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邪武器の娘  作者: ツインシザー
人間領
87/222

調査隊2


 さて、そんなわけで調査隊による調査が始まった。

 何事も最初が肝心、ということで、それぞれの役割を確認しつつゆっくりとダンジョンを進んでいく。

 さっきシアの参加を反対していた大工のおっちゃんがチラチラとシアのことを気にしている。

 なんだろうなー謝ってくるのかなー

「どうでもいい。」

 まぁ、そうだな。こっちはやることをやるだけだな。


 シアのやることは少ない。トラップ探索係りの後をついて歩きながら路や家屋内を見て廻るだけで終わりである。

「ん。あそこ」

 シアが指をさす。何かみつけたようだ

「大丈夫、何もないよ」

 トラップ係りのお姉さんがトラップの有無を教えてくれる。

「・・・コイン」

 換金用の金貨か。3枚目だな。

 建物型のダンジョンはどの難易度でも金貨だけなのかね。もうちょいいいもの落ちてないかなー。


「・・・・・・ねぇ、あなた、シアちゃん。気にしない方がいいわよ」

 トラップ係りのお姉さん・・・確かメルビレアさんだったか。本業は冒険者で投げナイフの使い手だとか。

 メルビレアさんがシアを気遣うように寄ってきた。

「私も経験があるからわかるの。レアスキルっていうだけでいろんな冒険者パーティーに呼ばれるし、いざってときはこうやって国の都合で呼び出されたりね。でもね、あの人も言ってたけど、シアちゃんは子供なの。あの人は子供だからそれを心配していたのよね。いじわるしたかったからじゃないのよ。あの人はいい人だったけれど、本当に怖いのはシアちゃんをレアスキル持ちだから、って利用しようとする人間よ。私がそうだったの。レアスキルってことにうかれて、身の丈にあっていない難易度のダンジョンにつれていかれてね、死にそうになったり、仲間から足をひっぱってるって言われたり、本当にひどい目にあったわ。だからね、勘違いしちゃいけないの。あなたのレアスキルはあなたの能力じゃないの。たまたまなのよ。たまたま授かっただけで、それはあなたの実力じゃないの。そのことをわかっていないと、他人にいいように振り回されてつらい思いをすることになるの。だからね、シアちゃん、いいよってくる人間には気を付けないとだめよ」

 ・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・」

 ・・・・・・はっ


 ええと?ちょっと何いってるかわからなかったんだけど。

 ゴメン、思考が途中で停止してた。

「・・・レアスキルで不幸になったわ、の人」

 そうそう。

 レアスキル不幸だわーって言いながら上から目線の人。

「シアちゃん、わかってくれたのね?」

「・・・・・・」

 シアが心底嫌そうな顔をしている。

 うん。オレから見てもこの人苦手だわ・・・

 これからしばらくこの人といっしょに行動しないといけないとは、シアの苦労が思いやられる。



 メルビレアの不幸自慢はまだまだ続いた。

 親身にシアの心配をしているようで、その実は身の丈にあってない評価だから勘違いするな?というシアへの苦言だった。


 ”苦痛耐性”が新しく増えた。

 それに”毒耐性”も上昇した。

 精神修養しにきたのではないのだが。

 今日一日で大体町の1/8くらいは見て廻っただろうか。初日だから効率は良くないとしても、これがあと何日間続くのか・・・

「パパ・・・死んだら、骨をひろってうめてください・・・お嬢様の部屋の下に」

 冗談が言えるなら大丈夫だ。

 というか、シアが冗談を言うということが、すでにおかしい。

 これは相当精神にきているな。

 即急になんとかしなくては・・・



 対策としては”もう一人いれる”だった。

 二人で行動しているから、メルビレアの話を永遠聞かされるはめになるのだ。ここにもう一人、誰か緩衝材になれる人を置くしかない。

 そこで目をつけたのがパッチルだった。


 次の日、ダンジョンのことを詳しく知りたいと言うと、本来の仕事もそこそこに、シアに自分の知識を教えてくれるようになったのだ。

 もっぱら聞くだけだったが、シアとパッチルが会話をしているとメルビレアからの干渉がほとんどなくなった。

 かわりにパッチルとのかかわりが増えるのだが、このじいさん、研究者というだけあって話の内容が面白い。


 ”ダンジョン”というもの自体がなぜできたのかという考察から始まり、ダンジョンの可能性、ダンジョンを生産に役立てる方策など、いろいろ聞かせてくれた。

 オレたちがやってみてもいいかな、と思ったのは魔素の濃い場所に防具を埋めておくというものだった。

 というか、割とメジャーな魔道具の作り方だったが、パッチルのやり方はもう一段穿っていた。


 きれいな品を埋めるのではあまり意味がない。

 ダンジョンはその道具を自分の物にするとき、破損していると修復する機能があるらしい。

 修復にはもちろん魔素が使われる。魔素を大量にあびれば、その道具は魔道具になりやすいというものだった。


 防具の魔道具欲しかったんだよなぁ。店売りのもあるけれど、武器の数倍は値段が高い。冒険者は生命線に金をかけないせいで高騰&品薄なのだ。

 今から埋めれば数年後にはいいものに変わっているかなぁ。

 埋める場所もシアには見つけられる。魔道具を拾った場所にそのまま魔道具にしたい道具を入れておけばいい。

 これで高確率で発見されずにそのままにできる。

 面白そうだ。


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