記録100『ぷー子のアイドル活動』
「みんなあ!! 盛り上がっていくよおおお!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
ぷー子の掛け声と共に、惑が密かに流したオタ芸を披露して盛り上げた。
「皆ああ!! 私の為にありがとおおおお!! すっごくすっごく嬉しいよおおおお!!!」
『うおおおおおお!!』
「では最後の歌でええす!! 皆で最後も迄盛り上がろうねええええ!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
ファンは、ぷー子と共にいっぱい踊り、いっぱい推し、いっぱい叫んだ。
日々の鬱憤など忘れるぐらいに一人の女の子を愛し、そして喜びを分かち合った。
最後の曲が終わり、舞台裏へとぷー子は入って行った。
「ふー……お疲れ様です!!」
「はい! お疲れ! さ! 次は僕と枕営業だ! さあさ! 行こう! 行こう!」
「え! ちょ!!」
「止めなさい!!」
「ごふ!!」
イネが、強引に枕営業をしようとし、ぷー子は焦るがエレンが腹部をナイフで刺して事無くを終えた。
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深く刺されたナイフを上にして、イネは藻掻き苦しんでいた。
エレンは、そんなのを無視して、ぷー子に頭を下げた謝る。
「すみません、次は演劇の仕事です! よろしくお願いします!」
「はい! エレンさんがマネージャーで良かったです!」
「ふふふ、仕事は全て惑さんが取ってきているだけですよ、私は貴方がちゃんと休める為の調節をしているのとイネという害悪から純潔を奪わせないようにしているだけです!」
「だからって刺さないでえ~」
イネは、腹部を痛そうにしながらナイフを抜き取る。
「うぎゃああああ!! 血が出る!! 血が出てくよおおおおおお!!」
「あははは……」
ぷー子は、苦笑しながらも顔を赤くする。
「どうしたんですか?」
「いえ、夢みたいだと思いまして……」
「……そうですね、これも惑さんのお陰です! まあ何考えているか分からない人ですけど……」
「? そう? 大体分かるよ? 惑は人が真剣に叶えたい願いや欲望、それらを科学で工夫して叶える事で科学の進歩を進める事と奇跡の種を沢山発芽させて出来る事を増やす事で生き物の全てを丸裸にする事で興奮する変態さんだって」
「うん、まあそうなんですけど……何だろう? イネさんがそれを堂々と言うと何だか腹が立ちますね」
エレンは、イネに惑の本質を語られて少し深いそうにする。
「エレンちゃん、マネージャーご苦労様……取り敢えず資金も稼いでいるからこれら全てを分け前で少し貰って、残った半分をぷー子の給料、後は全て営業に回すよ」
惑は、テキパキと帳簿の記録を終えて、それぞれに少しの資金を渡す。
「わーい! 風〇行ける!」
「ありがとうございます」
「君はそれで防具や武器を買ったら? 手になじむ物を選べるように何度も買い直して良いからね」
「え? 良いんですか?」
「頑張っているからね」
惑から渡された袋を見て、エレンは苦笑する。
(多分そんなに入っていないんだろうなあ)
しかし、袋には聖金貨20枚入っていた。
※単位として、聖金貨=100000円単位とする。
そんな大金を持ったエレンは、唖然として数分間動けなかった。
「じゃあ行こうか?」
「私の稼いだお金……こんなにあるんだ……」
「まあ推しが出来れば大体その人達が大金を落としてくれるからね……これがアイドル業というものだ……凄いだろ」
「うん」
ぷー子は、あまりの出来事に夢でも見ているのかと思った。
しかし、次の惑の説明で納得した。
「まあ本来はこんなにすぐに売れる事はない……だがこの世界での娯楽は酒、煙草、ギャンブル、踊り子、風俗ぐらいだ……云わば自分の為に使うお金としてしか使う事はない……だがこのアイドル業は現在ファンがアイドルを育てるというある意味ではどれだけお金を落として貢献出来るかというのを基本として運用している、そして一度好きと考えた者の夢を応援したくなる心情を突いて自分こそは! いや自分こそが! 否! 自分こそがああ!! という競争をさせる事によって誰が一番になるかという競争をする事によってお金を落とさざる負えない状況を作り出している……そしてこの世界では今話した手法は珍しく刺激的だ! なんせ自分が落としたお金によって目に見えて相手が分かるシステムだから落とす方も満たされるんだよ」
ぷー子は、惑が少し恐ろしく思った。
同時に、信頼出来るとも思った。
ぷー子は、惑の仕事を熟しながらファンとの握手、水晶での写真撮影、歌やダンスの披露を懸命に行った。
当然、エレンが休日の予定を組んで無理のないように業務を熟した。
当然、ぷー子のファンは増大した。
今は、ライブをすれば会場が満席になり、立って鑑賞する者も増えた。
そして、それは他の魔族をも呼び込み、魔族と人間はぷー子という共通の話題によってファン同士中を深める形となったのであった。
それは、魔王が狙っていた一つの作戦でもあった。




