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邪武器の娘  作者: ツインシザー
プロローグ
2/222

プロ2

 卵を割って赤子が生まれた。普通に人間らしい頭部が卵からコンニチハしていた。


 うん。人間の赤子だわ。

 あちこちで誕生の産声が上がる中、オレの目の前にいる赤子は産声一つ上げることなくきょろきょろと辺りを見回している。

 もう目が空いてやがる・・・というか、視力が安定しているのか?。驚きである。

 そして目が開いたことでわかったのだが、この赤子、オッドアイだ。

 左右で瞳の色が違う。

 左眼が黒。そして右眼が金色に見えるきれいな瞳を持っていた。


 子供のころの眼の色がなんだろうと、大人になると変わるということもある。しかしその不思議な瞳に見つめられると、なんとも言えない喜びを感じる。

 むっちゃきれい。

 うむ。なんかわからんがやべーな。


 卵が還ったり、オッドアイの赤子に見惚れたり、産声の大合唱がおこってたり、唐突な生命の神秘が繰り広げられてる気がする。まるで還ったばかりのウミガメの赤ちゃんを見守っている気分だ。


 さて、オレの目には赤子の様子だけが見えていたわけではない。


 それ以外のモノ。


 赤子の隣に刺し立てられた武器。これも見えている。というか、見られている。

 なんてこった。武器に目玉が付いているのだ。武器の側面、剣であればつばの所。斧であれば柄と刃が重なるような所に。

 目玉が付いていてギョロギョロ辺りを見回している。

 ―――そう、

 オレと同じように、可能な限りの情報を視界から得ようと視線をあっちこっちに動かしていたのだ。


 察しのいいオレはわかってしまうね。

 オレ、武器になったんだな、と。

 だから体が動かないんだね。声も出せないんだね。どうなってるんだおいこら

 そのうえなんか、その武器共が浮かび上がっている。


 飛んでる。


 空中を飛んでる。


 ぎゃあ、ファンタージー。

 しかし目玉の付いた剣、というものに心当たりがないわけではなかった。それほどメジャーではないのだが、いくつかのファンタジー作品においてその武器は見られる。


 ”イビルソード”


 もしくはリビングソードやイビルウェポンと呼ばれるそれは、剣に目玉が付いていてひとりでに飛び回り、プレイヤーに襲いかかるのだ。

 確か分類的にはゴーレムなんかの無機物系か、リビングアーマーなんかの霊魂憑依型のアンデッドに分類されていたはずだ。


 てことはオレも同じように飛べるのか。

 よし。

 あーい きゃーん ふらーい!

 びゅーん


 とは、ならなかった。

 ・・・・・・どうやって飛ぶん?。

 飛べないんだけど。

 飛べないんだけどー!。


 オレのきゃんふらい精神を置き去りにして、金目の赤子がオレの体を両手でつかんだ。

 地面から引き抜かれブンブンされる。

 うおおお危ないから振り回さないで!キャッキャしないで!地面にガンガン打ち付けないで!あきてその辺に投げ捨てないで!


 投げ捨てられたオレを拾ったのは金髪の赤子だった。

 ペロペロされた。

 人生初のペロペロだった。

 むっちゃペロペロされてる。べろべろべろべろべろべろえべれべれべれ


 そんな無体を働かれているオレを哀れそうに見下ろしているウェポン達は、示し合わせたように上へ――天井の見えないその先に飛びたって行く。

 いくつかのウェポンは赤子をのせたまま。けれど大半はその身一つだけで。


 オレはその姿をぺろぺろされながら見送る。

 オレの周りには残された赤子と、オレと同じように飛べずに地面に刺さっているだけのウェポンたち。


 そうか、ゲームの飛べるウェポンはウェポンだから飛べるのではなく、自然淘汰のすえに飛べないウェポンを切り捨てた結果として飛べるウェポンだけが敵として登場してたのか。

 飛べないやつは敵ですらなく。登場する前にどこぞで朽ちて消えて行ったのだ。

 今のオレたちのように。


(´・ω・`)今月中は毎日上がるように設定したい

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