記録142『作戦開始』
有志は、トライデントと海の加護を取り返す為、西院円惑を探し始めた。
「まずは奴の足取りを追う為に色々な人に聞き込みをしよう!」
「そうですね! それが一番確実です! さすが有志です!」
「私も出来るだけ人に聞いて回ろう……私の騎士としての力はまだあるはずだ」
「私も聖剣の妖精として聞き回るよ! 妖精は皆から信頼されている事が多いからね!」
「私もエルフの姫としての力で聞き回ります」
「!! 皆……ありがとう……本当にありがとう……私のミスなのにこんな……」
リヴァイアサンは、涙を流しながら頭を下げる。
「頭を上げて下さい、俺達は魔王や西院円惑を倒す為に立ち上がった仲間じゃないですか!」
有志は、リヴァイアサンの唇にキスをして元気を取り戻させる。
「有志……ありがとう」
顔を赤くしながら、俯く。
「有志! 有志!」
「わっわたしも……有志」
「私も私も!」
「有志、んー」
皆が、有志にキスを求めて全員に有志は熱いキスを咬ました。
そして、キスを終えると同時に、西院円惑の捜索を始めた。
「西院円惑? うーん、確か西の国に向かうって言ってたなあ~」
「うーん……確か鉱山んの方へと向かったって聞いたよ?」
「へえ、アンタペプリア国の姫さんかい……そうだねえ~確か西院円惑という奴の仲間がイネ? と言ったか? 鉱山の出口で待ち合わせるって聞いたねえ」
「うーん、確かエレンという少女はイネという獣人と一緒に歩いていたみたいだけど?」
「へえ、ペプリア国の騎士団長様か……西院円惑か~そうだねエ……確か鉱山で何かを取ろうとトロッコを使うだとか?」
「つるを使うとか?」
「妖精? ふーん……確か西院円惑もドライアドという精霊を連れてたねエ……西院円惑にベッタリだったよ」
「片に乗ってたねエ」
「エルフの姫……初めて見たよ……西院円惑かあ……少女が獣人と何か準備をしていたみたいだけど?」
「上手くいけば倒せるだとか?」
そんな話を、集めた皆は、それぞれに動く事を考える。
「俺は鉱山に向かうよ、西院円惑を倒せばエレンちゃんやそのドライアドの少女、更には獣人を助ける事も出来るかも」
有志の言葉に、レイシャ達は賛同する。
「そうだな、西院円惑の討伐は有志に任せよう」
「奴はトロッコを使用しているんだろ? 私に考えがある、一つ作戦を試させて欲しい」
「!! 分かった……話を聞いても?」
「ああ」
リヴァイアサンの作戦を聞いて、有志は嬉しそうに肩を掴む。
「それいいよ! その作戦で行こう!!」
そして、有志はリヴァイアサンの作戦に乗った。
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惑は、プランと一緒に歩いている。
「さてと、噂は結構喋って貰えるようにお願いは終わった……奴は一体どういう出ると思う?」
「惑を狙うと思う」
「だよね」
そして、そのまま鉱山へと向かうとトロッコを見つけた。
「よし……僕とプランで勇者を引き付けて後の3人をエレンとイネにぶつける、多少は訓練になるだろ? どうせ戦わないといけないし……まあ一番の苦難は確実にリヴァイアサンか……」
「でも勇者を倒すにはあれぐらいを凌げないと不味いでしょ」
すると、遠くから声がする。
「あ、来た」
「そうだね……さて動かそうか!」
そして、惑は魔法エンジンを掛けて、トロッコを動かす。
「!! 待てえええ! 逃げるな西院円惑!!」
有志は、逃がすまいと西院円惑を別のトロッコで追い始める。
「さすがトロッコ……どのトロッコでも同じ速度」
「まあそうだろうね、でないと他のトロッコとトロッコでぶつかっちゃうし」
そのまま、二人はトロッコで有志を引き付ける。
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「さてと、イネさん行きますよ」
「うん、そうだね……頑張りますか!」
イネは体を解すと、3人に向き合う。
「君達は有志が助けたいと思っている者達だ……出来るだけ傷付けはしない」
「ええ! 有志との約束ですからね!」
「有志の心の広さに感謝してよね!」
エレンは、怒り狂いそうな心を何とか平常心へと切り替える。
「行くよ!!」
「!! はい!」
イネが、シャイニャス、テュリアメルに向かう。
「おらあ!!」
「!!」
「キャア!!」
「シャイニャス姫!」
イネの攻撃をプロテクションで防ぐが、少しヒビが入る。
「テュリアメルさん!」
「はい!!」
弓を使ってイネを狙いを定める。
しかし、イネは避ければシャイニャスに当たる位置で攻撃を仕掛け続ける。
「うう!!」
「卑怯です! そんな戦い方!」
「そうなんだ! 面白ーい!」
イネは、揶揄う様に、二人を翻弄する。
「私の相手は君か……なるほど、その子に三人を任せて私を君が戦うと……舐められたものだ……これでも私は……」
「はあ!!」
「名乗りも聞かずに攻撃とは……品性がない」
「黙れ! 貴様等は品性と言うがその品性も貴様等の専売特許だろうが! 私達は慎ましやかに生きることだけを考えて来た! 貴様等の習った事と違ってね!」
そして、エレンはただ戦う事に集中し始める。




