お嬢様と契約
「ジョージ、ランバが倒されちゃってますわっ!」
「そうでございますかなお嬢様。ジョージの目には元気なランバルングが3頭ちゃんと見えておりますぞ」
「今日ももうろくしているのねジョージ。そもそもここにいたランバは4頭です。私この奴隷にきめましたわ。いいでしょう?」
「これというのがどれだかわかりませぬが、良いと思いますぞ。3頭のうちから選ぶのですな?」
「今日もジョージはナナメ下方向全開ですわねっ」
パカランと馬っぽい生き物の足音をさせながら、騒がしいやつらがこちらにやってきた。
・・・・・・お嬢様と執事服を着た高齢の老人だ。この世界でもお嬢様は華美な服を着て髪を縦ロールにし、執事は執事っぽい服を着て目にモノクルを付けているのか。
なおモノクルは役に立っていないように見える。
「・・・・・・なに?」
人・・・ではないな。お嬢様は頭に角が生えている。執事の方は耳が長く、耳のさきっちょがフサフサしている。
「あら、あなたスタートの時にいましたかしら?。こんな目立つ容姿の奴隷ならチェックし忘れないはずですのに」
お嬢様はシアの隣に馬を寄せ、馬上からシアを値踏みしている。
・・・奴隷たちをモンスターに襲わせて生き残ったやつを雇用する、みたいな感じかね。
なぜシアがその奴隷と勘違いされるのか。
それは・・・シアがボロボロの服しか着ていないからである!。
だから魅力が8なのだ。
「うるさい」
「んまっ」
オレへの返答を自分への答えと勘違いしたのか、お嬢様がプリッと怒る。
このお嬢様、年はシアより少し上に見える。外見12歳以上15歳未満ってところか。オレンジの髪にこめかみから強そうな角が横に生えている。額を全然守ってくれなさそうなぶっとい角だ。
「私の奴隷になったらきちんと口の利き方というのを教えてあげますわよっ。ジョージ、もう一人くらいみつくろいにいきますっ」
「左様でございますな。ではこちらの少年は契約を結ばせておきますぞ」
少年ではないが、シアがサイに見えていた時よりは人に近くなっている。
執事は両手を広げ、その間に魔法陣を展開した。
魔法陣きたこれ。
魔法陣は図があり、よくわからない文字があり、”魔法陣”って感じの魔法陣だった。うむ。良い。
でだ、どうすんだ?契約?そもそも契約を結ぶ理由がないような、でもここでこそっと雇用されると後が楽な気もするが。
シアは眉根を寄せている。
シアの嫌っている人族ではないし、なんかちょうど勘違いしてくれてるし・・・・・・どう?ある意味チャンスだぞ。
奴隷としてだが、念願の魔法持ちの種族に取り入ることができそうだ。人間にスキルを教わるよりシアにとっては良いと思う。
「・・・・・・ん」
シアも納得したようだ。
「早くここに腕を通すんでずぞ。次が待ってますからな」
シアは魔法陣にオレを通した。
ピカーンと魔法陣が光り、契約が完了したらしい。
「うむ。ではわしについてきなさい。お嬢様を追いかけますからな」
まて。
まって。
契約したのオレ。
オレが契約した。
契約したの。
契約しちゃったぁぁぁぁぁああああ!
「ふふっ」
笑いごとじゃないよおぉっ




