記録187『覚醒②』
ランクゴは、突如座り込む。
「……何のつもりだ……勝負を捨てたか?」
「ああ? 捨てただとお~チげえなあ!! 俺は覚悟決めたんだよ……」
レイシャの怒りの籠った声に対して、冷静に返答する。
「シターギガ! 少し頼む!」
「ああ! 俺も戦えば何か掴めるかもしれない!」
シターギガは、剣を構えてランクゴを守るように立ち塞がる。
「さて……」
ランクゴは、鞄から大量の酒を出した。
「これはこの道場にある全ての酒だ! これを今から全て飲み干す! これが俺の覚醒方法だ! これは今までした事がねえ! こんな酒の量は俺も初めてだ……頼んだぞ!」
「ああ! 頑張れよ! ランクゴ!」
ランクゴとシターギガは、互いを信じて戦いに挑む。
「舐めた真似を! お前等二人共この私が倒す!」
「レイシャさん、俺達もいます!」
「私達もです! 絶対に勝ちましょう!」
そして、シターギガは、ランクゴを守りながら3人を相手にする。
「はああ!」
「フン!」
「もら……」
「甘い!」
「そこ!」
「無駄だ!」
シターギガは、3人を見事に往なしていく。
「糞! たった一人なのに!」
「ランクゴを狙え!」
「させるか!!」
ランクゴへと向かおうとする門下生を邪魔するように剣を奪う。
「っく!」
「だが! やはり一人だと無理があったようだな! 隙が生まれたぞ!」
「しま!!」
しかし、いくらシターギガでも酒を飲んでいるランクゴを守れる程手数は多くなかった。
(どうする! まだランクゴは酒を飲んでいる! もしこのまま邪魔をされてしまえばランクゴは、覚醒が出来ないかもしれない! そんな事あってたまるか! 俺達だってパパンカツのように成長しないといけないんだ! しかしこのままだと!!)
そんな時、手に持っていたさっき奪ったパンティーが光った。
「これは……」
「何だ! 何の光だ!」
「構うな! いけ!!」
「はああああああ!!」
「これは……まさか……このパンティー……俺の魔力と共鳴している?」
しかし、迷っている暇はもうない、既に門下生の女性は既に、ランクゴを殺すため剣を抜こうとしていた。
「ええい!! 一か八かだ! 行けええええ!!」
シターギガは、持っていたパンティーを投げつけた。
「フン、何をするかと思えばこんなくだらない事を……」
「全くだ……気持ちの悪い」
門下生2人は、シターギガの行動を馬鹿にするように見下す。
しかし、レイシャはパンティーを見て冷汗が噴き出した。
「避けろ!」
「はは、レイシャさん何を恐れて……」
「良いから避け……」
「え?」
しかし、時はすでに遅く、パンティーは剣を抜こうとする門下生を通り過ぎてシターギガの手の元へと帰っていた。
「はん、やっぱりなのぼおお……だがあああだあああああ」
「ステファーリー!!」
ステファーリーの体に、切れ目が入り、そのまま崩れる様にバラバラに倒れた。
「ステファーリー!! そんな! 嘘だ! ステファーリー!!」
シターギガは、パンティーを見つめて気付いた。
「これが俺の覚醒……そうか……俺の好きな下着が武器に……名付けてパンティーブーメラン……」
「ふざけるなア! 何がパンティーブーメランだ!! この異常者がああああ!!」
「待て! 行くな!!」
レイシャの静止も聞かず、門下生の一人は、ステファーリーの仇を討つ為にシターギガに突っ込む。
「いけえ!!」
シターギガは、対抗するようにブラジャーを投げつける。
すると、ブラジャーは門下生の首に巻き付いた。
「ブラジャーバインド!!」
「ぐがああ! ぐぐぐがばばうばうっが……」
「止めろおおおおおおおおおおおおお!!」
しかし、ブラジャーはそのまま門下生の首を締め付けて首を圧し折る。
「がば!」
門下生は、血を吹き出しながらそのまま首をだらっとさせながら倒れ込む。
「ああ……ああああ……あああああああああああ!!!」
レイシャは、絶望しながら叫ぶ。
「これが俺の力……下着に魔力を込めて武器にする……今まで魔力を込めての武器化はよくあったが……下着が魔力を込めるだけでこんなに多様性に優れているとは……これは俺専用の武器だ!! 装着!! ブラパンティーアーマー!!」
今まで来ていた胴着を脱ぎ去って、シターギガは、所持していた下着を来た。
「凄い……今までの胴着とは違う……このフィット感……俺と相性が良いんだ……」
『行くよ』
「!! 下着……ああ! 行こう! 共に!!」
「黙れええ! この変態ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
レイシャの怒りは、限界を超えた。
「フン、激高した者など……俺と下着の敵ではない……」
『油断しちゃダメ』
「ああ、分かっている……」
そして、シターギガは、パンティーとブラジャーを装備してレイシャとの戦いを始める。
「フン、先を越しやがって……」
ランクゴは、集中して酒を飲む。




