ブヒ蔵
老体のわりにシュタタタと軽快な走りをする老人にトテトテとついていき、お嬢様のマンハントを追いかける。
どうやら奴隷を複数放出し、モンスターをけしかけて運動性能を見ながら気に入った奴隷を連れて行く、という会場のようだ。
参加している貴族はお嬢様以外にもいる。
だいたいがお嬢様と同じくらいの子供をつれた大人が多い。
「10の年祝いの催事ですな。配下を扱うための実践的な訓練が始まる意味もありますが、立派な魔族として自分だけの配下を持つという意味が大きいんですぞ」
執事が教えてくれた。
ジョージさん。
かなりヨボヨボで目が眉毛に隠れて見えないくらいもっさりしている。ていうか、眉毛のせいで物が見えてないのではないか?。
しかし10歳なのか。魔族は人より幼少期が短い種族なのかもしれない。
催しの終了が告げられる。
配下を決めなかった子供は生き残った奴隷からくじで当たった奴隷があてがわれる。
「結局一人だけでしたわね・・・」
お嬢様は不満そうだった。
そんなお嬢様にニヤケづらの子ブタがやってくる。着飾った子ブタだ。
「もーるていしあぁ、お前どんだけ捕まえたんだぁ?}
モールテイシア。モルテイシアか。
それがお嬢様の名前っぽい。
「ブヒ蔵・・・何か用かしら」
「ブランヒルグだっ。見ろよオレの配下を。3人だぞ。どれも生きのいい男が3人。ブヒヒッ、お前はどんだけ捕まえたんだ?」
見てわかるだろうに、ブヒ蔵はキョロキョロと辺りを見回してお嬢様の戦果を探すふりをしている。
「・・・・・・一人ですわ。私は一人で十分ですわっ」
「な、なんだってぇ、一人だってぇ、ブヒヒヒッ、しかもこん・・・あ?こんな・・・こんなのいたブヒ?」
黒い髪に黒目、金目のオッドアイ。一目見れば忘れないような力のある眼差しの娘。こんなのが奴隷に並んでいればまず見逃さないだろう。
「・・・・・・お、おれの3人と交換してやっても、いいぞ」
ブヒ蔵はシアが欲しいらしい。いっしょにいるオレでさえ見惚れることがある娘だ。しかしブタに真珠。お前に娘はやらん。
「いらないですわ。そんなちんちくりんばかり3人も集めて、お山の大将がお似合いですわよ」
確かにブヒ蔵の選んだ3人はどれも背が小さく、貧弱そうに見える。
「ジョージ、帰りますっ。あなたもついてきなさい」
お嬢様はシアについて来いと言う。
「・・・んっ」
シアはお嬢様についていく。
オレたちはお嬢様の配下になったっぽかった。




