《2》メタルなアイツになりました。
「どうなのだ?見たところ成功のようだが。」
低めの太い声が聞こえて目を開ける。
自分がいるところは外国の豪華な城のような作りの部屋だった。
突然のことで何がなんだか分からない。
とりあえず周りを見渡してみると、同じマンションの住人がいた。
なにやら口々に騒いでいるところを見ると俺と同じ状況のようだ。
こういうときは情報が何より大事だ。
みたところ俺の目の前にいる太った人物が何かを知っているようだ。
「ワシはカレン王国第5代目国王ツルギ=ロバードである。」
・・・・・ん?
ちょっと言っている意味がわからない。
他の人たちもポカンとしている。
確かにその人物はまさに王様って感じの服を着ている。
部屋の飾りもそれっぽさはある。
でも、さすがに今の発言は痛い。
「そういえば、お主らの国には国王がいないのだったな。代わりに『テンノー』と呼ばれる者がいるのだろう?」
国王と名乗った人物は思い出したかのようにそう話す。
そういう設定か。でも本人の顔はいたって真面目だ。
まるで、ここが日本じゃないみたいな・・・
「ここはお主らの住んでいた世界ではない。そしてお主らには『魔王』を倒してもらうのだ。」
自称国王は意味の分からない言葉をいいはなったのだ。
シーンと静まり返る部屋。
皆、言われた言葉の意味が分からないようだった。
「とにかく、寝転がりながらじゃなく、起き上がって聞いてくれ。真面目な話じゃ。」
そういわれ、俺は起き上がる。
いや、起き上がろうとした。
(体が鉄みたく硬い?)
動かそうとしても動けないのだ。
まるで体がコンクリートに固められてしまったみたいに。
それどころか、声もでない。
(どうなっているんだ?)
すると、説明をしようとしている自称国王と目があった。
俺はこの状況を必死に伝えようとした。
しかし、かけられた声は想像とは全く違うものだった。
「おい、誰かあのモンスターを駆除しろ。」
指された指は俺を向いていた。
(は?)
「陛下。あのモンスターはスライムメタルといって経験値を莫大にくれるモンスターなのです。」
スライムメタル?
俺がモンスターだって?
「陛下のペットに与えるのがよろしいのでは?」
与えるって、俺を?
はは、何いってるんだ?
「なるほど、いい考えだ。すぐ手配してくれ。」
いきなりつかまれ、袋のなかに詰め込まれる。
そのまま俺の意識は途絶えた。
読んでいただき、ありがとうございます。
二回目でまだ1000文字もいっていませんが、次からは3000前後いけたらと思っています。
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