記録161『勇者到着』
「ここがエルフの里……シャイニャスが居なければ辿り着かなかった、ありがとう!!」
「いえ! 私だってテュリアメルを助けたいんです!! その為に冒険の書を見つけて魔王を倒し! そしてテュリアメルさんを助けましょう! 西院円惑さえ倒せば! きっと元に戻るはずです!」
「ああ! その通りだ!」
「私も! あれはきっと西院円惑が掛けた呪いだよ!! 解くには奴を殺す必要があると思う!」
そして、エルフの里へ訪れた瞬間であった。
「よくも妹を!! 放てええ!!」
突如雨のように矢が降って来た。
「なんだ! 何が起きた!!」
「プロテクション!!」
有志は、唖然としながらシャイニャスのプロテクションで、矢の猛攻から逃れる。
「ッチ! しぶとい奴等め!」
ミュリュアメルは、悪態を吐きながら有志達を睨み付ける。
そして、兵士の一人が有志達に斬りに掛る。
「テュリアメル様の敵いいい!!」
「っく!! 何で俺がテュリアメルの敵に!」
「まさか! 西院円惑に先手を打たれた!」
「さいってい!! 許せない!!」
有志達は、エルフ達を傷付けないように西院円惑を倒そうと奮起していた。
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その頃一方西院円惑は、集落地に帰っていた。
「ただいまー」
「……イネさんは?」
ドワーフの言葉に、惑はアッサリと答える。
「置いてきた……きっとうまく挨拶出来ているよ……プラン、そっちはどう?」
「今勇者達を交戦中」
「そうか、頑張れ」
「ヒヒヒ! 戦略ゲームみたいで楽しー!!」
「イネさん……巻き込まれてませんかね?」
「確実に巻き込まれているね」
ドワーフは、イネに対しての雑な扱いに少し怪訝な表情を見せる。
「君の奥さんなんだけど」
「あの野郎が!! ぜってー許さねえ!! あそこでくたばっちまえ!!」
だが、奥さんの事となると、流石に性格が豹変した。
イネは、集落中の女性男性を無暗に手を出しまくっていた。
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「お母さんただいまー!」
「!! ラヒュアメスは! まさか!」
「ふ! 娘さんと乗り越えました! さあ! 君も僕と良い事しよう!!」
「ああ……ああああ! いあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
テュルメアスは、怒りに任せて短剣で襲い掛かる。
しかし、イネに組み敷かれてしまう。
「今、解放してあげるね、欲望のままに」
「ああ……あなたああ……助けてええ……」
しかし、その50分後。
「ふー」
「あなたって……素敵ねえ……あの人では感じられない悦びと満足感があるわ~旦那じゃ味わえない……」
テュルメアスは、すっかり女性としての自信を取り戻していた。
「思えば……あの人とは体の相性が悪かったわ……娘を強姦したと聞いた時はショックだったけど……貴方との行為に対して何か不満な事があるのかしら」
「さあ、まあ嫌がっていたのは事実ですし……仕方ありませんよ」
すると、テュルメアスは意味深な表情になる。
「ねえ、イネ様……テュリアメルはまだ生きているの?」
「ええ、生きてますよ」
「お願い! 貴方があの子を崖まで誘ってくれたら! 私があの子を崖から突き落とすは!」
「え!!」
予想外にも、テュルメアスは娘にイネを取られたくない一心で、邪魔者を排除しようと考えていた。
「でも! 貴方の娘で、僕は彼女も愛して……」
「所詮あの人の娘よ! 貴方を愛している人に取られるならいい……でも……貴方を愛してもいない人に取られるのは嫌なの!」
「テュルメアス……」
イネは、テュルメアスにディープキスを咬ます。
「わかった……君がそういうなら協力するよ」
「本当! 分かったわ! !! 勇者一行の気配を感じるわ! 貴方は隠れて!」
「!!! 分かった!」
テュルメアスは、服を着て、イネはベッドの下に隠れた。
「すみません! テュリアメルのご両親はいますか!」
「ええ! いるわ!」
母親は答える。
そして、有志達は家の中に入る。
「あら……これは勇者様御一行様ですか? お噂はかねがね……で? 本日はどのようなご用件で?」
「すみません、突然の訪問痛み入ります……実はお嬢さんの呪いについて話したいと思いまして」
「呪い……ですか?」
テュルメアスは、笑顔を貼り付けて話を聞いた。
そして、西院円惑にテュリアメルが呪いを受けて苦しんでいるという話をした。
「はあ、そうですか……しかし呪いには様々なことがありまして……私も昔は呪いを解く為の勉学をした事があります……勇者様はどのような呪いを掛けられたとお思いでしょうか?」
テュルメアスは、勇者一行に鎌をかけた。
「分かりません……しかし!」
「分からないのに呪いのせいにするのはおかしな話ですね……プロが聞けば明らかに喧嘩を売っているようにしか聞こえませんよ?」
テュルメアスの言葉に、有志は言葉が詰まる。
「しかし! 彼女が呪われているのは事実です?」
「どう事実なのですか? それが答えられないのにも関わらず適当に事実と言って無理矢理信じ込ませるのはおかしいのでは?」
「!! しかし! どうして信じて……」
「信憑性に足る話に聞こえないからですよ」
「!!」
冷たい表情で淡々と答えるテュルメアスに、有志は言葉を失った。




