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邪武器の娘  作者: ツインシザー
プロローグ
5/222

洞窟

 穴の先は洞窟だった。終わりはまだない。


 ただ縦長だったさっきの洞窟に比べて今度は横に広い。

 ところどころに光る石があるせいか明るい。あれだな。ファンタジー。


 というかどうなってんだこの世界は。赤子が卵からうまれるし親は育児放棄なのか。生存競争すぎんだろ。

 というか、もしかして親はオレなのか?いやオレが子なのでは。この赤子が死んだらオレはここで一生転がっているしかできないのでは・・・?。

 やばい、オレやばい。この赤子に生命線にぎられてる。


 よし、なんとか赤子を誘導しなければ。

 とりあえずあれだ。なんか洞窟に生えているあれをさわってみよう「だー」

 いやちがう。オレにさわらせろということではない。ひんやりうねうねしていてキモチワルイ

 しかしこれは食べれるのではなかろうか。よし、少なくとも有機生物であるなら腹の足しになるだろう。そのままオレを使ってきりきざみ、食するがよいわ


 やつはオレをほおりだし、そのあたりを跳ねていたコオロギみたいな虫を追いかけはじめた。

 やめろ。あくまで考えたくなくてコオロギと評したがそれは具体的にはカマドウマに似ている。おい、聞け、追いかけるな、そしてつかむなもっとがんばれカマドウマ


 カマドウマはつかまり、そのままパクリと咥えられた。


 そうだ、考えてみれば歯がはえていない。カマドウマをたべやしないだろう。子供がなんでも口に入れるのと一緒で、口にくわえて感触をたしかめただけなのだ。

 やつは口の力でブチッとカマドウマの首をもぎ、たべた。ゴクリと腹にいれ、そのあと胴から下もちぎってたべた。「うーけっぷ」


 肉食生物赤子の誕生である。


 この洞窟は探すとわりと昆虫がいる。石の下にこぶし大のダンゴムシがいるし、壁や天井にはイモリやムカデのような生き物が這っている。カマドウマも時々跳んでくる。

 あとはスライムと思われる生き物もいる。

 ソフトボール大の黄色だったり赤だったり色のついた透明なプルプルした玉なのだが、それが昆虫をつつみこみ、ゆっくり体内で溶解しているのをみる。あれは食べれるのだろうか・・・溶けているのを見るとあまり腹に入れてよさそうには思えないが。


 だがオレの心配をよそに、赤子がスライムに興味を持ったようだ。近づいて「だー」と手を振り下ろした。


 パチンとスライムがはじけてとびちった。


 ・・・・・・

 液体がもどって復活したりはないらしい。

 スライムはそのまま死んだ。


 弱すぎだろう。

 せっかくモンスターモンスターしたファンタジーの生き物だぞ。もっとファンタジー世界を期待させる性能であってほしかった。


 ともあれ、赤子は何が気に入ったのか、スライムを見るとはじけさせる遊びをはじめる。


 あっちでパチン。こっちでパチン。

 オレの見えない場所までハイハイしていってパチン。

 十数ほどパチンして、なんとなくヤツのレベルが上がった感じがした。オレとあいつの間にある、なんらかの疎通できてる感覚。それが教えてくれるのだ。あ、今ステータス上がったぞ、と。ファンタジーの上にゲームシステム世界だったか。これは何とかしてステータス見たい。スライムを一撃できるってことは攻撃力が8くらいあるってことだぞ。この赤子、ラ〇アンより強いのでは!。


 そしてもう一つ気が付く


 ・・・・・・オレって不要なのでは・・・?。

 ・・・・・・

 使われてないなぁ、オレ。


 武器として生命を受け、転生体として赤子を導ける存在であるオレ。

 何一つ機能していない。


 あの赤子、勝手に育っていく。う、うん。手がかからなくてヨカッタネ。オヤバナレカナ。秒で。


 一週間たった。


 レベル2(仮)からレベル3になった。あまり伸びていない。どうやら昆虫では経験値が得られないようだ。近場のスライムを殲滅してしまったせいかレベルが上がらなくなってきた。


