ダンジョンへ
ダンジョン攻略のために、お嬢様はまず初めに執事のジョージにお願いに行った。
なんでも初めてダンジョンへ入ったときについてきてもらったらしい。ヨボヨボに見えてこの屋敷で1,2を争う古強者なのだそうだ。
そして断られた。
「お嬢様、もうそろそろ私めの守りは必要ないでしょう。こうして新たな配下を得たのです、彼らと苦難を共にすることを学ぶいい機会ではありませんか。それにお嬢様も成長してお強くなられておりますから、きっと自信という心の強さを得られるとおもいますぞ」
ということを隣に立っているメイドさんに言っていた。
大分目がやばいらしい。
お嬢様はこれは連れて行っても役に立たなそうだとあきらめた。
次に屋敷の警備兵に頼んだ。
警備兵は4人いて持ち回りで屋敷を守っている。ルーチンが空いてればダンジョン探索にきてくれるのではないかとお願いした。
断られた。
どうも配下を得たことでお嬢様は一人の成人と同じ扱いに代わっているらしい。
タウロン家が雇ったものに別の仕事を頼むには、別途金銭が発生するようだった。
金銭が発生するならダンジョン馴れした者を雇うか――というところで、オレの疑問がお嬢様に向けられた。
「このメンバーじゃダメなのか?、って」
「むしろスキルが一つしかないのになぜそれほど自身があるのか疑問ですわねっ」
ほんまや!
確かにそうだ・・・。
オレ自身の強さがほとんどないのだから、探索はシアとお嬢様の実質二人だけになる。
何かあったら一人を背負ってダンジョンから脱出しなくてはいけなくなる。それは非常にまずい。
「パパは無職だから」
慰めてるのかわからないよっ
それを言うなら戦力外だ。
ぐふっ(←大ダメージ)
さて、人を雇うことが決まったので、町の中心部にある冒険者施設に足を運んできた。
お嬢様が言うには最低でもCランク冒険者が3人は欲しいらしい。
一度潜ったことのあるダンジョンらしいので判断は全面的にまかせよう。
募集を出したところ人が殺到した。
そりゃそうだ。
郷長の娘が仕事を頼みたいというのだ。ここで顔を売っておけば将来的に得るものは大きいだろう。しかも冒険者としては楽な低ランクダンジョン攻略である。楽して将来の実入りがよさそうな話だった。
Cランク冒険者3人以上のパーティーが8パーティーが応募してきた。
多いよ。どうするんだ?
報酬はお嬢様のポケットマネーである。配下のための金銭はケチらないお嬢様なのだ。
けれど締めるところは締める。結局1パーティーにお願いすることにした。
選考は抽選である。
当たりくじを一枚とハズレ7枚を用意した箱を用意します。
はじめに当たりを引いたパーティーに仕事を任せます、と宣言したところ、結果は1パーティー目で決まった。
一度目ですべてのくじを引いたのである。
とんちかよ
魔族領とはそういった生き馬の目を抜く才能にあふれた者がたくさんいる場所らしい。
やってきたパーティーは3人組だった。人間男性二人に獣人女性一人。男僧侶・男魔術師・女盗賊。そんな配分だった。
なんか・・・あまりパッとしないね。
「・・・あなた方のランクはC以上でいいんですわよね?」
お嬢様が確認をとる。
応えたのは僧侶だった。
「シシシ。自分はBランクで他はCランクでござる。ちょっと後衛が多いかもしれませんが、あなた方が前衛向けということで、合わせればちょうどよいかと思うでござるよ」
イタイ。なんかイタイ。
これはオタク臭というやつか。この世界の魔術師はひきこもりを極めし者と同じ、魔導を極めし存在なのかもしれない。
ていうか、後衛しかいねーじゃねーか
こっちに前衛を振るのか・・・。前衛が不安だから護衛を雇うつもりだったのに、いいんか?。まぁシアとお嬢様で前衛一人分くらいにはなるだろうが。
「Bランクであれば問題ないですわ。たよりにします」
お嬢様はそう答えた。
この世界のランクとやらがわからんが、大丈夫ってことらしい。
明日の朝出発の予定を伝え、彼らと別れた。
荷物を整え、いざ出発である。
例の3人組は遅れずにやってきた。
洞窟自体はそれほど遠い場所にはない。というか、領主が鍛錬目的にダンジョン内に属性判定の魔道具を置いたのがそもそもの原因なので、町からそれほど離れていない場所を選んで設置されてるのだとか。迷惑な領主様である。
死んだらそれまでということ。配下選別の催しもそんな感じだったしなぁ。魔族が強者を求める種族なのか、それともこれは世界全体の風潮なのか。
(´・ω・`)そいや「時間の止まった世界」の設定はもう一個の作品と共通してます。こっちが終わったらあっちを終わらせたい




