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邪武器の娘  作者: ツインシザー
リザード集落
14/222

リザード集落2

 長老のもとには4体のコモンと2体のハイリザがいた。長老も入れてハイリザは3体か。

「ヒュイゥ」

「ん。」

 長老の言葉はわからないが、逃げるための準備はできているらしい。これ以上の仲間の合流はないと割り切り、行動を開始した。


 南には3人の兵士がいる。

 剣兵が1、弓兵が2。弓兵の片方は剣を帯びている。


 3体のハイリザが槍を持って駆け出す。

 弓兵士が笑いながら弓を射る。その何本かがハイリザ達の体に刺さる。

 剣の兵士が武器をかまえ、振り下ろす。ハイリザが槍でそれをふせぐ。

 圧し負ける。けれど後ろから来たハイリザが兵士に何かを投げつける。腕でふせがれたその何かは粉末状のもので兵士の視界を奪う。


 ――といった行動を、オレとシアは水中から見ていた。


 水場に近いいくつかの家にはそのまま家の下から湖の水を汲みだせるような場所がある。あまり大きくない穴だが、そこを広げることで体の小さなシアとコモン1人が湖に潜っていた。音をたてないように潜水しながら泳ぐ。

 シアが木の足場の上から弓をつがえようとした兵士の足首を掴む。

 力任せにひっぱり、兵士を池に落とす。逆側からも別の兵士の足をひっぱろうとコモンが取りつくが、落とすのに失敗したようだ。


 池に落ちなかった弓の兵士は腰から剣を抜き、池の下へと差し入れる。

 池が赤く染まる。


 コモンの血と、そしてシアが今しがた殺した兵士の血だ。

 くそっ味方がやられたか。最低でも湖に落としてほしかった。


 シアは足場に上がる。そのことに気が付いた弓の兵士は剣を横凪にしようと振りかぶった。

 この動きは見たことがある。

 なじみの深いスキルだ。


 シアは地面にはいつくばるようにしてスキルを避ける。

 そのスキルは風刃ではなかった。

 ゴブリンを蹴散らした高威力スキル。・・・けれど風刃の上位スキルなのだろう。射程範囲が伸びただけでしゃがんでしまえば同じように避けることができる。


 シアはオレを下から振り上げた。

「パパッ」

 《風刃スラッシュ》っ

 大振りの隙を狙ってオレのスキルが兵士の首に叩きこまれるかに見えた。


 こいつ――強い!。


 首を狙ったスキルは兵士の片腕にふせがれてしまう。あのタイミングでダメか。

 腕を半ばまで切り裂いたが、それだけだ。兵士は片手で剣を振りかぶり、振り下ろす。


「《風刃スラッシュ》!」

 スキルの連続使用だとっ。いや、発展スキルと前提スキルは別物ということか。

 上段から下に風の刃が放たれるのを、シアは湖に飛ぶことで避ける。


 避けながら、くるりと体を回転させ、槍を薙いだ。


「《風刃スラッシュ》っ」


 湖に落ちる。


 シアの放ったスキルがどうなったか、時間を置いて倒れてきた首の無い兵士の死体が教えてくれた。


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