 まぁ経験値はあれだが、この赤子、育っている。一週間前と比べて育ったのだ。

 身長もちょっと伸びたようだが、何より歯が生えた。

 昆虫を食べるのにも苦労しなくなっている。ムカデもダンゴムシもサクサクだ。絵面はやばいがな!。

 育つ速度が速い気がする。そもそも生まれてすぐにハイハイしている赤子が異常でないはずがない。


 さて、毎日のハイハイで筋力もついてきたのか、ちょっとした段差も登れるようになった。

 いいことばかりではない。段差が登れるせいで転倒するリスクも格段に上がっている。あっ、ほらまた落ちた。


 あ゛ーんっという鳴き声が響く。

 言わんこっちゃない・・・よちよちいたくないでちゅよー

まったく、目を離してられないぜ。


 と?、レベルが上がった。

 どういうことだ?泣いてレベルが上がったのか?

 うーん。

 いや、まさか違うのか。

 ド〇クエ方式ではなく、個別ステータス方式だとしたら。


 スライムを攻撃して”腕力”が上がった


 段差から落ちて”耐久力”が上がった


 一つの山を越えれば全体のステータスが上がるのではなく、使った能力に応じてステータスが個別に上がるのだとしたら・・・。


 モンスターさえ倒していれば強くなれるわけではなくなってくる。

 モンスターとの戦いも経験という名の本当の意味での『経験値』にはなるだろうが、使わない能力は伸びないとするとこれは大変だ。

 この子を立派な戦士に育てるというオレの計画が暗礁に乗り上げてしまう。ちなみに戦士は今決めた。

 まぁオレが武器なのでこの子に使ってもらわないと存在意義が失われる。戦士というのはその意味でも重要である。


 赤子よ戦士たれ。


 とりあえず必要な能力の把握はしたい。

 力と防御と速度はほしい。HPもかな。あとはスキルや魔法によってはMPもだが、項目が多ければそれも上げなくてはならない。目星聞き耳なんかがあれば必須技能だろうしね。

 HPが耐久力に紐付いてればありがたい。転べば転ぶほど生存能力が高くなる。頭をぶつけてアホに育つかもしれないが、死なれてしまったらオレも詰む。それを考えれば好きなだけ転べと言うしかない。

 起き上がりこぼしのごとく何度も立ち上がれ。

 戦士とはそういうものだ(願望)


 もう一週間たった。


 ハイハイでレベルが上がった。おそらく速度か瞬発力

 石並べでレベルが上がった。おそらく知力か思考力もしくは器用

 あとスライムつぶしでまたレベルが上がったので腕力は4といった所か。

 初期値1なら4倍である。


 うん。いろいろおかしい。

 あとはつかまり立ちができるようになった。おかげで壁の生き物もよく食べれるようになった。

 が、そのせいかはわからないが、微妙に体調を崩すようになった。


 壁のイモリ。そう、こいつのせいである。

 食べた後しばらくして吐き気を催しているようなのだ。どうも人体に有用ではない成分が含まれているとみるべきか。


 ぶっちゃけ毒。

 弱毒といったところだろうか。

 あまり食べるな、と念話を送るがどこ吹く風。赤子は興味あるものを手に取り口に入れる。


 あー!ほらまた言わんこっちゃない。

 好き嫌いの無いいいこでちゅねー。ならそこの雑草食えよ。バランスよく食事しろよ。


 そしてまたもだえている。

 そのせいかレベルが上がった。


 いや何で上がる?まてまて、レベルじゃないぞ。微妙にレベルとは違う、何か魂の質が上がったような感じがする。

 毒耐性かな。

 もしくは異食能力獲得とかか。ずっとゲテモノ喰いだったからなぁ・・・。

 異食能力はスキルだろうか。夢が広がる。

 初スキルがそれってどうなのという気もするが。まぁいい、ゲテモノだろうと食べれればみんなう〇こだ。貴賤は良くない。


 様子見するとどうやら確かにイモリを食べて悶えることが少なくなっている。

 今後のことを考えるとありがたい。

 危ない橋を渡らずこうやって安全なとこから強化されていってほしい。

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