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記録140『駄々』

「海だ! 水着だ! 女の子だあああああ!!」

「はい、じゃあ準備が出来たから行きまーす!」

「は!!」


イネが楽しそうにしながら、海水浴に来て、水着を着ていた。

エレンもプランも水着を着ていたが、準備が出来たという言葉に、水着から服に着替え直す。


「なんっでええ! まだ何も楽しんでない!」

「楽しんだじゃないか、5秒」

「5秒! 5秒は楽しんだうちに入らないよ!」

「水着も見たじゃないか」

「ちょっとだよ! まだ何もしてもないよ!」

「何をしようと思ってたんですか! ケダモノ!!」

「エレンお姉ちゃん、イネお兄姉ちゃんは種族も性格もケダモノだよ」


イネは、駄々を捏ね始めた。


「やだやだやだああああ!! まだ遊びたいいい!! そこの岩場でセックスもしてないいいい!!」

「だからお前エイズになるんだよ」


イネを無理矢理引っ張って行った。


「うーん……うーん」


不貞腐れながらイネは、惑の言われた通り、透明保護袋を引っ張っていく。


「で? 何処に行くの?」


惑は、勇者の書の記録を見ながら話す。


「もっと奥の方」

「ちょっと待って! 水圧がしんどい!」

「そこからは泳がなくていいよ、泡で包んで沈ませる」

「上がるときは?」

「保護袋を使って浮き輪にする、泡は採取で取れば良いし」


そして、惑はただひたすらイネに進ませた後、一気に保護袋の周りに泡を追加して沈ませ始める。


「さてと、ここまでくれば後は沈むだけだ……結構時間はかかるけどこの保護袋はある意味ではバリアだ……だから水圧の影響も防げる……さすがドワーフの技術だ!」


そして、海の底に着くと宝箱のような物があった。


「貴様あああ!! 何をしているかあああ!」


女性の声で、誰かが叫んでいる。


「はいはい、無視無視、宝箱を引き寄せるよ」

「待てえええ!!」


何か息を思いっきり吸うような音が鳴る。


「はい取った! 浮きまーす!!」


と同時に、何かが噴射された。


しかし、浮き上がると同時に発射されたのか掠りもせずに惑達の保護袋は引き上がる。


「!! までええええ!!」


追いかけるような水温に、イネは眠そうに聞く。


「ねえ? 後ろの何?」

「多分この宝箱の持ち主」

「おいおいおい」


惑は、その言葉を無視してそのまま上がる。


「さてと、プラン君の出番だ……アイツの攻撃は君のプラントを弾幕にして防いでくれ」

「あいあいさー!!」


プランはすぐに、ご飯を食べるとお尻から沢山の物体を出す。


「何だこれはああ! はああ!」


再び息を吸い上げて水圧を噴射させる。


しかし、プランの放った弾幕は、それを完全に防ぐ。


「馬鹿な! どうしてだ! 私のウォーターブレスを防いだだと!」

「どういう事でしょうか惑?」

「簡単だよ、防いでるというより様々な柔らかな物で攻撃をずらしている……多分横に飛んでるよ?」


エレンは、惑の言う通りに横の背景を見るとあらぬ方向へとブレスは飛んで行っていた。


「ちょっとしたものを計算通りにばら撒けばあれぐらいの攻撃でもずらす事が出来る、つまりはまっすぐ強い攻撃を横にずらしているだけなんだ、ガードじゃない、さて……アイツはいつ気付くかな?」


しかし、追いかける者は一向に気付く事なく、何度も何度もブレスを吐いては、プランが指示通りの場所に弾幕を張り、全ての攻撃を避けるのであった。


「くそ! もう魔力が持たない!!」


そして、追いかける者は、得体のしれないものだと判断したのか、その場から立ち去った。


「おいおいおい、可愛い声だったんだから最後まで来いよ、セックスしたかったのに……」

「まあん……いいんじゃない?」


惑は適当に答えると、陸へと上がり宝箱をドワーフ達に壊させた。


「こりゃ凄い! トライデントだ!」

「おお! これが本物の」

「触るなよ、気が狂うかもしれん」


惑の言われた通り、ドワーフ達は触れる事もせずに離れる。


「さてと、エレンちゃん、君にはこれに触れられるようになって欲しい」

「私が……同訓練すれば……」

「予防接種を何度か受けて貰う、とはいえ勇者の一部も必要だ……その為には何度かプランちゃんと一緒に戦う必要があるっているのは前に言ったね?」

「はい、プランちゃん……」

「おっまっかー!!」


プランは嬉しそうにしながら、エレンに抱き着く。


「だから君は何度かプランに寄生されてこれを触れるように無理矢理する、拒絶反応が出そうならすぐに僕が採取で君とプランを引き離す、いいね?」

「……はい」

「後、勝てそうでも恐らく勝てないからあと少しの止めでもさせない場合がある、その時は諦めるいいね?」

「!! はい……」


泣きそうになりながらも、エレンは決意を固める。


「じゃあ! プラン!」

「はい!」


そして、つるを延ばしてエレンの体に入り込む。


「ぐっがあああああ!」

「はい! 我慢!」

「我慢してええ!」

「あああがああああああ!」


エレンのけたたましい悲鳴が響く。

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