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記録137『撒き散らした』

「そんな……テュリアメル!!」

「テュリアメルさん!!」

「糞!! どうしてこんなことに!!」

「酷い……酷すぎる……」


有志達は、河川敷に捨てられているテュリアメルに駆け寄る。


「ああ……ゆうし……私……穢されちゃった……」

「ぐう!! ぐぐっがあ!! ああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


有志は、唸るように悲鳴を上げる。


「うるせえぞ!! クソガキガアア!!」


近くに住んでいたおじさんが、眠そうな目で窓を開けて、ブチギレる。


「黙れ!!」

「え……ぶが!!」


おじさんは、遠くから振るわれた有志の聖剣で首が飛んで、そのまま窓から落下して、地面に激突した。


「大丈夫か!! 糞!! 糞おお!!」

「そんな……テュリアメルさん……」

「誰にやられた!!」

「こんな……酷い……」

「わかり……ませn……心が痛い……くるしいです」


有志は、上半身を脱いでテュリアメルを抱き締める。


「なにあれ……」

「シッ……見てはいけません」


通りすがりの男二人は、鼻で嗤いながらそのまま通り過ぎようとした。


「フン!!」

「ぐば!」

「げべえ!」


再び、有志は聖剣を振るって、通りすがりの男二人が真っ二つに斬られて死んだ。


「大丈夫だ! 俺が忘れさせてやる! 心の傷も治してやる!! 大丈夫だから! さっきみたいにお前を苦しめる奴は俺が倒すから!」

「ゆうじ……ありがどう」


泣きじゃくりながら、テュリアメルは有志を抱き締める。


「テュリアメルさん、有志がいっぱい愛してくれます! だから嫌な事は忘れてください!」

「思い出したくない事は思い出さなくていい! だから今は有志に任せるんだ」

「そうだよ! 有志の体で暖まればきっと元気が出るよ!」

「そうだな! テュリアメル」

「はい……あ……」


テュリアメルを、有志は汗だくになるまで抱いた。


そして、それを見ていた仲間達は、有志の裾を引っ張る。


「ゆうし……」

「私達も」

「だめえ~」

「ああ!! 任せろ!!」


有志達は、良い汗を掻いた。


----------------------------------------------------------------


イネは、テュリアメルを河川敷に捨てた後、宿へと戻った。


「お帰り、……早速だけど検査だ」

「え? 何それ怖い」

「怖いかもしれないから検査だ」

「ええ……つかれ」


有志の検査をイネは断ろうとするが、エレンとプランに止められる。


「受けた方が良いですよ」

「そうだよ、プランもそう思う」


二人共どこか悲しそうにしていた。

イネは興奮して、エレンとプランの肩に手を置く。


「そうかそうか、僕がいなくて寂しかったか……仕方ないなあ!」


しかし、エレンとプランに思いっきり顔面を殴られる。


「いだい!!」

「受けなさい」

「受けなさい!!」


どうしても、検査を受けないと行けなさそうな雰囲気なので、イネは仕方なく検査を受ける事を受諾した。


最初は、惑の鑑定検査、更に採取したモノの鑑定という実に簡単な検査であった。


「うん……なるほど」

「何か分かったの?」

「イネ、落ち着いて聞いてね……君はエイズだ」

「? エイズってなに? 可愛い子?」

「可愛い子もカッコイイ子も抱いた結果がこれだ」


イネは、エイズという聞きなれない言葉に首を傾げる。


「イネさん、私も惑さんから聞いたんだけど、血液から感染して、感染すると免疫力が壊されて今まで罹らなかった病気を発症したりと凄く厄介な病気らしいよ」

「プランも知ってる! 性行為でよく感染したりするって惑から聞いた!」

「え? 私死ぬの?」

「まあ僕がいた世界では治す事が出来なくて発症を抑える薬を投与するしか方法はなかったね」

「!!」


イネは、真っ青になった。


「因みに罹った人が性行為、もしくは血液が他の人の傷とかに入った場合でも感染するよ」

「ああ……まさかテュリアメルに……」

「そう、君のエイズが罹っていた」

「あ! そっち?」


イネは、自分がテュリアメルに移されたと己惚れていた。


「まあ君のエイズはさっきの採取で完全になくして試験官に入れたけど……こんなことは初めてだから多分大丈夫だと思うけど何かあったら言ってね」

「……うん」


少しショックを受けながら、イネは涙目になっていた。


「で? テュリアメルはもう大丈夫なんですか?」

「え? 何で? 全部なんて取ってないよ? だって敵だし」

「ああ……まあそうですね」


テュリアメルには、エイズが残ったまま、イネに捨てさせてきた。


その結果、ある意味勇者パーティーにダメージを与えている。


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有志は行為を終えた後、4人にキスをする。


「ふふふ、俺と愛せてすごく幸せそうだ……この幸せをずっと享受するぞ、忌まわしき西院円惑と魔王を倒して!」


有志は、神の加護でエイズから守られている為、感染までは防げた。

浄化もしている為、完全に消すには時間が掛かったが問題はない。

しかし、すぐにした行為を行ったことによって、シャイニャス、レイシャ、レティリアは浄化が間に合わず、感染した。

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