いけ好かない戦闘衝動
豪快な土煙を立て雷太はビルの屋上へ、全身に光をまとうドロテアの真横へと降り立ち地上で暴れ狂う機械を見下ろす。
戦おうとしてる二人以外の人間は遠くへ逃げるか犠牲となっていて、大都市という幅広い土地でありながら閑散と静けさも感じた。
「葛藤は終わったか?」
歯を食いしばりながら雷太に問う。どんなに攻撃しても傷一つ負わずむやみに負荷を与えた所でドロテアは無駄と判断した。
「んな事はいいだろ。その様子だとドロテアこそ手負いみたいだな」
左の二の腕に大き目の引っ掻きの攻撃を与えられそこそこ流血していた。心配した雷太が何故か持っていた誰かの物とも分からない女性用の下着を使って傷の上の部分を縛り上げ、とりあえずの治療をする。
「お前、そろそろ変態をやめた方がいいぞ。今回は多めに見てやるけど」
「考えとく。アイツの弱点はあのエメラルドだ。昔誰かにカチ割られて、それで苦しんでるって話は聞いた」
光り輝くのを差し止め少し目をうるわせてover end contents.の額を見つめた。
まるで生き物だなと内心思ったが彼氏に弱い所を見せられまいと涙をぐっと堪えて、右手に周囲の光を集めて物体と変え額のエメラルドに向かってオーバースローで投げる。
直線を引くように当たるがcontents.が一瞬悶え苦しんだだけで、それ以外に変化は無い。
「効いてるのか? 確かに苦しんでたような」
「……やっぱり」
目を丸めて再び雷太の方を見る。あまりにも心苦しそうなのは見て取れた。
やっぱりから先が中々出てこない。気になりすぎて怒鳴り気味で聞いてしまう。
「やっぱり、やめよう。over end contents.は俺の友達なんだ。あれを砕いてしまったら死んでしまう」
「はぁ?」
尖った言葉を出した瞬間にイラついている事に気づき、小さな声で「ごめん」と俯く。
雷太の気持ちとは裏腹にcontents.が暴れるのをやめようとしない。周辺は瓦礫が散乱し立っている建物があれば崩してゆく。
拳を握りしめ中から光が漏れ出す。
「雷太の話を聞いて戦いたくはないが、わたしは……ただ戦いたい。それに、歩美や風音の奴や、色んな奴とまだ暮らしたい。だからover end contents.を滅ぼしに行く」
魔女の持つ箒に乗って地上へふわりと降り立つ。




