館にて
シアの生活は屋敷のメイドさんとほぼ同じだ。
朝、お嬢様を起こし身なりを整えさせる。
食事はお嬢様たち家族が終わってから簡単に取る。自分で獲ったものではなく、調理されたものを食べるので慣れるのに時間がかかった。
昼までお嬢様は稽古事だ。基本的に座学。シアが無知だとわかるとお嬢様の隣に席を作ってくれた。静かに聞いている分にはいてもいいらしい。
昼はお嬢様も簡素に。誰かと食べることもあれば、一人で食べることもある。最近はシアの話をきいたり、シアにいろいろ教えたりしながら食べている。
午後からは戦闘訓練。
そしてお嬢様と家族の夕食。終わってからシアの食事。あとはお嬢様の遊戯につきあったり風呂の世話をしたりしてからやっと自分の時間がある。
お嬢様の世話をするようになってから、シアの魅力が12にあがった。まさかの二桁である。
今までどんんだけ魅力のない場所にいたんだよ、と思うが、これはオレの認識がちょっと間違っているのだろう。
家に引きこもって暮していたあのころより、シアといっしょに野山を駆け巡っていたころの方が、周りにきれいなもの、うつくしいものがあふれていた。
自然の中で躍動する美もあるだろうと思うが、それではダメらしい。シア自身が獲得した魅力でなければステータスに反映されない。まぁ、まったく無いわけではないかもしれない。魅力8くらいになる程度にはあったのかも。
ステータスは基本的に自己研鑽なんだね。
さて、上記のお嬢様の生活でシアにとっても重要な部分は戦闘訓練である。
戦闘訓練は2通りに分かれている。
片方が剣術。これはお嬢様が刺突剣を扱うことから、その訓練。タウロス系なのに刺突剣か、という気もするが普通の刺突剣は突きで岩に大穴を開けない。明らかにパワータイプな何かである。
教師との模擬戦と、野生の魔物相手にスキルを使っての実践訓練。お嬢様は刺突系スキル2種、剣術系スキル1種が使える。ぜひともご教授願いたい。
もう片方は魔術。内発という身体強化系と、外発という攻撃魔術。回復魔術は教わっていない。かなしい。
お嬢様は強化1種、攻撃1種が使えるらしい。
さて、シアは配下である。配下とはお嬢様が戦場に駆り出された時、一緒に赴いて戦わねばならない存在であるわけで・・・・・・
何の金銭も代償も払うことなく、お嬢様といっしょに戦闘訓練に参加できるのである!
ビバお嬢様!ありがとうお嬢様!あなたのことは忘れない。シアより発育のいい身体とか、いつまでもオレの中で語り継いでいこうあ、いたっゴメンうそですゴメンナサイ
ゴリゴリ
シアに刃先を削られることもあるのでやめよう。ただでさえ減少傾向にあるオレの体がもっと減ってしまう。
そもそもいつもオレを手元に置いて着替えてるじゃねーかっていう
ゴリゴリ
さて!新たなスキル候補だが!
お嬢様の刺突スキル《風突》と発展スキル《三段突き》。これは槍でも使えるスキルだ。実際にお嬢様にオレを持ってもらい使ってもらった。
流石に一回だけでオレに習得できるわけもなく。ただ槍であっても使えるということだけがわかった。
風刃のスキルで発生する不思議な剣風。あれが刺突型になってもう少し遠くまで届くかんじのスキルだ。
もう一つ、剣術スキル《輪舞》。踊るように舞いながら相手の剣を絡みとる、回避と攻撃をあわせ持ったスキルだが・・・これは槍では使えない。
槍で使えなくともシアが覚えていいスキルではある。
シアは《風突》を一週間で覚えた。武器に風を乗せる感覚は風刃でわかっている。同じ要領で今度は突きを行えばいい。
さて、発展スキル。これにはどうやら条件があるらしい。『風突の熟練度が30を超えていること』教師にはそう言われた。そのうえで風突を使うと、ある時急に三段突きの使い方が思い浮かぶのだそうだ。
あれだ、頭の上に豆電球がピコーンと点灯するイメージだ。
というか、風刃も熟練度がMAXなのに次のスキルを覚えないのは何でなん?剣術スキルだから剣を装備していないとダメとかなのか?
要検証である。
と思うが聞けば応えてくれるのが教師である。やっぱりそうなのだそうだ。ありがとうジョージ先生。
あとはスキルは入れ替えれるらしい。これは重要だね。おもにスキル欄が7個しかないオレにとって。
ちなみに熟練度は100が最大値らしい。ただこれは種族ごとに上限があるらしく、人間は50で最大になるそうだ。
カワイソウダネーなどとシアと話していると、シアの独り言を聞いていたらしいお嬢様から注意が飛んできた。




