episode014 迷宮都市
目が覚めた。
やはり誰にも邪魔されない起床。
これは最高だな。
今ならニートの気持ちがちょっとわかる。
なぜならこんなにも気分よく目覚めることができるのだから。
とまぁ朝の独り言はこのぐらいにして、
防衛都市アラクネとは真反対の位置の都市に向かうことにした。
まず一つはあの冒険者たちから逃げるため。
その二迷宮都市とやらがあるらしい、
つまりレベル上げに使えるというわけだ。
知恵者でそのことを知った俺は早速向かうことにした。
っとその前に工房系スキル取るか。
俺は錬金工房というスキルで散々邪魔されたので
俺も試しに獲得したくなったのだった。
【スキル:錬金工房/実験工房/研究工房/機械工房/鍛治工房を獲得】
【スキル複合:生産工房を獲得】
【称号:工房主を獲得】
【特性:生産上手を獲得】
なんかえらいことになったな。
でもこれで自分だけの空間ができたってわけだな。
それはとても有難いことだしこれからは最大限利用しよう。
そう決めて俺は人化するのだった。
「やっぱり元人間としてこっちの姿の方が落ち着くな。」
そう呟いてインベントリから密かに買っていた、
男ものの服を着る。
やはりしっくりくるものだ。
「それにしてもこの装備どうしたものかな。」
一応装備は買ってもらったが、
さすが冒険者というべきか、
おふざけ要素が一切ない。
まぁ下手すりゃ死ぬ恐れもるからな。
そう思うと装備だけはしっかりしていたのは、
冒険者そうとしか言えなかったのだった。
「それにしても職業魔拳士か、
みならいといえど元のステータスはしっかりしてるからまぁ大丈夫でしょう。」
俺は装備をしっかりと着て空を飛ぶ。
初めは慣れなかったが、
今となってはかなり気分がいいものだ。
「いや、まだ俺トカゲだもんな。
これが竜になったらどうなるんだろうか。」
自分の竜の姿を思い描きながら飛行していたら、
思いのほか早くついたのだった。
そして長蛇の列に並ぶのだった。
「やっぱり並ぶのめんどくさいな。」
そう呟くと
「そうですよね。
でも仕方ないですよ。
こういう都市では犯罪者がいれば問題になりかねないですからね。」
「あ、あぁそうですか。」
「どうも。この街で商会を営んでいるドートンと言います。」
「そうですか。それでその商会長が何ようですか?」
「いやね。君の着ている装備がいい物だったので、
ランクの高い冒険者なのではないかと思いましてね。」
「あぁ。この装備ですか。
これはですね、1週間くらい前にですね、
ショタコンのAランク冒険者に絡まれてその時に腹いせで、
高いくて性能のいい装備を頼んだらそれ以上を送られて、
自分は貞卒が危うくなったので現在逃げてこの場にいるって感じです。」
「そうなんですね。それはご苦労様です。」
「Aランク冒険者から逃げるために飛行石を渡してくれましてね。
それでこの町まで逃げ込んだんですよ。」
「よく渡してくれましたね。
そんなにも貴重なもの。」
「そうですよね。
まぁその飛行石もこの街にくる近くで壊れたので、
手元にはもうなくなっているんですけどね。」
「そうですか。」
「まぁでも容易に人を信じることはやめた方がいいと学べたのでいいのですけれど。」
「冒険者の割には口調が丁寧ですね。」
「いやぁそうですかね。
おじいちゃんが綺麗な口調だったのでね。
自分もおじいちゃん子だったもんで。
それがうつったんだと思いますよ?」
「それはよかったですね。
貴族とかになると口調が悪いとキレる人もいますから。」
「そうですよね。
まぁ自分にはそんな腕はないんですけれども。」
そんな感じで喋っていると気がつけば列はなくなっており、
検問は俺の番となっていた。
それにしてもサラリーマンの時の癖が抜けないな。
俺はそう思うのだった。
そして俺は無事にこの街に入ることができたのだった。
「それじゃ早速ギルドにでも行きますか。」
衛兵にギルドの場所を聞いたのでギルドに向かうのだった。
そして冒険者ギルドに着いた。
「やっぱり冒険者ギルドの見た目は変わらないな。」
智慧者曰くどんな馬鹿でも冒険者ギルドとわかるように、
ほとんど同じ作りらしい。
逆を言うとそこまでしないといけないほどに、
冒険者は馬鹿扱いされていると言うことだ。
「あのすみません。」
俺は1番空いていた受付に行った。
「はい、なんでしょう。」
「迷宮ってどこに向かえばいいんでしょうか。」
一応確認のため聞く。
「街の中心にありますよ。
ギルドを出て少ししたら大通りがあるので、
そこを真っ直ぐいけば大丈夫だと思います。
一応気をつけてくださいね。」
そう言われた。
「わかりました。
大丈夫ですよ。
潜るったって1層や2層くらいですから。」
「本当にそうしてくださいね。
若いから英雄に憧れて死にゆく人を見るのはうんざりなんで、
くれぐれも死なないでくださいね。」
そう言われた。
まぁこう言う場所で働いていたら、
人の死というものは身近だろう、
けれどもそれは仕方のないことと割り切るのか、
はたまた死なないよう支援する。
この二つに分れるんだな。
そう思うのだった。




