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邪武器の娘  作者: ツインシザー
プロローグ
8/222

洞窟4

 ダンジョンはまだ続く。


 オレとシアが通ってきた、卵から還った場所への穴。

 リザードマンの体躯では通れませんでした。


 発見はされたが入ってみようとは思わなかったらしい。

 今は別の穴を探索している。


 この洞窟、階層を下がるごとに敵が強くなってゆく。

 スライムのいたあの場所は第1層といったとこか。

 今は4層(仮)。

 魅了攻撃を持つ『ラミア』が現れる階層だ。


 ラミアの魅了は隊列の前列にしか効果がない。

 よって、ラミアが現れ、魅了攻撃の準備をしはじめたらリザードマンはシアを前列に、3リザードを後列に配置する。

 これで一切のデメリットなく、敵の攻撃を回避できるのだ。


 アホとちがうか。


 なにやっての。なにやってんのーっ!?。

 それ、そう使うアイテムじゃねーから!

 うわぁシアが魅了されてるぅぅぅぅぅうっ。パパそんな彼女許しませんからっ。うちのシアが欲しくばオレを倒していけ!。


 そして再び魂の質が上がった。

 魅了耐性か。

 状態異常にはそれぞれ耐性があるようだな。うまうま。

 そうしてマップを全部埋め、獲れるものをとり終わったら次の層にいく。


 5層――ケンタウロスと火の玉が現れる。


 ケンタウロスは弓を。火の玉は火炎の玉を飛ばしてくる。

 ここで初めて『スキル』と『魔法』というものを目にした。

 ケンタウロスと火の玉だけではない。魔物の攻撃を薙ぎ散らすのにリザードマンもスキルを使う。槍を横凪にすると数メートル先まで風の衝撃波が現れるのだ。


 すげー!。

 そうだよね。ファンタジーだもんね。あるよねそういうの。

 いいなーシアに覚えさせたい。


 スキルはクールタイム(再び使えるようになるまでの待ち時間)か消費ポイントの回復待ちなのか、探索にかかる時間が遅くなった。

 けれどおかげでリザードマンの連携が良くわかった。


 スキルを使う順番が決まっているらしく、初めにスキルで遠距離攻撃を散らす役、散ることを信じて敵に突っ込む役とわかれている。もう一体は何をしているかというと、これがリーダーらしく、二人の補助をしたり指示を出したり後方への警戒をしていた。ちなみにシアはこのリーダーが腰に下げている。

 オレは二人目のリザードマンの背中に、ダンジョンで拾った武器や防具といっしょに一まとめにされていた。


 シアは下げられた腰からリザードマンを見ていた。

 そのスキルを。その戦闘方法を。

 目をキラキラさせながら。


 6層――とうとうリザードマンのスキルが通じなくなる。

 ミノタウロス。牛の頭をもった筋肉の獣人の住処だ。


 槍から放たれるスキルの衝撃波はミノタウロスの巨大な斧の一振りで打ち消される。距離をとることで少しずつ傷を負わせることができるが、斧がかすめればそれだけで致命傷になる。


 長引く戦闘に別のミノタウロスが横から現れた。一体のリザードマンが斧で二つにされた。

残った二体はすぐさまきびすを返し逃げ出した。

 ミノタウロスは逃げるリザードマンに大ぶりの一太刀を振り下ろしたあと、追ってくることはなかった。


 圧倒的強者


 二体は上の階層への穴までまっすぐに駆け抜けた。

 荒い息を上げながら、彼らは振り返る。


 いったい何が彼らをそこまで駆り立てるのか。仲間を失ってさえ、探索を完全にあきらめていないようだった。

 ただ、今回はもう探索は終わりだろう。

 仲間の一人と、拾ったいくつもの装備が壊れてしまった。


 ミノタウロスの最後の一振り、それは二人目のリザードマンの背負う武器防具の大半を切り裂いて、リザードマンに大きな衝撃を与えていた。

 リザードマンの胴体が二つに分かれなかったのは、ぶっちゃけオレのおかげである。

 他の装備をやすやすと切り裂いた攻撃は、オレの刃で止められた。オレの刃を大きく欠けさせて、リザードマンの命を守ったのである。


 すごいオレ。グッジョブオレ。けど止まらなかったらと思うと恐ろしい。他の武器と同じようにまっぷたつにされていたらと思うと、背中が寒くなる。寒いのは刃がかけてるからかもしれない。

 このかけてる所が背中か・・・。


 オレ、死ぬところだった。

 やべー。


 ミノタウロスの攻撃を背中でうけたリザードマンは、その衝撃で武器を落としてしまっていた。

 背中には唯一攻撃を受け止めた武器が。そしてあとは壊れた武器のパーツが縄でしばられ、残っていた。


 リザードマンはしばらく考えそして


 合体した。


 長い柄にオレのケツがささる。あぁ、そこが尻だったのかという驚きと、あっけなく散らされるオレのハジメテ。

 いつかコロス・・・

 オレはそう胸に刻み込むのだった。

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