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優しい魔王サマ  作者: いつき
オマケ・短編
25/40

オマケ 其の五

「そろそろこっちで住まないか?」

「ハイ?」

「こっちで暮らして、時々あっちに戻る、とか」

「何で」

「何でって」

「どうしてわたしが、こっちに生活拠点を置かなきゃいけないの?」

「王妃が滅多にいないというのは、少し……」

「わたし、王妃になるって言ったっけ?」

「俺が嫌いなのか?」

「そういう問題じゃないでしょ」

「そういう問題ですよ、ユキノ」

「お前は黙ってろ。冷血漢」

「随分な口の利き方ですね」

「ユキノ。俺とこっちで生きてくれ」

「それとこれとは違うって言ってんでしょ。この非常識ども!!」



 プロポーズのような??


      ―――――――――――――――――――――――――――――――――



「ん〜〜」

「もう少しですよ」

「んんーー」

「ハイハイ」

「むーーー!!」

「なんだか誘拐じみてますね」

「誘拐以外のなにものでもないわーー!!」

「おや、手が外れてました」

「このっ。外道が」

「これも魔王陛下のご命令ですから」



 結局力の差。


      ―――――――――――――――――――――――――――――――――



「ユキノ、怒ってるか?」

「……」

「怒ってるな」

「……怒ってない」

「無理矢理つれてきて悪かった」

「何回目?」

「すまないと思ってる」

「それ、前も聞いた」

「どうしても、会いたくなったんだ」

「だからってノアに誘拐まがいのことさせて」

「だって逃げるから」

「あんな美形、あっちで見るとかなりびびるんだから」

「そうか」

「あっちの世界の男が可哀想になってきた」

「ユキノはこっちでも美人だけどな」

「何気に口説くの止めてもらえます?」

「冗談じゃないぞ?」

「余計たちが悪いわ」

「何がだ?」



 そんな二人ですけど、友人以上恋人未満な感じでフヨフヨ。



      ―――――――――――――――――――――――――――――――――


「おお、ロミオ。ロミオ。どうしてあなたはロミオなの……」

「そんなの本人に聞かれても困るだろうなぁ。名前は名前だし」

「お名前をお捨てください。お父上をお捨てください」

「いや、無理だろ。名前を捨てろとか。無茶を言うな。このジュリエットとかいう人は」

「ちょっと場面を変えようか。感動的な、最終場面とか」

「そうしてくれ。俺には合わない」

「えっと。どうして、あなたはわたしに毒をも残してくれなかったの」

「毒っ?! 毒は残さないだろっ!! 飲む気か、この人は」

「ロミオ……」

「そろそろ、やめないか。これ」

「ジルは、意外にロマンがないのね。もっとロマンチストだと思ってたよ。わたし。

あ、ここは? 短剣よ、あなたの鞘はここよ。ここで錆びて」

「どこが鞘だって?」

「だから、ジュリエットの胸、心臓??」

「刺すのか?」

「刺すのよ」

「「……」」

「劇、というのは存外難しいな」

「そうなの。だからそろそろあっちへ返してくれる? 明日からまた練習だから」

「イヤだ。それなら俺が頑張って、練習する」

「あ、そう? (でも実はばあや役)」



 文化祭の台本朗読。ジルはリアルでロマンを求めるタイプ。フィクションには難癖つけそうです。

 反対に雪乃はこういうのは意外に好きそうです。わたしもシェークスピアは好き。

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