episode019 宝の地図
「お前、冒険者ランクいくつだよ!」
相手は足を震わせながらそう言ってきた。
「1番下。」
「嘘つくんじゃねぇぞ!」
「いやいやほんとだよ。
だって今日登録したばっかだもん。
それで最後の遺言は何かな?」
「俺のパーティーが来るぞ俺を殺したら。」
「それがどうしたの。」
「そ、それに犯罪歴が残るぞ。
それでもいいのか?」
「誰が直接殺すって言ったの?
簡単だろ。殺し方なんて。
ここは迷宮だぜ?
魔物に殺されるかもしれないだろ?
安心しろ遺体は残らないからさ。」
俺はそう言った。
先ほどこいつを鑑定したところ、
強姦、強奪、恐喝などなど犯罪歴は数え切れない。
というか俺は魔物だから人間の犯罪歴確認は通用しない。
最悪全てを捨てて逃げればいいだけだし、
そしてまた数十年逃げ切ればいいだけ。
そんな簡単なことだった。
「まぁそんなわけでさよならだ。」
俺はそいつの首を刎ねた。
だが罪悪感は一切なかった。
おそらく精神も魔物側に少し寄っているのだろう。
まぁ何もしていない普通の人は殺す時には罪悪感は湧くだろうが、
こんなクズには一切罪悪感は湧かないな。
「ふぅ。
というか人間て経験値多いのな。
まぁこれは魔物だからか。
そういうことか。
魔物は進化するために人間を襲うのか。
これを考えたやつは面白いな。
智慧者に聞けばすぐわかっただろうけど。」
そう最後に呟きながら宝箱のある位置までやってきた。
「とりあえずこれをここにおけばいいのかな。」
そして宝の地図を地面に置く。
すると地面は光だし、
魔物が生まれた。
数は50。
平均レベル60。
上位種の数20。
「かなりヤベェな。
こりゃ自重してる場合じゃないな。」
自分に縛りを設けたら死ぬと思った俺だった。
「まずは空中の奴らからかな。」
そういい上を見上げた。
「とりまハイグラヴィティエリア」
そう言って自分を中心に半径75mの範囲の重力を10倍にした。
つまり生半可な遠距離武器は使用不可になった。
「ってマジかよ。」
そう思ったが相手の魔物は重力を無視して襲ってきた。
「そんなのアリかよ。」
反発。
上位種のステータスにはそう書いてあった。
「いくらなんでもってそういうことかよ。」
その上位種は味方からの回復魔法も補助魔法も。
全て反発して無効化していた。
「メリットも多い分デメリットも多いと。」
だが空を飛ぶ敵がいなくなったのは嬉しい。
的が多くはなったが命中しやすくなった。
「上位アンデット生成:デスナイト」
死霊魔法と闇属性魔法の融合魔法を使用し
ほぼ脳筋ステータスのアンデットを召喚した。
「とりあえず全員やれ。」
そういうとデスナイトは動けない魔物の頭を斬り飛ばしていった。
「これで上位種のみに集中できるな。」
そう言って上位種に意識を向けた。
そして手を向け標的を指定する。
「ヘルファイア」
消えない地獄の炎。
それを上位種全員に与えるのだが、
「やっぱりいるよな。」
鑑定で2体は確認できていた、
炎属性完全吸収もち。
「嫌になるなこういうの。」
そう言って残った2体を殺そうとする。
「まさかの融合ってそういうことかよ。」
先ほど殺した上位種と2体の上位種が融合し一体の魔物となった。
「ヤベェな。」
ステータス。
レベルありとあらゆる分野で負けたステータスになった。
「これは予想外すぎだわ。
というかなんでこうなるのかな。」
だがここで負けたら俺は死しか待っていないので、
全力で足掻くことにする。
「とりあえずデスポイズン」
効かないとは思うが状態異常攻撃を与える。
「これだったら魔境でもうちょいレベル上げてきたらよかったな。」
そう思いながら智慧者からこいつの倒し方を調べる。
「マジかよ。
魔石潰すって。
それもどこかわからない。」
試しに全体感知で魔石を探ってみるが、
ダミーらしき魔石を感じられた。
「頭よすぎるだろ。
とりあえず上位アンデット生成:デスナイト/リッチ
それとゴーレム生成コアはこれで生成。」
そう言って高純度鋼鉄を使用してゴーレムを作って戦わす。
そしてその間に魔石を見つけるっていう作戦なんだが、
「上位アンデットが瞬殺ってなんでだよ。
というかこれ絶対俺倒し方ミスっただろ。」
そう智慧者曰く今回の宝の地図のレベル6とは
ここまで強くないのだ。
「まぁ口を言っても仕方がない。」
そう言ってとある魔法のため魔力を空中に留める。
「いやぁ恥ずい詠唱が必要だから使いたくないけど、
まぁいいか。俺が死ぬよりかマシでしょ。」
そう言って智慧者から詠唱を教えてもらいながら詠唱を開始する。
「万物は神の名の下
全ては造られた
創造神により世界は造られ
魔神により魔法を教えられた
全ては我らが神によるもの
神よ今力を貸してください
風神よ、水神よ力を合わせ、
敵を穿て
神の名により使用を許可する
限界を超えしその魔法を
ドラゴニックメテオラッシュ」
すると上空20m上から
龍の顔をした隕石ら100位標的に向かって落ちた。
一応隠蔽魔法と結界でこの光景を見れないようにした。
じゃないと問題になるからね。
だがそのおかげでどうやら倒せたようだった。
でもその代わりゴーレムは隕石に巻き込まれた無くなってしまったのだった。




