記録191『最後の1回』
明日は書けないです、ごめんなさい
有志は、気が付いた時には既にランクゴとシターギガが消えており、パパンカツと焼けた肉片とぐちゃぐちゃになった死体が、転がっていた。
「俺が殺したのか? いや、流石に記憶に無さすぎる、まさか神様が?」
有志も流石に気付き、神様に問う。
『ああ、その通りだ、私がした』
その言葉を聞いて、有志は不安そうにする。
「大丈夫なんですか? その……神様自身がこの世界に干渉して……もしペナルティーが……」
神は、苦笑しながら答える。
『ハハハハ、そうだな……だが神が世界に干渉する事自体絶対にダメという訳ではない……人の力ではどうにもならない場合は我等神は世界に干渉する……しかしその干渉にも限度がある、でなければこの世界の法則を壊して捻じ曲げる可能性が出る』
「限度とはどれ位なんですか?」
レイシャは、神に確認をする。
『3回だ、君達の世界にある物語と同じ回数だけだ』
「それ以上行うとどうなるんですか?」
有志は、不安そうにする。
『すまない有志……3回目で私の存在は消える、元来神とは概念的存在であり今の様に自身の存在を世界の地に着けてしまうと概念が概念としてなくなり、存在として世界に残ってしまう、それを防ぐ為に行いが終われば存在が世界から消されてまた概念として信仰を力に世界を管理する立場に戻る、しかし現界する度に私の概念は消費されて3回で私という概念は完全に消えてしまう、そしてルールとして世界からも存在が消えてしまう」
神の言葉を聞いて、有志は悔しそうにする。
「ごめんなさい、俺が弱いばかりに……」
神は、優しく答える。
『気にするな、例え私が消えてもこの世界の神という存在が消える事はない、また別の概念としての神が生まれてこの世界を管理するだろう』
「しかし! それでは貴方が!」
『私の事はいいんだ! この世界が守れるならば私の事などどうでもいい!』
「神様……」
有志は、申し訳なく思うが、神の覚悟を否定する事が出来なかった。
「バファハイドはどうなるんですか! 奴は邪神と呼ばれています! どうしてあいつは!」
『バファハイドが原因なんだ、そういうルールが作られたのは奴がいたからと言っても過言ではない、そして奴は概念として自分を消してこの世界に存在を植え付け世界を支配しようとしたんだ……」
「そんな! だからあんなに強いのか! 糞! 神だというのにそんな暴挙を! 許せない!」
『だからこそ私が有志と共にバファハイドを倒そうと考えた! 例えこの身を賭けたとしても!』
「神様、で! でも! 後! 後2回分ある! もし一回で倒せたら神様だって……」
『残念ながらその一回は奴が完全顕現していた時代に一度つかった、だから私にはもう一回しか干渉することしか出来ない、アドバイスであれば100人分の信仰心を消費して信者も100人減る程度だ、それであればきっと西院円惑は倒す事が出来る!」
「……はい、分かりました……でも俺は諦めません! 俺が強くなればきっと神様だって存在を守れるはずです! 俺は神様だって守ります!」
その言葉を聞いて、神は感動する。
『そうか、ありがとうそう言って貰えるとは……』
「それに神様! 俺もこの戦いで確実に強くなっています! 神様の戦い方がきっと体が覚えていますよ! だからそんなこと言わないでください! 西院円惑も! バファハイドも! 絶対に!」
その言葉を聞いてレイシャも賛同する。
「流石有志だ! 今は理想論かもしれない! だが有志なら出来る! 私はそう信じている!」
「俺も思います! きっと何とかなります!」
『皆の者…ありがとう…私も信じている!』
有志は、この修行を通して、神様に身体を預けることにより、強くなった気になる事が出来た。
有志達のソードマンハウスでの修行は、無事終了した。
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「全く……呆れた者だ……」
バファハイドは、玉座に踏ん反りながら溜息を吐いた。
「まさかこれ程弱いとは、まあソードマンハウスの連中はなかなか強いんだろうな……後20年経てば四天王の1人は倒せるレベルにはなるだろう……さてと、我も契約に行くか、魔族化計画を進めよう……っぷ、この我が神だと思うとは……神の世界もなかなかに複雑だ……」
ほくそ笑みながら、絨毯を歩き出す。




