プロローグ
目を開けるとそこは薄暗い洞窟の中だった。
ゴツゴツした岩の壁にかこまれ、天井は見えない。
まるで自分の部屋が地底に陥没したかのような景色だ。
(部屋・・・くそ、動けない。どうなってるんだ?)
顔を左右に振ることも、手を上げることも言葉を出すこともできない。唯一眼だけは動かせるのか、ここはどこなのか探るためにあたりを観察する。
部屋・・・・・・というよりも広間だ。
学校の教室くらいの広さの中に黒い丸い物と黒い棒・・・いや武器が見える。
等間隔に並べられた丸い物の隣に、剣、斧、槍などが並べられている。
(どうなっている。なんで動けない?。ここはどこだ?そもそもオレはなぜここにいる?)
そうだ、昨日はどうしたっけ。
思い出そうとすると家族の会話を思い出した。
――応募していた装置の当選通知が来たのよ――
そうだ。そう―――コールドスリープ
世界が止まる前に、自分は冷凍睡眠装置に入ったのだ。
オレのいた世界は時間が止まった。
始めは少しづつ。
雲の流れが止まり、鳥が止まり、風が止まり、そして海が止まり、大地が止まった。
いつしか世界の全てをまきこんで、世界が停止していった。
オレは、その停止から生き延びるために、コールドスリープ装置に入ったはずだった。
なのにここはどこだ?体が動かないのは解凍されて間もないからなのか?。
ピシリと音が聞こえた気がした。目の前にある黒い玉に横ヒビが入る。
ピシリ、ピシリ
そのヒビ割れは大きくなり、玉を一周した。
あ、これ、卵だ。
という理解が得られたと同時に、卵から殻を破り何かが出てくる。
肌色の腕だ。
もう一本腕が生える。両腕がグリグリペタペタ動いている。そのうち玉の下の方から足が一本殻を割って出てくるが、そのせいでバランスが悪くなり玉が横に転がった。
ジタバタしている・・・ナンダコレ。
人間の赤子か?
どんな宇宙生命体が出てくるのかと思ったが、今のところ普通の人間のパーツだけだ。目の前にある卵以外の卵もお目覚めらしく、どれもこれもコロコロと赤子が誕生しようとしていた。
(´・ω・`)投稿の仕方大分忘れてる