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第1章17と18の幕間:ホロヴィッツ派兵

~シルディア王のもとにホロヴィッツの状況が届く~



 ホロヴィッツから使者がやって来て、シルディア城の王の()に通されてきた。

 シルディア王が使者を労う。


「よく来てくれた。して、何用かな?」


「我が方にてクーデター計画の疑いが発覚しまして、シルディア王にご助力を(うかが)いたく」


「クーデター?」


「魔族と手を組んだ人間どもが暗躍していると報告を受けております」


 シルディア王の表情が険しくなる。


「人間と魔族が……? 昨今、(にわ)かに問題になっているな。それがこのエルランドでも起こりつつあるというのか……」


「ご助力をお願いできますでしょうか?」


 使者が尋ねると、シルディア王は強くうなずいた。


「無論だ。魔族が人心を掌握しつつある現状を看過(かんか)することはできん。魔族に(なび)く人間は平和に対する反逆の()であると言えよう」


「ありがとうございます。つきましては、ホロヴィッツの周囲に伏兵(ふくへい)を配置して頂きたく存じます」


「うむ。その辺りは軍司令官と話を進めてくれ」


 案内されて王の間を出ていく使者を見送り、シルディア王は嘆息(たんそく)した。


 ──アーガイルが名誉の死を遂げ、今度は人と魔族が手を組むだと?


 臣下を呼んで、一通の書簡を持って来させる。先日、エルランド統治同盟から送られてきたものだ。

 その書簡は、こう題されていた。


【シルディア次期勇者選出についての要請】


 ──アーガイルの死をまだ消化しきれぬうちに次代(じだい)の話とは……。


 数々の未来ある若者を勇者に任命してきたシルディア王でさえ、それが何なのか分からなくなりつつあった。


 勇者とは何なのだろうか?

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