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邪武器の娘  作者: ツインシザー
魔族領
20/222

西へ

 シアの歩みは遅い。


 あれから三日かけて説得したのだが、それでも気分が乗らないようだ。

 わかっている。人はシアの大切なものを奪った。それはどれだけ時間をかけようとも消えることはない。

 それにオレも、消えなくていいと思っている。


 ――復讐心


 それはシアを育てる一番の燃料になっている。

 人間を殺すために、人間にスキルを教わる。

 矛盾である。

 そんな矛盾を抱えてもやらなければいけないのか。

 いまだに答えは出ない。


 でも、

 でもだ。

 復讐を糧にして強く育ってほしいと思う一方、人間の一人だったオレとして言わせてもらうのならば、シアには人間の弱さを知ってほしいと思う。

 オレが弱かったように、間違えない人間はいないのだから。

 心通わせられる人間だって必ず、いるのだから。



 迷子になった。

 来た道を戻ればいいと思っていたが、3年も前のこと。覚えていなかった。

 今はどうなっているのか、リザードマンの集落に帰ってみようとも話していた。

 行けども行けども見覚えのある地形に出会わない。

 北の方に白い雪に覆われた山脈が見えるので、そこまで大きくは間違っていないはずなのだ。あの山々は集落にいたころから北にあった。

 というか・・・街道一つ見つからない。人ってもしかして少ないのか・・・?。

 歩けども、歩けども、草と林と魔物と大自然しかない。


 ずっと西に歩いて12日目。

 不安で方角を変えようかと思い始めたころ、ようやく人に出会った。


 というか・・・ほとんど魔物に殺されていた。

 それは何かおかしな状態だった。ボロボロの服と剣を持って死んでいた。荷物はない。

 人だけではない、獣人や、あともしかすると魔族のような種族もいるように見える。

 それがみんな同じような格好で死んでいた。一人だったり複数人だったりしたが、どれも強い力で体の一部を破壊されている。


 なんだこれ、と見ているとなるほど。サイだ。頭が二つあるサイがシアめがけて突撃してきている。

 大きな巨体で人よりもはやい速度で突撃されるのだ。そりゃどこにぶつかっても大ダメージだわな。


 こわっ

 サイこわっ。

 なんて実際にはあまり思っていない。野生の動物みたいなのはリザードマンの集落にいたころから狩りの対象だった。


 すでに野生児を極めたシアの敵ではない。


 スキルを使うこともなくサイを突き殺していく。

 始め一匹いた双頭のサイは後から増え、合計で4頭現れたが程なくそれも倒し終える。

 ・・・・・・何だろうなこれ。

「シアたちみたいに、逃げてきた?」

 サイが、ではなく殺されている死体がってことだろう。

 着の身着のまま逃げてきたのかね。でもそれだったら武器よりも荷物持ってそうだけど・・・。

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