愛しい人
R15注意、Sヒーロー注意
マイクロビキニを着て鏡の前に立ったジュリナリーゼは愕然としていた。
「こ、こんなの…… ほとんど裸だわ……」
ビキニトップは、やはりジュリナリーゼの予想通り✕✕と✕✕がなんとか隠れている程度で、肌を晒している部分が多く卑猥である。
下半身の方はさらに大変なことになっている。
本当にこんな水着がお店で普通に販売されているのか、こんなものを来て外に出たら公然猥褻罪で捕まるのではないかとジュリナリーゼは思った。
海に行くのでムダ毛のお手入れはしていたつもりだったが、とてつもなく恥ずかしい。
「隠さないで! リィの全部が俺の理想そのままなんだ!」
いっそ何も身に着けていない方がまだ恥ずかしくないかもしれないと思いながら手のひらで覆うと、叫んだセシルに背後から突撃されて床に押し倒された――――と思ったら、瞬きをする間に魔法で寝台の上に移動させられていた。
「!」
気付いた時にはジュリナリーゼは押し倒されていた。天使めいていたセシルの表情が熱を孕んだものに代わり、清らかだった蒼碧の瞳に雄の気配が宿った。
「や、やめて…… 見ないで……」
「どうして? リィはこんなに綺麗なんだから恥ずかしがることないよ。どんな格好をしても、何があっても、リィは俺だけの特別なリィだよ」
「セシル、駄目」
「駄目じゃないでしょ? ほら、どうしてほしいの? 言わなきゃわかんないよね?」
「そっかー、やめてほしんだ。ならしょうがないよね」
「じゃあおねだり、ちゃんとできるよね?」
「リィだけを愛してる」
「私も好き、大好き。セシル……」
ジュリナリーゼは自分よりも小柄なセシルの身体を抱きしめ、愛しい人の名前を呼んだ。