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記録114『体の変化』

「ぐhばああああ!!」

「頑張れ! 耐えるんだ! 君ならいける!!」


惑は、物凄く嬉しそうにしながら変化するリザルの体を観察していた。

体中、ボコボコとした変色した疣贅が現れ、嘔吐と共に溢れ出る血、更には大量の発汗によって顔色はかなり悪くなっていた。


「惑……このままではリザルの方が耐えられないのでは?」

「その限界を見極めないとね……だけどこれはまだいけるよ? ね! 分析?」

『はい、そうですね、後少し入れても異常は出ますが命にまでは届きません、彼が精神を強く持てばの話ですが』

「だって! 頑張ってリザル! 強さの先に行くにはかなりの無理は必要だよ!」


リザルは、苦しそうにしながらもなんとか笑って見せる。


「だい……じょうぶです……こんなの……へっちゃらで……す」


今にも壊れそうになりながらも、今まで鍛え上げたように精神を強く持って耐えようとする。


そして、実験は数時間続いた。


「あああ……ああああ……」


殆ど心が死んだような状態になっているリザルに惑は、様子を見る。


「ふむう、少し休憩……」


少しという言葉に、イネは唖然とする。


「少しって……少し経ったらまた始めるの? 明日で良いんじゃない?」

「勇者が来るまでにしないと僕等全滅だよ?」

「!! ちょ! まさか私の責任!!」

「やっと気づきましたか」

「遅いよ、イネ姉兄ちゃん」


二人は、ジト目でイネを見ていた。


「ああ……良し! 頑張れリザル君!」

「掌替えしやがった」

「イネ姉兄ちゃんが一番下種」


そして、実験の日々は続いた。


リザルの変化一覧

1日目、体の凹凸が出来るぐらいの疣贅と吐血、更には蒼白した顔色の症状が出た。

2日目、精神の崩壊、死んだ目、心拍薄弱、筋力増加が診られた。

3日目、少し体が大きくなった、沢山聖魔力を食べて、沢山大きくなろう。

4日目、突如暴れ出したのでプランの睡眠粉で眠らせてから聖魔力の注入開始。

5日目、腹辺りに埋め込んだ隕石が核のように青白く輝く。

6日目、硬い鱗が更に肥大を重ねて、鉄では通さない程強固なものとなった。

7日目、ビルサイズまで大きくなる。


「って感じかな?」

「って感じじゃないよ! 何これ! どうなっての! 何なのこの大きさ! ドラゴン以上なんだけど!」

「大怪獣リザル」

「って! 言っている場合! 襲われるよ!!」

「大丈夫大丈夫、契約で襲えないようにしているから」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


惑とイネの会話に割り込んで、リザルは咆哮する。


「素晴らしい! 素晴らしいい!!」

「えあああ……」

「これから彼はどうするんでしょうか?」

「プラン楽しみ!」


すると、大怪獣リザルは突如地響きを鳴らしながら歩き出した。


「おおお!! 圧巻だな!」

「凄い迫力ですね!」

「面白ーい!」

「あああ……どうするのこれ?」


すると、惑はプランに何か指示を出すと、プランは嬉しそうにしながらつるでイネを掴んだ。


「うおおお!!」

「じゃあ! 鑑賞に行くよ!」

「どこうわあああああああ!」


そして、惑達は大怪獣リザルの向かった方向を先回りで進んだ。


----------------------------------------------------------------


「ふざけないで! 私の息子は何処!」

「そうよそうよ! 私の息子だってこの戦士の部隊に必要のはずよ!」

「どこへ行ったの!」

「それは鋭意捜索中だ……」

「あの……私の」

「アンタの子はどうでもいいでしょ! 役に立たないんだから!」


一人の雌リザードマンは、沢山の雌リザードマンにいじめられていた。


「大体! アンタのろくでなしを鍛える為に私の可愛い息子が喝を入れてたでしょ!」

「そうよ! 何かあればあんたの責任よ!」

「この糞ババア!」

「そんな」


雌リザードマンの一人は、リザルの母親でリゲマである。

リゲマは、涙を流しながら息子の無事を祈っている。

いなくなってから1週間、依然として見つかっていなかった。

しかし、そんな時の事であった。


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

『!!』


突如、ドラゴン以上の咆哮がリザードマンの沼地に響いた。


「今の何!」

「ちょっと! 何よ今の!」

「ふる!! 震えが止まらない!」

「え! え!」


他の者が震えている中、リゲマだけは唖然とする。


「リザル?」


そして、咆哮の元凶は現れた。


「きゃあああああああぶ!!」


一人の雌リザードマンは、大きな足に踏み潰された。


「え?」

「は?」

「な!!」

「あああ……」


リゲマだけは、見覚えがあった。

息子、リザルの足である。


「何よこれ! 何なのよおおおおおお!!」

「うああああ! どけええええええ!!」


兵士のリザードマンは、我先に逃げようとした。

しかし、すぐに踏みつぶされた。


「きゃああああああああああああああああああああああ!」

「助けて! 助けてええええ!」


二人は、その場で腰を抜かして立てなくなる。


「止めてリザル! どうしちゃったの!」

「ぐがあああああああああああああああああああああああ!」

「リザ……」


母親は、そのまま踏みつぶされた。

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