祭りはまだ終わらない
R15注意、最後下品注意
三人称→ロゼ視点
ロゼの目の奥でバチバチと火花のようなものが散った。
ロゼは声を我慢しているのも忘れた。
アークはレオハルトに眠りの魔法を掛けて、息子が目覚めないようにした。
元々寝ていたレオハルトは、アークの魔法によって夢も見ない深い眠りへ落ちたため、スケベな寝言も止んだ。
行為後、アークは魔法で様々な痕跡を消し去ると、レオハルトが眠っているのとは別の寝台まで、意識のないロゼを運んだ。
アークはロゼの身体を満喫した。
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ロゼがハッと目を覚ました時、まだ時刻は真夜中だったようで、カーテンから漏れる月明かりが部屋の中をうっすらと照らしていた。
ロゼが寝ていた大きな寝台には、隣で眠る最愛の鬼畜男アークがいる。部屋にもう一つある寝台では、アークとの愛の結晶レオハルトが、スピスピと小さな寝息を立てて可愛らしく寝入っていた。
ロゼは寝る前の記憶を辿った。覚えているのはソファの上で気絶した所までだった。
身体の痛みや疲労も、アークがロゼに回復魔法でも使ったようで何も感じなかったし、そんな匂いもしなかった。
しかし、寝台までロゼを運んだ後にアークが何をしていたかは、長年の付き合いから理解できてしまう。
アークは事後はいつも✕✕を再利用されないように早々に片付けてしまうのだが、ロゼはそれが悲しい。
「アーちゃん……」
ロゼは誘うようにアークを呼んでみたが、熟睡しているようで起きない。
きっとアークは、実に清々しい気分で眠りに就いたに違いない。
対するロゼは悶々としていて、好き勝手に自分だけ楽しんで寝てしまったアークに沸々と怒りが湧いた。
(そっちが意識がない所を容赦なく攻めてくるなら、こっちだってやり返してやるわよおおおおおおっ!)
しかし、このまま攻勢に転じた所で流石にアークも途中で目覚めて気付くだろうし、また先程のように完全敗北することは目に見えていた。
涙するロゼの脳裏に、昼間の光景が蘇る。
『アーちゃん、近くの村には変わった祭りがあるそうよ。私達も――――』
――――私達も、今夜は子作りハッスル✕✕搾り取り祭りね!
その時、ロゼの破廉恥発言を察知したアークが、寸前で沈黙の魔法をかけたために最後までは言えなかったが、ロゼは本当はそう主張したかった。
(いいえ! 祭りは! まだ終わらないわ!)
ロゼは床に落ちていた服を着込むと、部屋を飛び出した。




