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記録143『追い詰める』

エレンは、レイシャの攻撃を避けつつ、戦い方を観察した。


「どうした! 防戦一方で勝てると思っているのか!」

「ふーん……そういえば聞いた事がある……ペプリア国の騎士様は引かない、勇敢、立ち向かうって……何その考え方……」

「考え方? 違う! 誇りだ! その誇りを守り相手と真っ向から立ち向かう事によって活路を見出してきたんだ!」

「そう……まあ私は私の慣れたやり方で戦わせて貰うけどね」


そして、レイシャの攻撃を大袈裟に避けていたエレンは、徐々に避け方が小さくなっていく。


「なるほど……イネさんや惑さんが言っていた通り、目が慣れるのと同時に相手の動きも予測出来て来た」

「!! 西院円惑……やはり奴は小汚い方法でしか相手を倒す事の出来ない卑怯者のようだな!」


レイシャの惑に対する罵倒にも、エレンは特に気にすることをせずに戦う。


「今だ!」


そして、エレンはレイシャ攻撃に合わせて避けながら、剣を振るう。


「ぐ!!」


レイシャの脇腹をエレンの剣が掠める。


「糞! ならば居合いで!!」

「それって隙だらけって分かっていますよね?」


剣を納めようとするレイシャを邪魔するように攻撃を繰り返す。


「!! 仕方ない! 打ち合うしかない……」

「よいしょ!」

「ぐ!! 斬撃!!」


レイシャは、自身のスキルを使ってエレンにダメージを与えようとする。


「斬撃」


しかし、レイシャに合わせて斬撃を発動し、スキルを相殺する。


「何!」

「フン、便利な能力はあくまで補助として扱った方が良い……そして、技術はこういった応用性に聞く事を行えば自然と必要時に身に着く……惑さんの言う通り、そしてMPを使うべきちゃんと使う……正しい判断を常にし続ける……戦いのコツは戦い方を間違えない事……」


そして、エレンはレイシャに圧倒的な有利性を保ちながら戦いを続ける。


----------------------------------------------------------------


「ふう、良い運動程度にはなるね……さすが魔法使い二人とエルフちゃん……ジュル」


涎を啜りながら、イネは厭らしい目で3人を見る。


「ケダモノ!」

「薄汚れた目です! 気持ちの悪い!」

「ひい!!」


しかし、テュリアメルだけが顔を真っ青にして後退る。


「! どうしましたか! テュリアメルさん!!」

「なんだか……うう!! 頭が痛い!」

「大丈夫! 貴方! テュリアメルに何をしたの!」

「ナニをしたの!!」

「こっちが聞いているんでしょ!!」


レティリアの怒りにふざけたように答えるイネではあったが、ある意味事実を述べていた。


(さすが惑、テュリアメルに余計な記憶を残していない、敢えての心の傷のみを残している状態……えげつ!!)


面白そうにしながら、イネは二人に指を差す。


「次は君等を後退りさせるようなトラウマを与えるよ! 覚悟しな!!」


恰好を付けながら、イネは投げキッスをする。


「私達の心は有志の物です! 貴方に同行できるものではありません!」

「そうだよ! 気持ちの悪い!」

「うう……うえええ!!」


テュリアメルは、吐き出してしまう。


「大丈夫ですか!」

「まさか!! 誰かに強姦されたのって!!」

「ふふふ、良い顔だったよ、えるふちゃ~ん~」


局部を膨らませながら、エルフを揶揄う様に近づく。


「いやああああああああ!! 来ないでえええ!!」

「良い悲鳴で泣くじゃねえかエルフ……もう一回楽しもうか?」

「止めてください! 私達の友達に近づかないで!」

「外道!!」


イネに警戒をしながら、テュリアメルを庇いながら二人は戦おうとする。


「ふ! 無駄だよ!!」


イネは、猛スピードで突進しながらテュリアメル耳元で呟く。


「君の中、いい具合だったよ」

「いぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


発狂して、テュリアメルは涙をボロボロ流しながら倒れる。


「テュリアメルさん!!」

「酷い……」

「次は君等をこうぐちゃぐちゃに!! ゲヘヘヘヘ!!」


----------------------------------------------------------------


「ふーん……何か追い詰めているように見える」

「追い詰める? どういう事?」


惑は、一向に追いつかない有志を見て、何か気付く。


「こうやって距離を取って気を引いているのはいいけど……アイツって明らかな熱血タイプだからスキルなりなんなりで追い付こうとすると思うんだが……完全に一定の距離……追い付きそうで追い付かないってのが計算だったけど……明らかに一定だ……」

「確かに、少しは距離を縮めれそうでこっちが必死に逃げるなら分かるけど……言ってい過ぎる」

「何か狙っているって丸分かりだ」

「どうする??」


プランの言葉に、惑は嗤いながら答える。


「良し! 全力疾走で突き進もう!」

「おうよ!」


惑が、トロッコの速度を最大にした。


「フン、臆病者め、全力で逃げる気だな……だがこっちの思う壺だ!!」


そして、惑が突き進んだ先には、リヴァイアサンが龍化した状態で口を開けていた。


「マジか」

「うそ!」


そして、二人のトロッコは、そのまま丸呑みにされた。


「よくやった! リヴァイアサン!」

「ああ、だが消化してから戻った方が良い……有志は先に戻ってくれ」

「ああ! 後は任せた!」


そして、リヴァイアサンと有志は別れた。

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