記録131『ジュエルタイラント現る』
ゴブリンを倒した後、惑が食事にしようと言った。
「いや~助かる……食料尽き欠けていてなあ」
「うんうん、どんな料理が出るんだろう!」
「良い匂いがする」
その言葉を後悔すると3人は思わなかった。
「はい、ゴブリンのモツ煮」
「!!!」
「へ」
「ちょ!」
先程までいた惑の場所を見ると、皮と骨だけになったゴブリンと干されたゴブリンの肉があった。
「ちょ! マジでしたの!」
「毒内の!」
「下処理は完璧!」
「嫌そういう事じゃなくて!」
「はい、皆の分!」
「「「!! ああああ」」」
三人は、真っ青になりながら器を手に取った。
「「「イタダキマス」」」
「「「「いただきまーす!!」」」」
「はい」
惑の仲間達は、当然のように食べていた。
恐る恐る3人も食べた。
「あ、美味しい」
「本当だ」
「グロいけど……」
「塩を振れば大体美味しくなるよ」
「独特な臭みがあるけどね」
3人は何とかゴブリンの臭みと戦いながら、食べ切った。
「ふー」
「何とか……これ食べれれば他のものもいけそうな気がしてきた」
「私もです……」
惑は、3人に鑑定を掛けた。
Name:パパル
HP:10000、MP:5000、攻撃力:20000、防御力:20000、スピード:70000、知力:5000、魔法:なし、スキル:身体強化、剛腕、加速、剣の達人、根性、忍耐、猛毒耐性
Name:ロチャルマナ
HP:5000、MP:50000、攻撃力:200、防御力:200、スピード:500、知力:10000、魔法:ファイアーボール、インフェルノ、ウォーターボール、アイスニードル、アイススフィア、エクスプロージョン、ヒール、強化、スキル:猛毒耐性
Name:ポウル
HP:10000、MP:5000、攻撃力:30000、防御力:30000、スピード:30000、知力:500、魔法:なし、スキル:身体強化、剛腕、根性、忍耐、鉄拳、手刀、猛毒耐性
「「「!!!」」」
「ゴブリンに混ぜた物が良かったね……さっきのポイズンドラゴンの毒をめちゃくちゃ薄めて入れた、飲み物はプランの拮抗のある毒粉を入れた……それを同時に行わせる事によって毒の耐性を高めた」
「「「!!!」」」
そんな時であった。
「ぐがあああああああああああああああああああ!!」
「はあ」
「なんだと」
「そんなバカな!!」
「さっき買ったヘイト笛を何度か吹いて良かった」
「ああああああああ」
ジュエルタイラントが現れた。
「ちょ! 惑さん!!」
「何を考えているの!」
「馬鹿な事を!!」
「え? でも探してたのこいつでしょ? ここで消耗して戦う方が馬鹿でしょ? 今食べ物食べて回復したから大丈夫!」
惑のサムズアップに、3人は怒りに燃えるが、同時に絶望した。
「ああわわわ」
「はいはい頑張って! 出ないと皆死ぬよ! イネ!」
「ワニャアアア!!」
イネは、ジュエルタイラントを蹴り付けるがビクともしない。
「bがあああああ!!」
「ぐg!!
だがダメージはあまりなかった。
エレンは、剣を抜いてジュエルタイラント拳を凌ぐ。
プランは、強壮作用のある粉をエレンに掛けた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
そして、ジュエルタイラントの指を斬る。
「お!! 俺等もやるぞ!」
「分かった!! ファイアーボール!!」
「鉄拳!!」
ロチャルマナが、宝石部分に熱を与えて、そのまま鉄拳で破壊する。
しかし、魔力で回復する。
「ダメだ、再生する」
「何言ってるんだい? 再生にだって体力もしくは魔力が必要だ……何かを代償にしないとそんな事は出来ない、無限に出来る訳ではないという事は本にもある……そうじゃない根拠は?」
「!! だがMPは大きい……」
「ふーん……言い絶望じゃないか」
「!!!」
「これが……私達の」
「絶望という名の追い詰められる状態……」
このままでは、ジリ貧である。
しかし、それは冒険者ならよくある事の一つである。
最近では、オプセテの能力のお陰なのかあまりそういう状況にならなかった。
しかし、それでも以前はそんなピンチはよくあった。
それがなくなり、自身が強くなったという勘違いのせいでそのピンチすらも忘れてしまった。
だが今なら分かる、3人は今冒険者としての岐路に立たされている。
「死ぬか、進化するか」
「どうやって生き残るのか」
「考えましょう……今出来る事はそれだけです、試せることは全てやり、思い付く事は全て試す勢いで……イメージを広げましょう……」
そして、3人と4人と戦いは始まった。
再生する宝石は、強度を増す、魔力はかなり減っているようだがそれでもダメージが少なくなる。
「くぞ!! 拳が!!」
「ヒール!!」
「MPは持つか!!」
「はあはあ」
明らかに辛そうにするロチャルマナの頭に、何かが降りた。
「ああ……しじょうが……練れっていって……どうなうr」
上の空になりながらも、そのイメージを考える。
(練る……とは……昔姉さんと遊んだコマ……回転すればするほど強かった……)
あやふやなイメージが少しずつまとまり始める。
そして、無意識で自身の魔力を回転させた。
すると、魔力が何故か強くなった気がした。
「これだ!!」
そして、ヒールではなく、何故かファイアーボールを回転させながら一点集中で宝石に当てた。
「ぐっがあああ!!」
宝石は集中的に熱せられた部分に傷が付いた。
「これは!! そうか! 俺の拳も!!」
ポウルも、拳を回転させる。
「スクリュー鉄拳!!」
「ぐghがあああ!!」
すると傷のついた宝石は簡単に砕けた。
「今だ!! 俺は攻撃に回転は難しいがせめて防御の時に!!」
飛んでくる拳を、回転する剣がいなした。




