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邪武器の娘  作者: ツインシザー
プロローグ
9/222

 オレは経験値(?)というものの味に酔いしれていた。


 うみゃあああぁぁぁ!

 ぎんもじいぃぃいいっ!


 そうだ。オレはモンスターだった。オレが敵を倒せば経験値が得られる。

 他のイビルウェポンと違って浮遊できないからこれまで敵を倒せなかっただけで、こうして使ってもらって敵を倒せば経験値を獲得できるのだ。


 というか、シアが使ってくれてりゃわかったことなんだけども。

 ケツ部分に長い柄をつっこまれた・・・早い話が刃部分が大きい槍として使われている。

 オレは帰宅することにしたらしいリザードマンの手に握られ、5層以上の敵を屠っていた。


 これが経験を得るということか・・・。充足を覚える。このためにオレは生まれてきたのだ。

 しかしこの経験値、どう使うんだ?。溜まれば勝手にレベルアップするのだろうか?。


 オレは自分の中に”可能性の塊”と呼べるナニかがあることがわかっている。

 けれどそれをどうしていいのかがわからない。

 ただ一度だけそれを使ったことがある。

 始めの縦穴で赤毛が芋虫を攻撃した時だ。あの時俺はとっさに抜けないように自分の形状を変化させたのを覚えている。

 なら同じことができるのではなかろうか。


 欠けた刃を埋める。

 うまれー

 うまれー


 埋らなかった。

 オレの刃の片方は大きく欠けたまま、無残な姿をさらしている。

 まぁ自分の姿が見れるわけではないのでリザードマンたちの様子から察しただけだが、欠けているのは心もとない。

 どうにもできないならあきらめよう。


 あぁ、逆にもう反対の刃にも切れ込みを入れて左右対称にしてみるとかどうだろう。かっちょいいかもしれない。


 もにょっとオレの中の可能性が減った。


 ・・・・・・おい。


 まて、戻す。キャンセル。キャンセルです。

 ・・・・・・


 キャンセルが効かない。

 なんかこう、質量を増やす方向は物理的に不可能ということか?。減らす方向でしかオレの形状を変えられないのかもしれない。

 刀身を短くして穴を埋めてくれてもいいんだぜ!

 ・・・・・・ダメか。


 刃はオレの命。短くできないのかもしれない。

 切れ込みを望めば増える。

 あ・・・・・・・・・・・・キャンセルで。


 アッー・・・・・・


 こうしてオレはイビルな感じの形状になっていくのだった。




 異世界の空は同じ、青と白に彩られていた。

 オレたちは洞窟から出てきた。


 洞窟の入り口は木の根っこの影にあって、根っこの廊下の中を歩くような不思議な入り口だった。

 オレはリザードマンの持つ槍として。シアは腰に下げられた荷物として。

 自分たちの生まれた故郷に別れを告げ、お天道様の下を歩く。


 外の世界は洞窟よりもゆったりとしていた。

 モンスターが出ないし、リザードマン達もピリピリしておらず余裕がある。

 いや、モンスターがいないわけではない。道中角の生えた犬とか牙の生えた豚とかみかけた。

 しかしこちらに寄ってこない。

 洞窟と違ってモンスターはモンスターの生活を大事にしていた。


 オレの経験値が入らなくなったのは悲しい。

 しかしシアの安全は高まった。


 うむ。

 良かった。

 良かったぁ。


 まだリザードマンが何を考えてシアを連れているのかわからないが、敵対的でないというだけで十分だ。

 戦士としての教師役にも期待している。


 今のオレでは教えられなかった部分だからな!(←元運動不足ニート)

 あーオレの活躍を見せたかったなーほんとなー

 スイマセンっした。そんな目で見ないでくださいシアさん。


 こうしてオレ達の初めてのダンジョンは終わったのだった。

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