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邪武器の娘  作者: ツインシザー
人族領 軍隊編
163/222

聖剣探し1


 対策をたてる、と言っていた王子から護衛騎士に招集がかかった。

 護衛騎士が貸し出されているベルティナ嬢も到着し、すべての護衛騎士があつまった。

 合計12名。いつもは誰かしら夜間帯の護衛の任務のために朝は寝ているのだが、その彼らさえ集まっている。

 なんだろう?、かなり重要な話なのかも。

 左右にラザン将軍とタルティエにはさまれ、何かを話し合っていた王子が一歩、前にでて天幕のみんなに目を向けた。

 護衛騎士たちは話が始まる気配に口をつぐみ、王子の言葉を待つ。


「・・・・・・みんなが集まってくれたこと、感謝する。先日の戦闘で竜を屠り、この戦線はしばらく砦攻略のためにこの場に長期展開したままになることが決定した。護衛騎士のみんなにはまだまだ任務が続くことをすまないと思う。気を抜かずに任務にあたってほしい」

 いくつかの了解の声が上がる。

 砦攻略のためにしばらく長期戦になることは、みんなすでに聞かされていた。なので気のゆるみを起こさないための確認だろう。

「・・・・・・さて、それにあたり、私への戦闘参加要請がほとんどなくなることが決まった。砦は同盟軍の部隊のみで攻略するということだ」

「最近は王子の部隊ばかりが目立つ戦果をあげていたからな。砦の解放は同盟軍の手柄に、ということらしい。・・・だが、時間があいたわけではない。前の戦いで逃げたやつらが戻ってくるかもしれん。その時のために我々はここに駐留していざという時のために備えなければいかんのだ」

 王子の後に続いたラザン将軍の顔には”特訓”の二文字が透けて見えた。

 周りの護衛騎士たちにもげんなりした雰囲気が見える。

「ラザン将軍、それはそうですけど、ちがうでしょ。今みんなを集めたのは、別の方針があるからでしょう」

 タルティエから突っ込みが入った。

 ラザン将軍はふん、とそっぽを向いて王子に話しをゆずる。


「うん。特訓も大事だけれど、そのあいた時間に私たちは他のことをしようと思う。前回の戦いでシア様も敵の目に留まったことから、もう護衛騎士、そして騎士団は魔族から相当な脅威とみなされているはずだ。実際に夜間の護衛は襲撃や潜入とみられる魔族の動きが増えていることを感じていると思う。もうこれは覆しようがない。今更無害を装っても魔族は私たちを危険視するのをやめはしない。だから、今後はより一層の戦力を騎士たちに集めようと思う」


 戦力を騎士に集める。


 それはどういうことだろうか。他の部隊から”技”スキル持ちを騎士団に集めるつもりなんだろうか。

「実は先日の婚約式典で本国の貴族たちに領兵の参加をお願いしておいた。これは同盟軍には入らない。私の軍への協力ということで騎士団に並ぶ部隊になる。これは”数”としての戦力だ。そして別に”質”としても戦力を求めようと思う」

 王子は一度言葉を切ってみんなを見渡した。


「”聖剣”を探そうと思う」


 聖剣。圧倒的なスキルと性能を持った、一本だけで強者を打倒しうる超高性能な装備品。

 地道な特訓よりも、一足飛びな戦力増強を目指すなら”聖剣”の獲得は十分にありだろう。

 でもその聖剣がどこにあるのか、どのように入手するのかよくわかっていないんだと思うけど。

 簡単に入手できるものじゃないからヒュリオも探すのに苦労しているのだと思う。

「・・・ダリウス王子、聖剣のありかに心当たりでもあるのですか?」

 護衛騎士から王子に質問があがった。

「本国の書庫をあたらせている文官たちからいくつか期待できそうな回答が送られてきている。それとは別に他国の兵士たちにも聞き取りを行って興味深い話も聞けた。そのあたりはタルティエが管理しているので、そのうちまとめた物を紙にしてくれるだろう。知りたければそれを待ってほしい。けれど、君たち護衛騎士に頼みたいのはそのことではない。君たちには、聖剣を探すための手伝いをしてもらう」

 手伝い。

 王子の護衛とは別に、聖剣探しにあちこち奔走することになるということだろうか。

 正直・・・面白そう。

 ゲームで言うところのサブイベント周りだな。

「みんなに初めの聖剣探しの任務をあたえる」

 おお。

 ワクワクしてくるな


「金色の果実を使ったパイを作ってくれ」


 そうのたまった。


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