記録136『見掛ける』
有志は、オプセテを励ましていた。
「気にするんじゃない! お前は何も悪くな! 悪いのは卑怯な手を使ったパパルという卑劣な男だ!」
「すまない……ここまでして貰ったのに……ありがとう」
オプセテは、落ち込みながらも、悔しさを心に刻む。
「その悔しさが君を勝利に導く! 大丈夫だ! 私には分かる!」
レイシャの言葉を聞いて、オプセテは勇気を貰った。
「そうだな……たった一回負けただけなんだ! それぐらいでへこたれたらダメだよな!」
オプセテは、元気を取り戻して決意する。
「よし! 俺! 明日またパパルに戦うを申し込むよ!」
「その意気だよ!」
「私も応援します!」
「相手がどんな卑怯な事をするか分かりません、エルフに伝わるお守りを作ろうと思いますので出来ましたらオプセテさんにも渡します」
「!! 良いんですか! テュリアメルさん!」
「ええ!」
皆の優しさが身に染みて感じたオプセテは、剣を持つ。
「俺! 訓練するよ! 明日の戦いの為に!」
「そうか! 頑張ってくれ! 俺達もテュリアメルの手伝いをしようか?」
「いえ、このお守りはエルフのみで作り上げる事によって魔力的な加護を与えるものとなります、エルフ一人で作ればその効力は大きくなります! 皆さんにも渡したいので私だけで作らせて貰えませんか?」
「そうなんだね、ありがとうテュリアメル!」
「ええ!」
テュリアメルは、嬉しそうにしながら材料を買いに行った。
----------------------------------------------------------------
「ふいい……スッキリした」
イネは、パパルパーティーと別れて昨日のうちにダンジョンを惑達と共に出ていた。
そして、惑達とは別れていつものように娼館と男娼をオールしていた。
「やっぱり交尾はナマが一番だ!」
股間を弄りながらイネは涎を垂らしていた。
「さてと、惑は宿にいるんだっけ? 早く戻らないとまたエレンちゃんとプランちゃんから蔑視の目で見られるよ」
そんな事を考えながら歩いていると、見覚えのある顔を見た。
「あれは……テュリアメルちゃんだっけ? 勇者パーティーエルフ……ジュル……」
イネは、垂れていた涎を飲みながらテュリアメルを品定めする。
「ニャアワア~」
そして、テュリアメルを完全に獲物を狙ったような目で見る。
「ねえ」
「はい? きゃ!!」
そして、テュリアメルに声を掛けて路地裏に引っ張って行った。
「きゃあ!! 何をするんですか!! って貴方は!!」
テュリアメルは、袋小路になっている路地裏に放り投げられて、尻餅を着く。
そして、イネの顔を見て怒りが湧く。
「ワニャアア~、勇者パーティーのテュリアメルちゃんだよね~良い体してるじゃん、エルフちゃ~ん~」
「ひい!!」
テュリアメルは、真っ青になりながら逃げようとするが、イネに掴まれて逃げられなくなる。
「止めて!! 放して!!」
「ワニャニャニャニャアア~逃げられると思ってたの~今から僕の種をいっぱい下の口に食べさせるんだから~交尾しようぜ~」
「いやあ……いやあああ……いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
テュリアメルは、身ぐるみを剥がされて、イネに強姦された。
----------------------------------------------------------------
「この子……確かテュリアメルちゃんだよね? 勇者パーティーの……」
「ごめん……いや本当ごめん」
「屑め!」
「ごーみ! ごーみ!!」
イネは、謝罪するがエレンとプランに蔑視どころか、罵倒される。
「うーん……完全にレイプ目になってるなあ~……」
惑は、瞳孔を調べるようにテュリアメルの目を確認するが、手遅れであった。
「ねえ惑~」
「なに?」
「飼って良い?」
「ダメ、河川敷に捨ててきなさい」
「えええ」
「ええじゃない」
「はーい」
強請るイネの意見を無視して、惑は捨てるように指示を出す。
「あ、ちょっと待って、調べてから捨ててきて」
「? 良いけど」
そして、惑は鑑定や採取をしながらテュリアメルから取れる情報を取った。
「……」
「? 何惑?」
「いいよもう、捨ててきなさい……後、捨てた後に話す事があるから」
「?? うん」
そして、イネは仕方なさそうにしながらテュリアメルを河川敷に捨てて来た。
「どうして河川敷なんですか?」
「定番だから?」
「? えっと……どういう事ですか?」
「まあこっちの話……」
「で? イネさんに話って?」
「実はね……」
「……ついに」
「帰ってきたら優しくしてあげよう」
エレンもプランも何処か悲しそうな目をしていた。
----------------------------------------------------------------
「テュリアメル……遅いな」
「ええ……どこまで買い物したんでしょうか……」
「私、探してくる」
心配そうな有志に、シャイニャスは同意し、レイシャはテュリアメルを迎えに行こうとした。
「なら俺も良く!」
「私もです!」
「私もだよ! だってテュリアメルは仲間なんだから!」
「そうか……分かった!」
そして、皆でテュリアメルを探しに行った。
そして、絶望の光景を目にする事となった。




