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記録123『資金面』

老ドワーフ達は、バワカとアワホの伝手で、森の奥のある集落に来ていた。


「ここがシャグル国の生き残りがいると言われている集落か」

「そうだ、この森なら魔物も大人しいし、魔国とも遠いからあまり責められることがない、しかも凶暴な魔物は寧ろ外の方に向かいやすくて寧ろ外の盗賊等を寄せ付ける事はないだろう」

「確かに、だが我々が入れたのはどうしてだ?」


ドワーフの長老は、杖を突きながらバワカに尋ねる。


「簡単だ、俺とアワホが強者だからだ……警戒心も強い奴等は強者には襲い掛からねえ、だから惑さんはイネさんとプランと一緒にいるから問題はない」


そして、集落の中へと入って行った。


「ようこそ、シャグルの生き残りの集落へ」

「我等は神に見捨てられし者達……ここでは皆が人間として手を取り合っている者」

「神に見捨てられた?」

「ええ、我が偉大なる王、ライアン・シャグル様は神の怒りを買ってしまい我が街と無法都市を失いました……しかし魔族との和平を築いて攻めて魔王軍との戦いの阻止をしようとしていました」

「ええ、私達もそれには賛成しています、更に無法都市を作る事で犯罪者に殺された家族も納得していました、何故なら中途半端な犯罪者程度ではあそこでは生き残れません……そして生き残れたとしても奴隷、もしくは玩具としての道しかありません、もし成功しても私達には関係のない話です……やはり人には環境にあった済むべき場所がある事をあの方は理解していたのでしょう、ここはあの方が生き残っていた際に利用されても良い場所です」

「ワシ等もそれをしろと?」

「いえ、貴方達は西院円惑に使われてください……ただここで私達に必要にある者を提供していただければ食事と寝床は用意させていただきます、それ以外の場合は西院円惑さんから資金を貰って作ってください」


そんな簡単な説明後、彼等は再びいつもの生活に戻った。


「なるほど、不干渉であれと?」

「まあそうだな、俺の知り合いの冒険者から無理を言って入れて貰った」

「老害と言われて傷ついたんだろ? 酷いよな? いくら未来は若者が作ると言ってもお前等を冒涜する必要はないはずだぜ」

「否、老害でいいんだよ」


すると後ろから惑が現れた。


「惑さん! そりゃないぜ!」

「アンタもワシ等を馬鹿に!!」


怒りでドワーフ達は、惑を睨む。


「おいおい、老害だからこそ良いんだよって言ったろ? 確かに若者の意見を否定し自身の考えこそが大切だという固いプライドがあるから確かに合う事はないだろう、現代的には……僕は未来を作るなら老人ではなく若者に頼むだろう……だが否だ! 僕が今作りたいのは勇者を倒すための道具だ、それには未来を作るよりも確かな技術が必要だ! そしてその研ぎ澄まされた技術の先には頑固さが必要だ! その頑固さがあったからこそドワーフの作る魔道具屋武具は一級品ではないのか!」

「!!」

「そうじゃ、とんでもない糞注文も、出来ないのかと挑発されて安請け合いした時も、結局作り上げてぎゃふんと言わせたワイ」

「そうじゃ! 酒だって沢山飲んで盛り上がる事でモチベーションを上げた! 飲みにケーションをする事である意味集中力も上がったわい」

「そうじゃ! 我慢した分美味しさを味わえて更に技術を磨けた……」

「それはつまりワシ等の頑固さがあったからこそ向かう事の出来た道だってある、ワシ等が作るのはもう未来じゃない! 現在出来得る限りの技術を持って作り上げる作品じゃ! 未来なんか考える必要はない! 未来の事は奴等の勝手じゃ! いらないのならワシ等の好きにさせて貰う!」

「そうだよ! それに邪魔をする事で更に若者が強く育つ事だってある! それの何が悪い! 敢えて悪者役を演じて更なる強い若者を作ればいいんだ! それも一つの作品だ!」


決起するドワーフ達に、惑はもう一つ言葉を入れた。

その言葉を聞いて、ドワーフ達は感涙した。


「ああ、そうじゃ! で! ワシ等は何を作ればいい!」


惑に早速聞いて、作品を作ろうとする。


「エレンちゃんを勇者にする為、こういう培養液に付けて力を馴染ませるような魔道具を作って欲しいんだけど?」


その言葉に、ドワーフ達は唸る。


「これはなかなか難しいぞ?」

「金も掛かるし道具も必要じゃ」

「それにエレンちゃんをそうして戻せるのか?」

「それで勇者は倒せるんかい?」


その言葉を聞いて、惑は嗤う。


「覚悟もさせるし実験もする、試作品は負けた……でも死んでいない……今度は体を慣らすための運転をしていく、だけどまずは資金を溜める為に僕が一稼ぎするよ」


そして、ドワーフ達を置いて、イネとプランと共に動き出した。


「エレンちゃん、あんさんはここで見ていくのかい?」

「はい」


そして、別行動が始まった.

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