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記録159『エルフの里』

惑達は、エルフの里へと向かう準備を進める。


「イネ……何してるの?」


イネは、何故かタキシードに着替えていた。


「だって!! テュリアメルちゃんのご両親やご兄弟の方と挨拶するんでしょ! ちゃんと格好で挨拶しなきゃ!!」

「……あの……イネさん……結婚の挨拶に行くつもりですか? 強姦したくせに」

「だからこそだよ! 御宅の娘さんを強姦させて貰いましたイネと申します! 御宅の娘さんとのご結婚をお許しくださいって良いに行くんだよ! そしたら冒険の書も譲ってもらえると思わない!」

「よくもぬけぬけと言えたものですね……確実に叩き出されます……いや殺されますよ?」

「ええ! どうして!!」


イネは、エレンの言葉を全く理解出来ていなかった。


「まあ交渉とかじゃなくて盗みに行くからイネがどうするかは好きにさせたらいいと思うよ?」

「いいの!!」

「うん」

「やったアアアアア!!」


イネは、エレンにドヤ顔で大喜びする。


「ちょっと! 良いんですか!」

「良いの良いの、イネが挨拶している間に僕等が冒険の書を盗み出せばいいから、隠し場所はテュリアメルの記憶から貰っているし……暗号も全て記録済み」

「なるほど……イネさんは囮という事ですね」

「その間にプランちゃんが他のエルフにしたい事をすればいいよ」

「良いの! やったああ!」

「何の話?」

「縁談上手くいけばいいねって話」


イネは、皆の気遣いに感動した。


「うう、ありがとう皆」

「……」


ドワーフ一同はドン引きした。


---------------------------------------------------------------


惑達は、ドワーフの作った魔道具馬車とペガサスが融通してくれた羽の一部を使って猛スピードの馬車で、空からエルフの里へと向かった。


「うおおおおお!! 良い風!!」

「気持ちいですねえ」

「うははははは!! 僕とテュリアメルちゃんを祝福してくれているようだ!!」

「……イネお兄姉ちゃん……テュリアメルはバグってどこかへ行っちゃったけど……それでも二人は繋がってるの?」


イネは、プランの質問に優しく答える。


「僕とテュリアメルとは感染したエイズで繋がっているのさ……僕は今でも彼女をエイズを通して感じる事が出来るんだよ……そう、二人は離れていても通じ合っているのさ!!」

「エイズが無ければとてもロマンチックな言葉ね」


プランの幼体でも、流石にイネの言葉の台無し感に気付けた。


「お! あそこじゃないか!!」

「惑……私の話を……」

「皆準備して!!」


そして、馬車はそのまま森の近くに止まった。


「さてと、イネはご両親に挨拶だね、僕達は別行動するから後で合流で良い?」

「え? 皆は来ないの?」


惑は、首を振る。


「いいかい、ご両親に挨拶するのに他の者が付いていたら示しがつかないだろ? こういうのは君だけで行く事に意味があるんだ……分かるかい?」

「は! なるほど!! そういう事か!」


イネは、衝撃を受けるような感動を覚える。


「分かった!! 行ってくる!!」


イネは嬉しそうにしながらそのままエルフの里の中へと入って行った。


「さ! イネが囮になっている内に行くよ!」

「「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」」


惑は、二人を冒険の書がある場所へと案内した。


---------------------------------------------------------------


「何? テュリアメルの恋人が来ただと?」

「はい、男? 女? 獣人がそう言っています:

「は?」

「ラヒュアメス様……どう致しましょう?」


すると、ラヒュアメスの元にミュリュアメルも入ってくる。


「父上、侵入者が現れました」

「何、侵入者だと?」

「はい、私が仲間を連れて迎撃します……恐らく古代勇者が残した冒険の書を狙っております」

「!! 糞! 次から次へと!! なら私がその事象恋人と挨拶をしようじゃないか! お前はその愚か者共を始末しろ! ミュリュアメル!」

「はい!」


そして、ミュリュアメルは侵入者の元へと向かった。


---------------------------------------------------------------


惑は、ワザと罠を発動させた。


「どうしてそんな事を?」

「プランちゃんのしたい事をする為さ、でもその為には分散する必要があると思う……そうだろ?」

「うははははは!! 惑有難う!!」


すると、テュリアメルにそっくりな女性エルフが現れる。


「貴様等! 何者だ!」


兵達は、弓を構えて惑達を睨み付ける。


「やれプラン」

「あいあいさー!!!」

「放……うがああ!」

「ミュリュアメルさばあばあばばば!!」

「みんなどうてべべべべばばばばばば!!」


プランが、つるを伸ばしてエルフ達の脳へと入り込む。


「わだわだわだ……わだじだじ……えるぶのざど……つぶず」

「ほろぼず……」

「ごああず」


惑は、その様子を見て嬉しそうにする。


「すげえ! プラン! 暗示を覚えたな! 催眠術を覚えたのか!!」

「うん! 洗脳かな? インスピレーションで覚えた! 一度見れば何となく理解出来たよ!!」

「天才かよ」


惑は、プランの頭を撫でる。


「これで勇者一行を迎え撃つんですか?」

「まあね、冒険の書は簡単に手に入るけど……わざわざ囮になってくれたイネの挨拶が上手く言う様に多少は手伝わないとね!」


そして、まんまと罠にはまったエルフ達は、プランの兵隊として戦う事となった。

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