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記録144『絶体絶命』

有志は、トロッコで急いで3人の元へと向かった。


「よし! よし!! 西院円惑を倒す事が出来た! これで後は魔王だけだ! そしてエレンちゃんもイネちゃんも助けられる! だけど……」


ドライアドのプランを助けられなかったことが、有志にとって心残りであった。


「これ以上犠牲者を出す訳にはいかない……」


そう決意し、聖剣を強く握る。


----------------------------------------------------------------


「く!! 強い!」


レイシャは、エレンの剣に苦戦していた。


「はいはい、唸ってないで練習相手になるよう頑張ってくださいね」


エレンは、何処か余裕そうに攻撃を受けていた。


「どうしてここまでの差が!!」

「本当ですよ……イネさんと練習したり魔物と戦わされたりとしてはいたんですけど……ああ! バワカさんとアワホさんにも訓練は受けました……」

「フン、所詮はただのA級冒険者! 私達騎士団とは大きく違う!」

「フン、所詮そんな考え方しかできない程度の強さですか……」


呆れた様な表情で、剣を受ける。


「ほら! 隙!」

「うぐ!!」


肩を斬りつけて怯ませると同時に、蹴り倒す。


「ふむ、惑さんの言う通り私の強さはどうやら騎士団の隊長ぐらいは倒せるようになってきたみたいで良かった……」


嬉しそうにしながら、レイシャの刀に向かって刃を振るう。


「な!!」


そして、レイシャの剣の刃は折れてしまった。


「フン、もう攻撃手段はないようですね……」

「そんな……」


レイシャは、心の中で敗北を認めるしかなかった。


「ふー、エレンちゃんやったね、これで僕が君達を倒して穢せば……ニャワフフフ」


ニタニタ嗤いながら、イネは涎を垂らす。


「穢れた目で見ないでください!! プロテクション!」


シャイニャスは、防御魔法を使って攻撃を防ごうとする。


「そうやって魔力はいつまで持ちますかねえ~」


イネは、何度も何度もシャイニャスとテュリアメル、そしてレティリアの周りを回って攻撃を仕掛ける。


「ううう!! 魔力があああ……」

「頑張って!」

「私が……うぶ!! 何とか……隙を……」

「無駄無駄! うへへへへ、君の~」

「いやあああああ!! やめてええええええ!!」


イネは、テュリアメルのトラウマを何度も何度も穿り返して行動を不能にする。


「ワニャハハハハハ!! いいね! こういうの! 絶望の目もまた良い!!」


イネのボルテージがドンドンと高まっていった。


そして、プロテクションにひびが入る。


「それええ!! とどめええ!」

「きゃああ!!」


シャイニャスのプロテクションは破られた。


「ああ……」

「シャイニャス!!」

「ごめんなさい……本当に……ごめんなさい……」

「テュリアメルさんの責任ではありません……奴の下劣さが……いえ西院円惑のやり方が汚いせいです」

(僕がこうやってトラウマを穿っているのは僕の作戦なんだけどなあ~)


イネは少し不満そうにしながらも戦いを続ける。


「おら!!」

「きゃああ!」

「シャイニ……いやああ!!」

「ああ……ああああ」

「さあて、今度は4Pかあ~楽しみだなあ~」


下劣な目で3人を見ていると、エレンが話し掛ける。


「イネさん、コイツもいかがですか?」

「ぐあああ!!」

「おお! 騎士様も! 性騎士様になる~」

「うう!! やめろお……わたしだけにしろお~」

「やだあ! 厭らしい女」


エレンは、レイシャを馬鹿にするように蔑視の目で見る。


そんな時だった。


「待たせたな!!」


声のする方を見ると、天山有志が立っていた。


「有志!」

「来てくれたか……」

「ああ! 有志!!」

「すみません……すみません……ゆうしい」


追い詰められていた仲間達の目に、希望の光が戻った。


「これは酷い……すぐに俺のスキルと魔法で!! ホーリーヒール!!」


有志の魔法倍増効果のスキルと回復魔法で皆を助ける。


「有志! 西院円惑は!」

「ああ! 上手くいった! リヴァイアサンが西院円惑を飲み込んだ!!」

「ふーん」

「へえ」


イネとエレンは、惑がそう簡単に倒されているとは思えなく、適当な返事をする。


「よかった……よかった」

「さすが有志!」

「本当に……やっとか……」

「ああ……ありがとう……」


そんな、感嘆が4人から漏れた。


「でも……ごめん……ドライアドのプランは……」

「仕方のない犠牲です……」

「ふん、またそうやって仕方ないと言って……」


エレンは、勇者パーティーの言葉を見下す。


しかし、突如轟音が鳴る。


「リヴァイアサン! どうしてまだ竜の恰好なんだ?」

「ドっどこか苦しそうです!」

「一体何が……」

「どうした……」

「ま……まさか」


何処か不安そうにする勇者一行の予想通り。


「プランちゃんかな?」

「惑の入れ知恵でもあるかも?」


すると、震えるリヴァイアサンの口から大量の草が生えた。


「ぐがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


そして、操られたように有志達に咆哮する。

口からは、誰かが吐き出された。


「ふー、プランナイス!」

「いえい!」


二人は嬉しそうに帰って来た。

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