干渉
魔法陣に包まれて学年全員で飛ばされたはずだった。
しかし今、水城と西方、佐々木の三人だけで真っ白な空間にいる。
「まさか俺らだけ召喚に失敗した挙句シベリア送りなった訳じゃないないよな」
「そんなことあってたまるか」
「死ぬまで木を数えるのはごめんだぞ」
思いついたことを口にすると二人ともツッコミをいれてくれたので、二人ともこんな状況でも冷静さを失っていないようだ。
誰もパニックになっていないことに安心していると徐々に吹雪が収まってきた。そして吹雪が収まった時三人は息を飲んだ。
そこにはクレムリン宮殿やライヒスターク、ヴェネツィア宮殿、安土城など古今東西様々な建物が並んでいた。
「素晴らしいものだろう」
目の前の光景に釘付けになっていると、突然後ろから声をかけられた。
恐る恐る振り返ってみるとそこにはあのソビエト社会主義共和国連邦二代目最高指者、ヨシフ・スターリンが立っていた。その横にはドイツ第三帝国総統、イタリア王国二十七代目首相など沢山の独裁者達が立っていた。その後ろにはNKVDやシュタージなどの服装をした人達が並んでいた。
「まぁ、そう怯えるな。時間がないから早速本題に入るぞ」
そう言って同志書記長は三人をここに呼んだ理由を説明し始めた。
彼の話をまとめると俺たち三学年を召喚したのは神聖アルビオン王国の女神アルラス。魔族や亜人、獣人、ドワーフ、エルフそして無神論者と戦うため召喚した。
この世界では、様々な種族がお互いを敵視し迫害しあっており人類は人類同士でも様々な理由でいがみ合っている。
様々な種族や国が勢力争いをしているが、その実態は神々による代理戦争に過ぎないのである。ほぼすべての国は国教を持ちその神の配下になっている。この世界にも無神論国家が存在するが植民地になってしまっている。
この世界に人間による人間のための無神論国家を建国するために無神論者である水城と神の存在を否定はしないが信仰しない二人をここに呼んだみたいだ。
そして元居た世界では俺たちは爆弾テロで死んだことになっている為帰れないらしい。
同志書記長が話終わった後三人でこの依頼を受けるか相談することにした。
「どうする、この依頼受けるか」
「遊星、俺は同志書記長の依頼を受けることにするよ。元の世界には戻れそうにないようだし。笑悟はどうする」
「断ってもシベリア送りにされそうだし受けるよ」
「じゃあ俺も受けることにするよ。お前ら一緒にいたら面白そうだし」
「後悔するなよ」
「決まったようだな」
「はい同志書記長」
「ここからは、私が説明しよう」
総統閣下は今後の流れについて説明し始めた。
「これから諸君らは神聖アルビオン王国に召喚される。召喚される人間は本来召喚する神によってスキルを与えられるのだが西方と佐々木と違い根っからの無神論者である水城には、スキルは与えられないだろう」
「そこでだ、我々が君にスキルを授けるとしよう」
「君には、人類が開発してきた物を召喚出来るスキルと魔法を無効化出来るスキルを授ける。両スキルとも無制限に使用出来るわけではなく様々な制約があるが力になるはずだ」
「ありがとうございます閣下」
「最後に諸君らの称号は異端者、水城には無神論者もつくだろ。召喚後に行われるステータス鑑定でほぼ確実し、何かしてくるはずだ。我々も出来る限りの支援はするがあまり期待しないでくれ」
「分かりました」
「それじゃあ準備してくれ」
総統閣下の説明が終わったので言われた通り準備を始めた。マカロフPMとマガジン2つ、6kh4銃剣を召喚しブレザーの内ポケットに入れた。
「準備は整ったようだな」
「はい」
「これから激しい戦闘が予想されるが諸君らなら乗り越えられると信じている」
「それでは諸君、健闘を祈る」
総統閣下がそう言うと三人の足元に魔法陣が現れ包み込んでいった。
軍事解説
マカロフPM
トカレフTT-33の後継として開発され1951年にソ連軍に正式採用された自動拳銃。
トカレフTT-33には無かった安全装置が装備されている
6kh4
6kh3の発展型
6kh3からの変更点は鞘が先端以外ベークライトで覆われ、グリップ後端が直線になり着剣機能が追加された。
AKMやAK-74などで使用された。
皆さんお久しぶりです投稿主です。
世界観をまとめるのに時間がかかり投稿間隔があいてしまいました。次回からは一週間おきに投稿出来るよう頑張ります。
今回は文法の間違いがかなりあると思いますので指摘していただけると幸いです。
今後とも本作品をよろしくお願いいたします