からないでしょう! 神だって自身にルールを設けて力を行使しているの! それの何処が好き勝手なの!」
レティリアは、サクランの意見に異議を唱える。
「でもそのルールを儲けたのも神でしょ? 抜け穴があるに決まってるじゃありませんか? 人間が作った法律にだって抜け穴はある……法を作るって事は抜け穴を好きに作ってそれを掻い潜れるようにするのが鉄則です……でなければそれは法ではありません……ただの怠惰……停滞の為の言い訳になります」
レティリアは、サクランに対して怒りが止まらなかった。
「ダメだよ……シャイニャス……こいつはもうダメだ……殺してしまった方が良い……」
「ええ……私もそう思います……ここまで呆れ返る様な屑は西院円惑以来です」
「ほほう、貴方が私と同等に呆れ返れる人がいるとは……その西院円惑と呼ばれる者と会う必要があるみたいですね」
シャイニャスは、レティリアに指示を送る。
「有志さんの元へと向かってください……私が勝てるとは言い切れません……もし私が死ねば……きっと有志が倒してくれます……それに……今の私の状況うもお伝えしないと」
「!! シャイニャス……分かった! 絶対に死なないでね!」
「はい! 分かっております!」
そして、覚悟を決めたシャイニャスは、サクランと転生れたばかりのピア―に立ち塞がる。
「さてと、あの妖精は後で殺すとして……今はあの穢れですよ……ピア―Jr」
「はい……共に殺しましょう……パパ」
そして、再び戦闘の火ぶたが切られた。




