episode021 宿屋で
「とりあえずこの3つの本を使ってみるか。」
そうして俺は3冊の本を使用したのだった。
【スキル:万能者/破壊者を獲得】
【特性:不死者を獲得】
【称号:勇者を獲得】
「称号と特性が色々やばくない?」
俺はそう思い即座に鑑定したのだった。
【不死者】
効果
頭部、心臓部、核の全てが破壊されない限り死なない
破壊されてもHPが残っていれば蘇る
【勇者】
効果
補正されている補正値分プラスする
聖属性を強化する
邪悪なる気配に即座に気がつく
「みるからにめんどくさいやつじゃん。
今まで以上にチート臭すぎるじゃん。」
ついでにスキルも鑑定するのだった。
・万能者
効果
全ステータスに50%の補正
全てのスキル、魔法、武器を、
一度見たらある程度再現ができるようになる
・破壊者
効果
STRに5000%の補正
破壊行動時破壊効果倍増
破壊現象強化
物理限界突破
「うん。思ったんだけどスキルの最後に者ってつくスキルって以上な効果を持ってるの多くない?」
色々なスキルを持っていたりするが、
者という文字がスキルの最後についているスキルは異常なほどの、
特殊性を持っていた。
「まぁ考えるのは後でにして、
一旦身支度してから、
再度この迷宮に挑み直そう。」
そう決めて転移ゲートまで向かい、
迷宮から出るのだった。
「というか、なんで絡んでくる人が多いんだろうか。」
自分はふとそう思うのだった。
「やっぱりこの見た目がいけないのかな。」
自分の姿は華奢で男とも女とも見れるような体型そして顔つき、
声全てが中性的すぎていた。
「これがいけないのかな。」
自分はあんまり問題ごとを持って来られるのは好きではない。
まぁ自分で問題を起こす分には楽しいからいいが、
予測できない問題が絡んでくる可能性も考えたら問題を持って来られることは、
最大限避けた方がいいはずだ。
だからこそ今のスタイルを変えるべきか。
「こういう時に仲間とかいればいいんだけど、
自分が特殊すぎて仲間も作りにくいんだよな。」
そう、
自分が一応魔物な訳で
このことを知った奴らは何を考えるかわからない。
だから避けるしかないのだが、
「亜人とかいる世界だからなぁ。
智慧者はあくまで文献とかそういうものしか反応しにくいからな。」
そう智慧者を使っていて気が付いたが、
基本的に智慧者は文献などから、
もしくは世界のシステムこの二つの視点からの情報が多い。
だからある程度の一般常識がわかっていても、
無意識下にある常識などは気が付きにくい。
だから俺が知らないことも存在する。
もしも自分を亜人と区別したら、
竜人もしくは蜥蜴人と呼ばれるだろう。
だがそんな生物は生命体は、
広く知られていない。
知っている人が少ないということは、
実験や研究のモルモットになりやすいという訳なのだが、
「びびりすぎていても楽しみたいことも楽しめなくなるしな。」
それが切実な思いだった。
この人生?と言っていいかわからないこの生活は、
結構楽しい。
自分のしたいように生きて。
そしてやりたいように生きれる。
地球に住んでいた時じゃあり得ないようなことも起きている。
弱くても努力をすれば強くなれる可能性がある。
日本は能力があっても運が無ければ有名にも、
人気者にもなれない。
けどこの世界は違う。
努力をすれば力が手に入り、
力があればより強者を目指す。
そして迷宮を攻略したり、
有名な魔物を討伐すれば即座に有名そして人気者にも容易になれる。
そして俺は魔物な為、
法律という縛りもほとんどない。
「っと。」
気がつけば宿屋までついていた。
「今回の宿屋はどんなのなんだろう。」
そう。
前の宿屋みたいに地雷が無ければいいが。
「いらっしゃい。
うちは泊まるだけだと銀貨1枚だよ。」
「それじゃ今日だけ。」
そう言って銀貨1枚渡した。
「それじゃ部屋左から2番目の部屋だよ。」
言われた部屋に向かった。
そして部屋に入った。
「これが普通の宿屋か。」
そう呟き、
インベントリ内の整理をしようとする。
「多すぎだな。
というか魔道具とかいらないし、
スキルブックも正直いらないかな。」
そうスキルブックがあっても自分はSKPを使用してスキルを獲得できるため、
あんまりスキルブックの必要性を感じられなかった。
「残り1レベルで進化か。」
レベルが199までなっていた。
おそらくだがあの宝箱の魔物の経験値が異常なほど多かったんだろう。
いやきっとそうだ。
「でもなぁ武器とか使う気になれないんだよな。」
自分は武器はあんまり好みじゃなかった。
なぜならば種類が多いわ、
1番簡単なのが槍なのだが、
槍を使うよりも、
体術の方が自分にとって優秀すぎたのだった。
「体術がある程度カバーしてくれるし、
最悪魔法でなんとかできるからなおさら他の武術スキルが入らなくなるんだよな。」
自分はそう言って
「生産スキルも欲しいけど、
この大罪系スキルとかも集めたいな。」
そう。
この大罪スキルが今1番気になるのだった。
今のところ効果無しのスキルだけど、
きっと使い道があるだろ。
自分はそう確信しているのだった。




