記録186『覚醒①』
「おーい! 今日はこれを使おうぜ!」
「ええ? ローション? へえこんなのあるんだ!」
「ああ! 面白そうだと思わないか!!」
「ええ! いいわよ!!」
パパンカツは、お気に入りのパパ活女子とローションを使ったプレイを行おうとホテルへと向かった。
パパ活女子は、洗面器でローションを糸巻混ぜをし、それを使って愉しむ。
当然、本番はせず、ローションのぬるぬるを利用し、日頃の疲れを取る為のご奉仕だ。
「パパ~お疲れ~」
「ああ、ありがとう」
パパンカツは、リラックスしながら奉仕を受ける。
そして、その後はローションを使った遊びやぬるぬるを感じながらの娘との接触を愉しんだ。
「あーあ! 楽しかったあ~」
「俺もだよ……だがこれ以外と高いな……」
「そうね~確かブラックスパイダーの体液で作ってるんだっけ?」
「ああ、……もう少し安くなるような奴から取れたらいいんだけど……」
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「は!!」
走馬灯から目を覚ましたパパンカツは、未だ有志のヘッドロックから抜けれていなかった。
(今のは走馬灯! いや……確か走馬灯は死のピンチを乗り切る為に見てしまうものだと聞いた事がある! だが何故ローション! ローションに何の意味……ぬるぬる? 滑る? 滑ると言ったら取れなくなったものをローソクを塗って取りやすくするとか……!! そうか! 安く手に入る方法! そして今それを使う方法はもう一つしかない!! だが出来るか! いや! スキルは精神性だと聞いた! なら魔力を上手く練ればスキルが完成する!! やってやる!!)
そして、パパンカツは、力を抜いてインスピレーションを高めた。
(力が弱まった! 今だ! このまま首をへし折ってやる!!)
そして、有志は腕に思いっきり力を入れた。
しかし、そのピンチが逆に、パパンカツの生存本能を刺激した。
『スキル:粘液分泌を手に入れました』
「!! 今だああ!!」
「な!」
パパンカツは、体から大量の粘液を出してヘッドロックを抜けた。
「はあ、はあ」
そして、急いでポーションを飲んだ。
日々の入った歯は治り、首の痣も消えた。
「スゲエ! パパンカツスゲエよ!」
「あれはなんだ! アイツに何が起こった!」
「これが……俺の……」
何と、修行に来た有志やレイシャを置いて、パパンカツが先に強者との戦いの中、新たな力に覚醒したのであった。
「これが俺の……新しい力」
「すげえぜ! パパンカツ! この戦いの中! また一つ成長したって事か!」
「ああ! さすが俺等のリーダーだぜ!」
シターギガとランクゴは、パパンカツを賞賛する。
「それがどうした!! たかが粘液ごとき! そんなのは戦いに必要ない! 寧ろこの戦いを愚弄している! そんな薄汚い能力で満足できる脳みそで羨ましいよ」
有志は、パパンカツやシターギガ、ランクゴを見下すように罵倒する。
「全くだ! 剣士の風上にも置けない!!」
「そうだそうだ!」
「薄汚い能力だ! そんなのは何の役にも立たないんだよ!」
「気色の悪い!」
レイシャと門下生達も、パパンカツの力を認めなかった。
しかし、パパンカツの耳にはそんな罵倒など届かなかった。
「フン、だからお前等は弱い……戦いに役に立つかどうかを決めるのは……自身の技量しだいだ!! ところで勇者?」
「!! 何だ……下劣外道が……」
「ローション相撲は得意か?」
「は?」
有志は、パパンカツの言っている意味が理解出来なかった。
しかし、気が付いた時には、有志の足元は粘液塗れであった。
「!! 何だこれは! っぐ! 滑る!! がああ!!」
有志は、足元を滑らしてそのまま背中から転ぶ。
「!! 有志! 危ない!」
「え!?」
気が付くと、倒れる方向にパパンカツはしゃがんだ状態で待ち構えていた。
「はっきよい発勁」
「何!!」
そして、そのまま有志は自身の転ぶ勢いと、パパンカツのツッパリ+発勁の力を背中に直撃した。
「っぐばああ!!」
「有志いいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「有志さん!」
「そんな……」
有志は、そのまま壁まで飛ばされた、血を吐きながら崩れ去る。
「スゲええぜ! パパンカツの奴! あの勇者を倒しちまいやがった!」
「ああ! その通りだぜ! ランクゴ!」
「シターギガ」
「ああ、分かっている……ランクゴ」
「「俺達も負けてられねえな!」」
パパンカツの成長は、副リーダー二人を感化させた。
「ふざけるな……何がローション相撲だ……それは全ての剣士……いや戦う者全てを愚弄している……そんな程度の低い事を誇るな……虫唾が走る」
有志は、怒りの限界を超えながら立ち上がる。
しかし、パパンカツは冷静に、そして有志を見据えて答える。
「それがお前の限界だ……戦いの固定概念を取り外せない者はそれ以上強くなることも出来ない……掛かって来いよ勇者……人間の精神力と技術力を見せてやる」




