プロローグ
水城真、高校三年生18歳。身長173cm体重56kgのミリオタ。
彼は今修学旅行で京都の旅館に来ている。
「いただきます」
実行委員と教師の長い話しが終わり、ようやく晩飯にありつけた。バスが時間通り来る事を前提に計画を立ててしまった為予定していた電車に乗れず昼飯を食べることができなかった。食べられたものと言えば金閣寺の売店で買って食べたみたらし団子だけだった。当然みたらし団子ひとつで食べ盛りの男子高校生の腹を満たせるわけがなかった。
更に空腹の状態で歩き回ったため同じ班の班員の腹は限界だった。そのため実行委員と教師の長い話はもはや拷問だった。
「なぁ水城、M4A1のエアガン買っただけどお前もサバゲー始めないか?」
「サバゲー始めたいけどお金ないんだよな。PMCみたいな感じの装備なら再現できるかな。服装は私服の上にタクティカルベスト着て、銃はAKM、MPi-Kか56式にすればそれっぽくなるだろう」
「それじゃPMCじゃなくて民兵だろ」
サバゲーを始めてみないかと誘ってきた彼の名前は西方遊星、俺と同じミリオタだ。瘦せ型の俺とは違いがたいがいい。
「確かに最近のPMCは正規軍並みの装備を持っていることも珍しくないからな。戦闘機や攻撃機、戦車や歩兵戦闘車を所有しているPMCもいるぐらいだから」
「民間企業にそんな物持たせたらダメだろ」
「むしろ持っている方が国からしても都合がいいんじゃないか」
「PMCの利点は社員の戦死や負傷が公式発表に含まれ無い、正規軍と比べて費用が安い、あくまでも民間である為国際的な批判を受けづらい。そんな組織に正規軍並みの装備を持たせたらとても使いやすい軍隊になるからな」
PMCについて解説しているのは佐々木笑悟、成績優秀で政治と歴史が大好きでブラックジョークが通じる奴だ。
彼の特徴はとにかくお喋りであることだ。
周りに「オタク君さぁ」と思われながらも修学旅行に来もずっと政治や歴史、軍事、ブラックジョークを語って3人盛り上がっている。
「俺、米おかわりしてくるわ」
「お前ほんとよく食うよな」
「仕方ないだろ昼ほとんど食えてないんだから」
そんなこんなで晩飯を食べ終えると実行委員がこの後の予定について説明をしていたその時、床に魔法陣らしきものが現れ光始めた。
「何が起こっているんだ」
「なんでドアが開かないんだ」
「俺、遂に夢にまで見た異世界に行けるんだ」
困惑するもの、ドアを開けて逃げようとするもの、浮かれるものなど、様々な反応をしているうちに光が部屋を包み込み爆発した。
魔法陣は学年全員を消し去った後に爆発したため200人以上が消えたこの事件は修学旅行を狙った爆弾テロとして処理された。
軍事解説
PMC
民間軍事会社の略
前線から後方支援、軍事訓練など様々なサービスを提供する会社
M4A1
M4カービンの改良型。
三点バーストがフルオートに変更されている。
AKM
AK-47の改良型。
外見上の違いで分かりやすいのは、竹槍状のマズルブレーキと直銃床、ハンドガードに掘られた溝などである。生産性も向上している。
56式
AK-47の中国生産型
世の中に出回っているAKの多くがこの型
外見上の違いはフロントサイトがSKSと同じ物に変更され、銃剣先端に銃剣が取り付けられている。(銃剣は取り外されることがよくあったらしい)
MPi-K
AK-47の東ドイツ生産型
外見上の違いはスリングが細く取り付け位置が変更されハンドガードと銃床がブナを使った単材になっている。
本作品を読んでいただきありがとうございます。
初投稿なので誤字脱字、文法の誤りなど多いと思いますがよろしくお願いいたします。